【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
〝麦わら帽子〟の少年
ふと退屈な書類仕事をこなしていたときだ。
「そういえば、そろそろだよな」
「なにがだ?」
オレは新聞を読んでいるジャンゴの言葉に質問をぶつけると「いやな、そろそろルフィも旅立つだろうからよ。ってことは、もう原作開始だろ?」とジャンゴは当たり前のように言いやがった。
そんな話は聞いていないんだが?とオレはビックリするのも束の間、アイボリーが「フルボディさん、麦わら帽子を被った少年が斧手のモーガンを倒したそうで、近海で海賊行為が……」なんて言いながら今月の新聞を片手に執務室にやって来た。
乗り遅れたのか、ビッグウェーブに!?
ガックリと項垂れるオレに首を傾げるアイボリーと、ゲラゲラとバカみたいに笑っている。お前の顔面をめり込ませてやろうかと思うが、グッと堪えて今月の新聞を受け取る。
「……なんだ、元気そうだな」
ニッコリと笑って写真に写っている〝麦わら帽子〟の少年と、彼に肩を組まれながら写真に写る短髪の強面な男に懐かしさを感じるが、やはり彼が誰なのかは思い出せない。
「このまま無事にルフィが航路を考えればオレ達の海軍支部に寄るのは分かっているが、アイツは破天荒だからな…」
「まあ、ルフィくんですからね」
「アイボリー、ついでに君も会いに行くか?」
「おいおい、フルボディ。いきなり海軍〝少将〟のお前が行ったら大変なことになるんじゃないか?」
「……まだオレは海軍〝大佐〟のつもりだ」
オレはジャンゴの言葉に反論するものの。
「いやぁ~~?今の大佐はオレですがねぇ?」
「ブッ飛ばすぞ、アゴヒゲ」
「やってみろよ、アホヅラ」
「二人ともケンカは止めて下さい」
海軍本部に勤務したくないがために〝大佐〟の地位を維持していたのに、とうとうキャリアと強さが揃っていないと元帥に指摘され、ちょっとだけ海軍の階級を上げることになってしまった。
そんな過去を思い出していた。
「よぉうし、会いに行くぞ」
「マジで行くのか?」
「ちょっとした挨拶だ」
「私としては仕事をしてほしいんですけど」
「「じゃあ、行ってくるぜ」」
そう言って逃げようとした瞬間、オレの外套は引っ張られる。ついでにジャンゴのアゴヒゲも掴んだら、全力で逃げようとしやがる。
「アゴヒゲ離せよ!?」
「オレだけ居残りはいやだ!!」
「二人とも仕事を終えれば会いに行ってもいいんですから、さっさとしてください」
アイボリーの言葉にオレとジャンゴは渋々と席に戻り、仕事を再開する。……しかし、とうとうONE PIECEが始まるのかと思えば、ようやくたどり着いたって気持ちになる。
「アイボリー、今度またバラティエに行こう」
「はい、いつでも待ってますね」
オレ達のやり取りにジャンゴは「けっ、オレだってマキノさんやヒナ大佐と恋人になりてえよ」と聴こえないように文句を言っているが、オレには普通に聴こえている。