【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝百獣〟のカイドウ

「大体1万と200ぐらいか?」

 

そう言って木製の階段を昇るフルボディに身に付けている白一色のスーツには血や埃など汚れは欠片も付いておらず、その代わりに両拳は返り血で赤く染まっているが、彼は百獣海賊団を誰一人として殺めていない。

 

「ウォロロロロロ。待ちくたびれたぜ」

 

グビリと巨大な盃を仰ぐ角の生えた巨人……いや、巨人族より少しばかり小さくもフルボディの何倍も巨大な男───カイドウの言葉にフルボディは溜め息を吐く。

 

「そう思うなら喧嘩祭りなんてさせるなよ」

 

「喧嘩祭り?ウォロロロロロ!!ソイツは良いなァ…!今度から定期的に歯応えのあるヤツを選んで開催するのもありだ。キングかクイーンに聞いてみるか」

 

「……あー、楽しそうで何よりだが、オレを呼び出した用件を話してもらえるか?あとオレの後ろに控えてるジャック以外の奴らは不意打ち役か?」

 

「不意打ちィ?そんなのするわけねえだろ、オレは〝百獣〟のカイドウ!〝世界最強の生物〟だ、全ての敵を真っ向で受け止め、薙ぎ倒すのがオレだ!」

 

カイドウの言葉に従って全身を隠した黒い翼の男、ずんぐりむっくりした三つ編みの男が部屋の中に入ってくる。その後ろに続いて、傷の手当てを受けたジャックも部屋に入ってきた。

 

「(あの二人はジャックより強いな)」

 

 

そんなことを考えるフルボディの目の前に移動し、ドシン!と地鳴りを起こして座り直すカイドウに彼は驚きながらもカイドウを見上げる。

 

胴体の十字傷、顔や肩口にも刻まれた刀傷の痕や縫い傷だらけの姿は歴戦の猛者と云える。その圧倒的な〝覇気〟に思わず、フルボディは感嘆の息を吐いてしまう。

 

「ウォロロロロロ。この傷が気になるか?腹の傷は光月おでんと言う最強の侍に付けられた傷、この肩の傷はゲッコー・モリアに斬り付けられた傷、顔の傷はフォクシーの野郎に斬られた傷、まだまだ他にもオレに傷を付けたヤツはいるが……」

 

そこでカイドウは言葉を区切ったかと思った次の瞬間、ぐるりと後ろ向きになり、フルボディに対して無防備に背中……ではなく、項や首筋を見せた。

 

「斬首の傷?」

 

「ウォロロロロロ!コイツはバカみてえに強かった頃の〝金獅子〟のシキに付けられた傷だ。当時、ロジャーと対等に渡り合えるのはアイツか、ロックスだけだった。分かるか?このオレが付いていくのがやっとだった大海賊をお前は倒したんだ」

 

「……まさかと思うが、オレと喧嘩したいのか?」

 

「ああ、そうだ!!あの頃のシキには劣っているが間違いなく世界最強の一角を担う男を倒したお前と、オレは心行くまで戦いてえのさ…!」

 

「成る程、ソイツは楽しそうだな!」

 

そして、フルボディは興奮気味に肯定した。

 

やはり彼も喧嘩好きの大馬鹿者である。

 

 

 




〈カイドウ〉

〝百獣〟の二つ名を持つ世界最強の大海賊

ロックス海賊団時代に出会った〝金獅子〟のシキを初めとした数多の転生者と巡り合い、あまりにも最高の日々を過ごす順風満帆な生活を送る。ただ、その点を除けば比較的まともに原作通りに生きている。

しかし、百獣海賊団設立後、彼の生活は更に苛烈さを増す。ワノ国に攻め込んだ日に出会った〝最強の侍〟光月おでん、後に討ち入りにやって来る〝悪夢〟ゲッコー・モリアと〝怪人〟アブサロムという好敵手、自分すらも手玉に取る悪魔の実の能力者〝国盗り〟フォクシーと云った猛者が絶えずに挑んでくる。

こうして選り取り見取りな戦国乱世(カイドウをヒロインとした乙女ゲーム)は開幕してしまったのだ。そして、なによりカイドウを巡って、次々と強者はやって来るため、延々とカイドウのハーレム要員は増え続ける。


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