【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
いきなりワノ国の人達に神樹様と崇められて、危うく奉られ掛けたアラマキ殿は人間の姿に戻り、自分は普通の人間だと説明したはずなのに、余計に拝まれていた。
「チッ。これも人助けだ!」
そう言ってアラマキ殿は人面樹へ変身し、ワノ国の人達の痩せこけた姿に苦悶の表情を浮かべ、再び地面に根を張ったかと思えば栄養分を大地に分け、次々と木々や草原を作り出していく。
リンゴやミカン、桃など栄養価の高くビタミンを大量に含んだ果実をつける木々とは対照的に筋肉質だったアラマキ殿の身体は細く触れれば折れるような枯れ枝に変わっていくのが目に見えて分かる。
「アラマキ殿、それ以上はダメだ!?」
「問題ねえ…!此処等の毒素を吸い上げちまえば栄養には困らねえし、そこの海賊からも搾り取っちまえば悪さする力も奪えんだろォッ!!」
アラマキ殿の身体が紫色に染まったかと思った次の瞬間、瞬時に毒素と栄養分を分離し、木の枝の先に毒素を押し付け、へし折る行為を繰り返す。
「すげえ、すげえよ!空気が澄んできた!!」
「らははははっ!オレに掛かれば枯れた大地だろうと自然豊かにするなんざ朝飯前よ!ああ、それとだ。二代目、そこの海賊から栄養取るからくれ」
「おう!二十人近くいるぞ!」
「「「ひぃっ!?」」」
「安心しろ、オレは殺しはしねえ!動けなくなるまで養分を吸うだけだ!」
そんなことを繰り返したとき、オレの脳裏に黄色と花柄の着物を身に纏った女が斬りかかってくる光景が見え、瞬時にパンチを振り抜いて刀を弾き飛ばす。
オレより背の高い女だが、筋力で言えばジャンゴより上か?いや、それにしても何かを違和感を感じるというか、ジャンゴに押し付けたくなるのは、何故だ?
「……貴方達は海賊でしょうか?」
「誰が海賊だ、オレは海軍だぞ!」
「アラマキ殿!?」
いや、直情的すぎない?とアラマキ殿を落ち着かせながら背の高い女に視線を向けるとオレの殴り弾いた刀を鞘に納め、静かに考え込んでいる。
「ルフィ太郎の知り合い…」
ルフィ太郎って、なんだ?
そんなことを思いながら人間の姿に戻ったアラマキ殿は面倒臭そうに頭をガリガリと掻き、さっきの発言についてどうしたものかと悩んでいる。
「よぉうし、自己紹介しようぜ」
「え?」
「は?」
「ごきげんよう、オレはただのフル次郎だ」
「ホントにするのかよ。ったく、アラマキだ」
「で、では、拙者はお菊と申します」
その名前を聞いて、なんとなくジャンゴの手帳を思い出した。多分、そういう感じの名前も載っていた気がする。いや、アイツは記憶力がいいから、普通に名前は書き漏らしなく書いているはずだ。
あとで聞こう。