【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「ずぇりゃあっ!!」
「そんな攻撃じゃオレを倒すなんざ出来ねえぞ、おでんの侍共ォ!!!」
カイドウの胴体に二刀を振りかざして斬りかかる錦えもんの斬撃を龍の鱗で受け止め、カイドウは身動ぎで生じる〝壊風龍巻〟にて赤鞘十人男を吹っ飛ばす。
その圧倒的な暴力に傷付き、地面を抉りながら転がる錦えもん達の中に居たミンク族の〝昼と夜の王〟〟〟─ネコマムシとイヌアラシが八人の身体を抱き止め、カイドウの攻撃を大音量の咆哮で掻き消した。
「ゴロニャーッニャッニャッ!皆で攻めるのは良いが、無鉄砲に攻めるのは如何ぜよ!」
「騒ぐな、ネコマムシ」
「分かってるぜよ。先ずは地に落とす…!」
かつて光月おでんに拾われたミンク族の〝王〟達が爪と牙を顕にしてカイドウを睨む。暗雲に包まれた空から射し込む月明かりが二人を照らし、二人の身体に変身とも云える変化をもたらす。
────〝
ミンク族特有の強化形態、肉体の変貌にも思える変身を遂げたイヌアラシとネコマムシが空を跳ぶ。常人を上回る肉体のレベルが〝月の獅子〟によって更に爆発的に向上し、超人のごとき全能感が二人を包む。
「ウォロロロロロ。フルボディみてえだなァ…」
眼前に迫り来る〝昼と夜の王〟に笑みを深めたカイドウの呟きに赤鞘十人男の一人が反応する。数日前、お菊としてフルボディとアラマキに花の都を案内していた美青年剣士の菊の丞だ。
「受けよ、カイドウ!」
「ゆガラに刻むために授かった秘技を!」
その宣言と共に二人の身体が青白く発光し、イヌアラシの右手が、ネコマムシの左手が、〝覇気〟とは違う高密度のオーラを纏って繰り出される。
「「〝獅子戦吼〟────ッ!!!」」
二人の手のひらから放たれた強烈無比な獅子の頭部を象った闘気がカイドウの身体に食らい付き、カイドウの身体に凄まじい衝撃波を叩き込んでいく。
その技は九十年も前、ミンク族へと転生した獅子のミンク族が〝憧れ〟に近づくため、ひた向きに人生を費やして辿り着いた人生の集大成であり、今も尚、語り継がれるミンク族の秘技だ。
「ぐうぅおぉぉおおあぁっ!!!?」
龍の鱗を噛み砕き、龍の身体を貫く攻撃に絶叫の雄叫びを上げるカイドウの頭上に飛び上がり、蹴りと張り手がカイドウの巨体を地面に叩き伏せる。
「今ぜよ!!」
ネコマムシの呼び掛けに赤鞘十人男が一斉に二刀目を抜刀し、全身の〝覇気〟を滾らせ、二本の刀に限界を越える量を注ぎ込んでいく。
〈獅子戦吼〉
出典・テイルズシリーズ
習得者多数の必殺技
片手に闘気を集めて獅子の頭を模した気弾を放つ。
約九十年前、ミンク族に転生した獅子のミンク族が前世の記憶を頼りに試行錯誤を繰り返し、転生して尚も〝憧れた世界〟の技を再現するため、ひた向きに技を編み出し、人生の全てを費やして辿り着いた。
この〝獅子の咆哮〟こそがミンク族の秘技────。