【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
ワノ国の青天を駆ける〝赤〟と〝焔〟が弾け、巡り、衝突し、再び青天を飛ぶ。
人類を超越した絶大な〝覇気〟と〝
「うおりゃあっ!!」
「ルオォオッ!!」
未だ人間の踏み込む事の出来ない大空を自由に駆け抜け、荒々しく大気を突き抜けて戦うフルボディとカイドウの激突に〝見聞色の覇気〟に長けた海賊と海兵、侍達は自然と青天を見上げてしまう。
「ウォロロロロロォ……!!〝咆雷八卦〟ッ!!」
「〝奥義〟───〝空烈パンチ〟ッ!!!」
グルグルと身体を高速回転させ、遠心力のパワーを加重させた金棒を振り抜くカイドウの技──〝咆雷八卦〟に対して、フルボディは臆する処か〝界王拳〟の倍率を15倍まで引き上げ、奥義の名を冠する拳───〝空烈パンチ〟を繰り出した。
しかし、二人の攻撃は当たらなかった。
「オレの〝覇気〟と競るつもりかァ!!」
「競るつもりはねえよ、オレがブッ飛ばす!!」
「ウォロロロロロ。良いねえ、その気迫ッ!!」
「ウオォオ゛オ゛ア゛ァ゛ーーーッ!!!!」
拮抗する〝覇気〟の衝突を制したのはフルボディだったが、限界を越える15倍の〝界王拳〟を使ったため、揺らめく〝赤い気〟は萎み、ゆらゆらと吹けば搔き消えるほどに小さく減少してしまっている。
「ハアッ、ハアッ…!」
荒々しく肩で呼吸するフルボディは宙で水平に立つカイドウを見下ろす。血反吐を吐き、古傷が裂けて出血して尚も好戦的な笑みを浮かべてる彼に、気が付けば八門目の心臓の点穴を押すそぶりを見せる。
「止めておけ、フルボディ」
しかし、カイドウに点穴を押す事は遮られる。
「……未来でも視たか?」
「コイツは喧嘩だ。命を懸ける戦いじゃねえだろ?なによりお前と喧嘩出来なくなるのはつまらない。そして、喧嘩の醍醐味は力比べだッ!!」
「確かに、そうだな。ああ、確かにそうだ!!!」
カイドウの激励とも言える言葉に心臓を押す手を止めたフルボディは両手を腰に添え、踏ん張るように全身に力を込め始める。
「オレは貴方を倒すために〝界王拳〟の先を掴む!」
そう言って笑うフルボディの纏う炎のごとく揺らめく〝赤い気〟の奔流が止まり、通常の〝白い気〟が荒々しく───けれど。どこか今以上の戦いを出来るという期待を抱かずには要られない高揚感をカイドウに与える。
「グッ、グギギッ…!」
メラメラと揺らめく〝白い気〟が、〝界王拳〟を使用したときに生じる〝赤い気〟に変わり始める。だが、先程の〝界王拳〟より力みを加えて、全身の血管が浮き上がるほど力を込める。
「100倍ッ……いや、コイツが今のオレが唯一辿り着ける現段階の最強の変身、お前を倒すためにオレが至った120倍の限界の限界を越えた〝
フルボディを基点とした〝赤い気〟は大炎上する業火のごとく迸り、身の丈を越える荒々しく壮大な〝気〟の奔流にワノ国全土が地鳴りを起こし、家屋が軋み、大空を漂う雲が弾け飛ぶ。
桃色の髪に赤いグラデーションが混ざり、目付きは鋭さを増し、迸る〝赤い気〟を放出する勢いは1秒毎にそのパワーを増していく。
「嗚呼、太陽みてえだなァ…」
静かに呟くカイドウの脳裏に、かつて出会った好敵手達が挙って名を挙げた存在が過る。誰も彼もが「お前は太陽に負ける…!」がカイドウに言い残した。
「そうか、お前がオレの…!」
コイツこそが倒すべき、不滅の光だ。
そう確信したカイドウは獰猛な笑みをさらけ出す。
〈
出典・ドラゴンボール
孫悟空の必殺技
本来は超サイヤ人に〝界王拳〟を上乗せして身体能力を極限まで高める技法。しかし、フルボディは「100倍」の倍率を更に押し上げ、限界を越えた「120倍」という〝界王拳〟の極致に僅かに踏み込み、自分自身の限界を越えた遥か先に至った。