【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝剣豪〟と〝忍者〟

花の都、大通り───。

 

ゾロ十郎の大胆不敵な名乗りに驚愕し、御輿の上でへたり込む黒炭オロチに向かって、隠れ潜んでいた侍達が一斉に刀を抜き、雄叫びを上げて猛進する。

 

「〝火遁・火龍炎弾〟ッ!!」

 

だが、突如として降り注ぐ竜頭を模した炎の弾幕によって侍達の進行は防がれ、黒炭オロチと侍達の間に風を纏い、ピンク色の忍び装束と獅子の鬣の如く荒ぶる茶色の髪を揺らす男───〝風影〟が現れた。

 

「おお、風影…!流石はワシの家来だ、よくぞワシの危機を助けに来てくれた!!」

 

「ふざけるな、虫ケラが!某の主はカイドウ様のみ、肥溜めにも劣る下物が某の名を気安く呼ぶな。如何に蘇りの術を持っていようと貴様を殺すぞ…!」

 

「ヒィッ!?」

 

鬼の形相で怒る風影に怯え竦むオロチを無視し、ゾロ十郎は既に二本の刀────〝三代鬼徹〟と〝閻魔〟を静かに抜刀している。その背中の大きさは大名・霜月牛マルに酷似し、感涙の涙を流す者もいるほどだ。

 

ゆっくりと風影はゾロ十郎を見据える。

 

「霜月ゾロ十郎、お主の首を頂きに参った!」

 

「ヘッ。熟オレは忍びに縁があるな」

 

「いざ、尋常に勝負にござる!!」

 

クナイを逆手に構えた風影は〝剃〟とは違う、独自の走法で家屋の壁や屋根を縦横無尽に駆け抜け、ゾロ十郎の視界の外側に高速で移動していく。

 

「〝疾風流・大空斬り〟ッ!!」

 

「〝二刀流・閃〟ッ!!」

 

風影の振るったクナイの袈裟斬りをゾロ十郎は真横に二刀を薙いで受け止め、観衆が見守る中、凄まじい衝撃波を生み出しながら鍔迫り合う。

 

「う、射てッ!射てエェ!!」

 

しかし、風情や覚悟の欠片も持ち合わせていない黒炭オロチは目の前で行われる驚異的な戦いに戦慄し、二人を抹殺しようと鉄砲隊に命令を下す。

 

ドン!ドドン!

 

ゾロ十郎と風影に向かって銃口を向けるなり、即座に発砲を開始する黒炭オロチの部下達に鍔迫り合いをしていた二人は不服そうに間合いを開き、銃弾を切り落とす。

 

「不愉快だ」

 

「不快にござる」

 

バッサリとそう吐き捨てた二人は向かい合い、刀とクナイの切っ先を突きつけ合う。すでに二人にとってワノ国の将軍・黒炭オロチは外野の存在、いや、もはや道端の石ころにも劣る認識だ。

 

「この国で一番偉いのはワシだぞおおおっ!!!」

 

「黒炭オロチ、この国の王は光月家の御方だ。断じて貴様の様な卑劣極まりない男ではござらぬ。尤も光月家を裏切った某に言える事ではござらんが、貴様の蛮行は何れ粛清する…!」

 

「なら、いっそのこと今斬るか?」

 

「……いや、某の目的はゾロ十郎だけだ。此度の戦いは引き分けとしよう。だが、貴様の首を斬るのは某だということを努々忘れるな」

 

そう言い残して風影は消え去る。

 

「ククッ、楽しみが増えたぜ。じゃあ、続きを始めようか、黒炭オロチ!」

 

「こ、殺せ!殺せエェーーー!!!今すぐ霜月の名を騙る不届き者を殺すのだ!」

 

御輿を降りて城に向かって逃げ出す黒炭オロチを守ろうと道を塞ぐ悪徳の侍達と、ゾロ十郎の呼び掛けに応じた光月家の家臣達が加勢して連合がぶつかり合う。

 

 

 




〈火遁・火龍炎弾〉

出典・NARUTO

使用者多数。

口内でチャクラの性質を作り替えて竜頭を模した炎の弾幕を撃つ忍法。風影は小さく拡散性を加えており、攻撃は広範囲に及ぶ。

〈疾風流・大空斬り〉

出典・忍風戦隊ハリケンジャー

ハリケンレッドの必殺技

疾風流剣術の奥義。超忍法〝空駆け〟にて接近し、渾身の力を込めた縦一文字の斬撃を繰り出す。風影は逆手にクナイを構えているため、袈裟斬りとして放つ。

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