【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「ハァーッハッハッハッ!!!」
高らかに笑いながら〝舞空術〟で空を飛ぶオレから必死に逃げる海賊船に向かってドリルのように高速回転して突撃し、甲板を突き抜け、船底まで突き抜け、ぐるりと海底を蹴って反転し、再び船底を突き抜ける。
「オレは究極のパワーを手に入れたのだぁー!」
そう言って融合したピッコロさんのように笑うオレに呆れたように海軍の戦艦で頭を押さえるアイボリー、その隣で「オレも飛べねえかな?」と全身に力を込めるジャンゴにグッと親指を突き立て、グッドサインを送る。
「……ふう、少し落ち着こう。流石に自意識過剰になるのは良くなかったぜ。オレは海軍大佐のフルボディだ、無鉄砲な熱血漢ってわけじゃねえし」
「いいえ。フルボディさんは無鉄砲ですし、戦闘時は熱血漢っぽいですよ?ジャンゴ氏もそう思ってますよ、そうですよね?」
「お、おう。確かに、フルボディはバトルジャンキーみたいだし、自分より強い相手と戦うのが好きなのは知っているぜ。ただコイツは熱血漢って感じゃねえな、普通に戦闘狂いなだけだ」
海軍の戦艦に着地して落ち着こうとしたら、アイボリーとジャンゴの罵倒が待ち受けていた。フッ、そんなに酷いことを言わなくても良いじゃないか。
あとオレはバトルジャンキーじゃないぞ。
ただ、自分より強いヤツと戦うのが好きなだけだ。
「……さて、フルボディさんへの文句はここまでにしましょうか。私達、正確には〝緑牛〟大将を主戦力とした合同作戦になりますが、私達の役目はワノ国を拠点とする百獣海賊団の逮捕です」
静かに作戦を伝えてくれるアイボリーの話を聞きつつ、そういえば緑牛大将と話すのは初めてだったかと甲板に視線を向ける。
「……なんか、光合成してるな」
「そういう能力だそうだ。オレもアイツに関する知識は持ってねえし、サカズキ元帥の派閥に所属するNo.2って情報しか知らされてねえ」
困惑するオレにジャンゴは悪魔の実の能力による効果だと教えてくれるが、太陽光を浴びるだけで甲板が森林化する能力ってなんだよ?と首を傾げてしまう。
「隣、失礼するぜ」
「あ?ああ、〝二代目〟か。好きにしなァ」
「……オレは〝拳骨〟じゃねえよ」
「らははははっ!アンタが嫌がってもその肩書きで海賊共はビビって悪さを止めるんだ、それで良いじゃねえか!それに継げるなら継いでやれよ、そうすりゃあモンキー・D・ガープも安心できるんじゃねえか?」
オレの反応が面白かったのか。
緑牛大将はバシバシとオレの背中を叩き、オレがガープ中将の肩書きを継げば海賊はビビるし、それだけで抑止力の代わりになると言ってくる。
だが、そういうことじゃないんだよな。
「いや、オレが継ぐより適任がいるんだよ。ほら、あそこでアゴヒゲとケツアゴに挟まれてる、オレとおんなじ桃髪のヤツがいるだろ?」
「アイツは確か〝英雄〟コビーだったか?」
「おう。ガープ中将の愛弟子だ、少なくともオレがあの人の肩書きを継ぐよりアイツが継いだ方がガープ中将も安心できるだろうぜ」
「ほう、そんなにか?」
どこか観察するような視線をコビーに向ける緑牛大将の言葉をオレは静かに頷いて肯定する。それに、ひょっとしたらルフィを捕まえるのは、オレやガープ中将じゃなくてコビーかも知れないからな。
〈舞空術〉
出典・ドラゴンボール
複数人の使用する技術
身体に纏う気の放出を利用し、身体を浮き上げる。気の出力で高速移動や急停止、高速旋回を行える。そのためフルボディはテンションが上がりすぎて、変な事を口走ることが増えてきた。