【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝鬼ヶ島〟

ワノ国近海の浮島「鬼ヶ島」。

 

〝大看板〟ジャックの案内で鬼の髑髏を象った岩肌の島にやって来たフルボディを待ち構えるように、数千人の海賊が海岸沿いに犇めき合う。

 

「オレは先に行ってるぜ、フルボディ。カイドウさんに会いたかったら全員ブッ飛ばして、最上階まで上がってくれば良い」

 

「オレは客人じゃねえのかよ」

 

そう文句を言うフルボディはワノ国の民族衣装ではなく海軍として愛用する白一色のスーツに着替えており、ヘタなちょん髷も解き、ゆっくりと渡し船を飛び降りる。

 

『テメー等、ソイツはオレの客だァ……思う存分、相手してやれ』

 

「「「「うおおぉおぉおおぉおぉおっ!!」」」」

 

カイドウの言葉を開戦の合図に剣や斧、槍、銃など多種多様な武器を構えた百獣海賊団の船員が雄叫びを上げ、一斉にフルボディめがけて突撃していく。

 

左右の拳を胸の前に掲げ、左足を前に出す。徹底的に鍛え上げた基本に忠実(オーソドックス)なボクシングの構えだ。臨戦態勢を整えたフルボディは軽く踏み込み、一番近くに迫り来ていた海賊の顎を正確に打つ。

 

刹那、ガクンと海賊が地面に倒れ伏す。

 

「先ずは一人だ」

 

フルボディこ左ジャブは彼の顎先を掠め、彼の意識を刈り取った事に気付ける程、格闘技に精通した海賊は居らず、彼らに見えたのは仲間の倒れ伏す瞬間のみ。

 

軽やかなステップを刻み、爆速のステップインと共に繰り出された右のストレートが一直線に海賊の波を突き破り、確実に歩みを進める。

 

「うっ、うおぉああぁあっ!!?」

 

「シッ…!」

 

僅かな呼吸音と同時に繰り出された左のアッパーが海賊の顔をカチ上げ、浮き上がった身体を更に打ち上げるように二度目のアッパーがボディに食い込む。

 

「さっさと来い!」

 

「ど、同時に行けエェーーーっ!!!」

 

誰が叫んだのかは分からない。が、その言葉に従うように海賊達は四方八方からフルボディに駆け出す。しかし、彼らの攻撃はフルボディに届くことはなかった。

 

「撃て!撃てェ!」

 

「ったく。仲間を傷付けるつもりか?」

 

「オレが相手だァ!!」

 

「意気込みは認めてやるよ。だが、パワー不足だ」

 

仲間に当たるのもお構い無しに放たれた弾丸をフルボディは摘まむように受け止め、地面に放り捨てると今度は巨人族の海賊がフルボディに斧を振り下ろす。フルボディは斧の刃筋に正拳を打ち込み、粉々に破壊する。

 

砕けた斧の破片が地面に落ちる数秒の内にフルボディは全体を見回すように回転し始める。その動きは、だんだんと加速していき、フルボディの身体がひとつ、ふたつ、みっつ、と増える。

 

「……まあ、数えて2481人だったな」

 

そう呟くとフルボディは武器を構えた動かない。いや、すでに意識を失っている海賊達の間を抜け、鬼ヶ島の城門前へと辿り着く。

 

『ウォロロロロロ、ジジィ以上の速さだな。いや、ジジィのパワーと精密機械みてえなテクニックを兼ね備えたテメーの方が全盛期、もしくはそれ以上の強さだ』

 

「やめろ、それは過大評価だ」

 

フルボディはタニシ越しに語り掛けてくるカイドウの言葉を否定し、城門を無理やり押し開ける。と、そこには「おかわり」と言わんばかりに大量の海賊がいた。

 

しかし、違うのは姿形だ。

 

すべての海賊が動物の部位を持っている。

 

「何人いるんだ、これ?」

 

そう不満げに言いつつ、フルボディは拳を握り固める。

 

 

 

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