【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝親友〟としての矜持(プライド)、〝百獣〟の大紋(エンブレム)に懸けて

「逃げるだけか海兵ッ!!」

 

「うるせぇ!こんなところで戦えるか!?」

 

ページワンの不規則なパンチの軌道を辛うじて〝見聞色の覇気〟で予測して避けることは出来る。だが、変則的な動きに対応できるほどオレは器用じゃない。

 

フルボディみたいにテクニックとパワー、スピードも兼ね備えたオールマイティーな格闘スタイルのヤツならガードなりして突っ込めるんだろうが。

 

オレは催眠術師のチャクラム使いだ。

 

アイツの攻撃を捌く(・・・・・)ので手一杯だ。

 

「ほら、次も避けてみろ!」

 

そう言うとページワンは腕をしならせ、ルフィで言うなら〝ゴムゴムの銃「散弾(ショット)」〟をオレに向かって放つ。落ち着け、この技はしっかりと覚えている。

 

グングンと乱れる打撃の軌道を正確に読み、オレの顔面に拳がぶつかる瞬間、瞬時に身体を回転してパンチの破壊力を受け流し、遠心力を利用してヤツの腕を外側に弾いて駆け出す。

 

「オレに当たるのは〝一発(・・)〟だけだ!」

 

「チッ。使い物にならん技が…!」

 

「お前の使い方が悪いんだよッ!」

 

ページワンの懐に踏み込み、高速回転させたチャクラムで身体を切りつける。しかし、そこでオレは手応えに違和感を感じて後ろに飛び退く。

 

「なんだ今の感触、ゴムじゃねえのか?」

 

そんなことを言いながら身体の切り裂かれたページワンに視線を向ける。流血はしておらず、単純に身体が斜めに分けられているだけだ。

 

何の悪魔の実だよ、あれ。

 

いや、ゴムみたいに伸びる性質を持つ能力だと条件を絞り込めば悪魔の実の正体を見極めることは出来る。〝モチモチの実〟……いや、あの悪魔の実の能力者はシーザーが鏡の中に封じ込めたはずだ。

 

「また考え事か、ジャンゴ」

 

「クソ、少しは効いたふりぐらいしろよ!」

 

「断る。そもそも効いてねえよ。なによりオレの背中に刻まれた〝百獣〟の大紋(エンブレム)に土をつけるなんざテメェごとき三下じゃ到底無理だ」

 

……確かに、いつもフルボディに頼ってアイツに負担を掛けるだけで、オレが個人的にネームドキャラを倒したことは一度もない。自分の弱さは自覚しているし、アイツに追い付けない劣等感や焦りもある。

 

だが、それでも無理じゃない。

 

考えろ。考えろ。

 

ゴムでもモチでもない伸びる性質を……!

 

「お前、ガム人間なのか?」

 

「あ?」

 

「伸びる腕、それに切り口の変色もそうだ。なによりゴムやモチとは違う断面、お前の食った悪魔の実は『ガムガムの実』だな?」

 

「……分かったところでどうなる?」

 

「悪魔の実の名前さえ分かれば幾らでも対処法は思い付くんだよ。それに知ってるか?ガムは〝熱〟でドロドロに溶けるんだぜ?」

 

そう言ってオレは自分に催眠術を掛け、一時的に高熱の風邪を発症した状態になる。更に心拍数の回数を底上げしていけばッ!!

 

「おい、ふざけんなよ!?なんだその熱量は、ネツネツとかメラメラの悪魔の実の能力者って言われたほうがまだ信じられるぞ!?」

 

「ドロドロに溶かしてやるよ…!」

 

オレの言葉に危機を察知したのか。

 

ページワンは撤退することを選んでくれた。……危なかった、アイツがオレの言葉に聞き入っているときに催眠術を掛けれなかったら(・・・・・・・・・・・・)マジで負けてた。

 

「へっ、ざまあみやがれ」

 

 

 

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