【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「ジハハハハハ。まさかオレがロジャーやガープ以外に負けるなんざ想像もしなかったぜ。次に会うときは、あの世になるが楽しかったぜ。〝拳骨〟の二代目、あと〝寝返り〟のアゴヒゲ」
「インペルダウンで元気な余生を過ごせよ」
「いや、それは違うだろ。あとアゴヒゲはオレの名前じゃねえよ」
ジャンゴのツッコミに頷く部下とインペルダウン職員の反応に不満を抱くもオレは間違ったことは言っていないと信じ、海楼石の鎖を身体中に巻き付けられたシキに軽く手を振ってやる。
「───じゃあな。また会おうぜ」
シキはどこか満足げに呟き、移送船に乗り込む。
流石は大海賊だと感心するオレとジャンゴの背後ではシキ以上に海楼石の鎖や手枷、足枷を嵌められたダグラス・バレットが騒々しく暴れまわっている。
「まだオレの戦いは終わっちゃいねえ…!麦わらを殺し、オレが海賊王になる!!こんなところで
ダメージを受けすぎたせいか。
彼は支離滅裂な言葉を繰り返し、ただでさえ強力な〝覇気〟を振り撒く存在に攻めあぐねる海兵達の悲痛な叫び声に動き出そうとするサカズキ元帥を片手で制し、ゆっくりとオレはバレットの目の前に立つ。
「二代目ッ、お前もだ!麦わらとお前を越えれば同時に二人を越えたことになる!オレと戦え!戦え!戦え!戦えエェェーーーッ!!!」
「ダグラス・バレット、オレと戦いたいなら万全の傷も何もかも癒えたときに看守に言ってくれ。この大事なものを守るために鍛え上げた二つの拳がお前の渇望を受け止め、打ち砕いてやる…!」
そう言ってオレは〝ノッキング〟を打ち込み、ダグラス・バレットの動きを封じる。だが、カレノ異常に発達した筋肉によって神経節への打撃は浸透せず、数時間後にはうごけるようになる。
そんなことを考えながら動けなくなったバレットを担ぎ上げ、ジャンゴに呆れられながら「そういう技術は隠しとくのが理想だったろ」と言われる。
……言われてみれば確かにそうだ。
トリコと繋がっている可能性があるとはいえど〝ノッキング〟の技術を見てしまったサカズキ元帥の目付きが昔の頃に戻っていやがる。
「フルボディ、あとでワシと組み手じゃァ!」
「ジャンゴも使えます!」
「ならばソイツも参加させえェ!」
「ふざけんな!?」
ひとりでサカズキ元帥の扱きを受け止めきれる自信は、まあ、無くはないけど。さすがにマグマを受けるのは熱いし、オレ以外の生け贄も必要だろう。
オレ達は親友だもんな!
〈ダグラス・バレット〉
〝鬼の跡目〟と呼ばれた男
元ロジャー海賊団の船員。かつて所属していた軍事国家「ガルツバーグ」にて養父〝ダグラス・グレイ(転生者)〟と出会い、彼の有する知識と武力の全てを受け継ぎ、彼の期待通りにガルツフォース最強の兵士となり、彼は「戦争の終わらない国」では味わうことの出来なかった幸福の時間を過ごす。
───しかし、彼の幸せは長続きしなかった。
あまりに偉大すぎる将軍〝ダグラス・グレイ〟と彼の全てを受け継いだ兵士〝ダグラス・バレット〟の活躍を危惧した上層部の策略によって養父共々裏切りに遇い、自身を庇った〝ダグラス・グレイ〟の死を見届けることになったのだ。