【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「らははは。随分と楽しそうだったじゃねえか」
「…まあ、あれだけ避けずに殴り返してくるヤツなんて初めてだったんで思わず本気になり掛けた。けど、これで百獣海賊団の奴らが下手な海賊より強いのは間違いないってことは理解できた」
「ああ、オレも能力を使えばいけるが、あの〝大看板〟に準ずる五体満足の万全の強い奴らに囲まれて戦うのは危険だろうな」
真剣な顔付きで思案するアラマキ殿の隣に腰掛け、ワタワタと救急箱を差し出してくれなサンジの妻?嫁?なのかは分からないが、三つ目のお嬢ちゃんに「ありがとう、助かるよ」と伝える。
アイボリーが居てくれたら傷の手当てや情報の整理も楽なんだが、今回はアラマキ殿を主軸とした百獣海賊団を捕まえる大事な作戦だ。
それに向こうにもジャンゴみたいに原作の知識を纏めて把握している海賊がいるかも知れない状況だ。出来るだけ暴れずに穏便に過ごしたいんだがな。
「ところでよ。二代目」
「イテテッ。なんだ?」
「さっきのヤツがまだ見てるぞ」
「……確かに見えるな」
まだ、なにかあるのか?
しかも顔色がすごいことになってるし。
「ジャック、何か用でもあるのか?」
「……お、おう。実は、さっきの〝ルーザールーズ〟のケンカをカイドウさんがタニシ越しに見てたらしくてよ、お前と話したいらしくてよ」
『気に入ったぞ、海兵の若僧。鬼ヶ島に来い』
「えぇ、なんでぇ?」
あまりにも突然すぎる急展開に困惑しつつ、アラマキ殿に視線を向ける。「らははははははっ!!良かったじゃねえか、これで進展するぜ」と楽しそうに笑っている。
この人って海軍大将なんだよな。
なんでオレのピンチに笑ってんだ?
「で?どうするよ、フルボディ」
「……わかった、行ってやる」
『ウォロロロロロ。楽しみにしてるぜ』
「ジャック、悪いが案内してくれ」
「フッ。任せろ」
絶対に殴り合えるけど。
さすがにジャックとのダメージが残っている状態でやり合えると思えるほどカイドウは甘くない。下手したらカイドウと戦う前に負けるかも知れねえ。
「フルボディ、今生の別れかも知れねえな」
そんなことを考えていた次の瞬間、サンジがオレに向かって何かを手渡してきた。ワノ国で買ったものか、ずっしりと重みを感じるものが風呂敷に入っている。
「今生の別れじゃねえよ。勝つのはオレだ」
「バカが。カイドウに勝つのはルフィだ」
オレの言葉に笑って言い返してきたサンジにアラマキ殿の事を頼む。一応、サンジはヘタクソな似顔のままだからアラマキ殿に気づかれることはない。
が、バレたら戦うことになるな。