【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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かつての〝見習い〟は〝若き副料理長〟

オレとアイボリーの行きつけは「バラティエ」だ。

 

穏やかな東の海を荒らす海賊を探して巡回し、たまに休日を利用して「バラティエ」の料理に打ち震えるという日々を送るのも悪くない。

 

ただ、アイボリーに手を出そうとする少年──いや、もう少年ではなく青年となったグルグル眉毛の男にオレは鋭いメンチを切りまくっている。

 

「アイボリーすわあぁぁ~~~~んっ!!オレの料理はどうですかぁ!?」

 

「とっても美味しいですよ、サンジくん」

 

「ああ、貴女に喜んでもらえるだけでオレは幸福の絶頂に到達してしまいそうだぁーー!!」

 

「オレには聞かないよな、いつも」

 

「いやいや、フルボディのオッサンはいっつも『美味い』しか言わねえじゃねえか」

 

「別にウソは言ってないだろ?サンジの料理が美味いのは事実だからな」

 

「……そういうところだぞ、オッサン」

 

たっぷりと甘辛いソースの掛かった料理をモグモグと美味しそうに食べるオレの彼女の傍らに跪き、サンジはいつものように(・・・・・・・)料理の感想を求める。

 

オレの恋人だと知っているため求愛は控えているつもりのようだが、コイツの『控えている』と宣う求愛の範囲は広すぎるとオレは思う。

 

もっとも彼の求愛は本気だがアイボリーを困らせるつもりがないということもオレは理解している。だいたい、サンジの女好きはゼフ料理長の教育のせいだからな。

 

そんなことを考えていた次の瞬間、オレは〝天井を突き破って飛来する少年の姿〟を察知し、アイボリーとサンジの二人を掴んでホールの真ん中に飛び退く。

 

「めえぇぇしいぃーーーっ!!」

 

ハハッ、ようやく〝麦わら〟のルフィに会えた。

 

あの頃に出会った子供の面影を残しているが、しっかりと立派に成長した彼の姿に喜びを感じるのも束の間、オレの真横を通り抜けていったサンジが「人様の店を壊すなバカタレェ!!」と強烈な蹴りをブチ込みやがった。

 

「多分、こんな出会いだったよな?」

 

「?」

 

オレの呟きに首を傾げるアイボリーに「なんでもない」と言いながらサンジに説教されるルフィを今は無視して、他のウェイターが用意してくれた新しいテーブルに移動していく。

 

「久しぶりに会えましたね、ルフィくん」

 

「そうだな。この前よりでかくなってた」

 

ルフィの成長した姿にオレとアイボリーは楽しく笑いながら二人のやり取りを眺める。サンジの怒る姿も見れたし、きっと仲間になるのも時間の問題だな。

 

「あぁーーーっ!フルボディと姉ちゃんだ!!」

 

「ごきげんよう、ルフィ」

 

「お久しぶりですね、ルフィくん」

 

ようやくオレ達の存在に気づいたルフィは嬉しそうにオレ達に近づこうとしたが、海軍の帽子と外套に気づいた緑色の短髪の青年、オレンジ色の髪をした少女に押さえ込まれ、ホールの隅に固まる。

 

「絶対に弁償させてやる…!」

 

そう意気込むサンジと「バラティエ」のシェフ達はぞろぞろとルフィ達に近付いていき、なにやら話し合いを始めてしまった。

 

まあ、今日は話せなくてもいいか。

 

 

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