【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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少しだけ歴史の変わる世界

「さて、どうするか」

 

ルフィは修理費を稼ぎ終えるまで「バラティエ」の雑用係にされてしまったようだが、彼に給仕や雑用が出来るとは思えないんだよな。

 

そんなことを考えているとズタボロの男が出入り口に倒れるように入店し、僅かに店内の空気がざわめき始める。オレとアイボリーは常連客なので、もうこの程度の事で騒ぐことはないものの。

 

チラホラと聞こえる「あいつってクリーク海賊団の副船長だ」や「うそだろ、〝鉄壁〟のパールだ!?」なんて言う悲鳴めいた声が聴こえてくる。

 

オレとしては手配書に載っていた無数の盾をすべて外している〝鉄壁〟のパール自身に興味がある。アイツは、オレみたいに自分の武器に誇りを持つタイプの人間だ。

 

「フルボディさん、どうします?」

 

「いや、ここはサンジに任せよう」

 

アイボリーは椅子の背もたれに引っ掛けていたホルスターに納めたピストルに手を伸ばして、いつでも攻撃できるように〝鉄壁〟のパールを警戒している。

 

オレは彼女を攻撃を止めるように告げ、ゴツゴツと黒い靴を鳴らして歩くサンジの姿に視線を移す。オレ達以外の客もルフィ達もサンジに注目している。

 

「か、金ならある!だから、仲間に食料を…!」

 

「いいや、お代は結構だ。まずはお前が好きなだけ食ってくれ。お前と話すのはそれからだ」

 

ジャラジャラと金属の擦り合わさる音の響く麻袋を差し出すのパールの腕を掴み、そのまま肩を組むようにサンジはパールを席に連れていく。

 

たった一人で仲間のために自分を守る武器を持たずに「バラティエ」にやって来た男だ。そういうヤツにサンジも「バラティエ」のシェフ達も雑に投げ捨てることはなく、ズタボロのパールの手当てと腹持ちの良さそうな料理を渡す。

 

「すまねえ、すまねえ…!」

 

「おう。気にせず食ってくれ」

 

グズグズと男泣きするパールに優しく接するサンジにルフィは「ニシシッ、良いヤツだな」と話し掛け、あっさりと「お前、オレの仲間になれよ!」と言いはなった。

 

「アイボリー、クリーク海賊団の軍船は見えるか?」

 

「はい。此方の窓越しですが確認は出来ます」

 

「捕まえるのは食事後にしようか」

 

「……えぇ、そうですね」

 

にっこりとアイボリーはサンジとパールのやり取りに微笑みつつ、まだ新米海賊のルフィの勧誘には「サンジくんの料理は今日でお別れですね」と寂しそうに呟く。

 

まあ、ルフィと旅立てば食べれなくなるな。

 

「ところで、フルボディさん」

 

「どうした?」

 

「サンジくんが困ってますよ、あれ」

 

そうアイボリーはゴム人間のルフィに纏わりつかれて恐怖するサンジの姿を指差す。ああ、うん、東の海って能力者は少ないから、そうなるよな。

 

「……無視しような、あれは」

 

とりあえず、オレは食事に集中することにした。

 

 

 

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