【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

293 / 316
〝正史を求める者〟

カイドウの敗北はルフィじゃねえと駄目だ。

 

血塗れで倒れ伏すカイドウ。その近くに同じように血塗れで倒れ伏す赤鞘九人(・・)男を蹴り飛ばし、気を失っているカイドウを鬼ヶ島の城内に運び込む。

 

「…ウォロロ…どういうつもりだ?……」

 

「うるせぇ、アンタは負けてねえんだ!あの海軍のクソガキとさえ戦ってなけりゃあ、こんな手傷をアンタが負うわけがねえんだよ!!!」

 

「…クイーン…お前、もか…」

 

どこか嬉しそうに呟く息も絶え絶えに喋るカイドウを背負い、オレのラボに向かって走る。走る。走る。走る。〝六式〟みたいな高速移動の使えないオレが走る度、地響きを起こしながら身体は激しく揺れ動く。

 

カイドウに勝つのはルフィだ。

 

それ以外のヤツに負けるのは絶対に許さねえ!

 

二年前のあの時もそうだった。キング共々、アブサロムの野郎に負けた挙げ句、カイドウがカスみてえな王下七武海のゲッコー・モリアと引き分けるなんて不名誉をオレは歴史に刻ませちまった。

 

「見つけたぞ、カイドウだ!」

 

そんなムカつく声が聴こえる。

 

花の都でキングと戦っている筈の百人を越える侍が千載一遇のチャンスとばかりに襲って来やがる。クソ、クソクソクソクソッ!!!

 

コイツらは何も分かってねえのか。

 

「この愚図共が退きやがれッ!!」

 

オレはカイドウを背負いながら怒りに任せて侍共を蹴散らし、医療設備の整ったラボを目指す。こんな寄せ集めの雑魚共にオレの憧れた〝世界最強の生物〟カイドウの首は渡さねえ、渡しちゃいけねえんだよ!

 

「〝無頼男爆弾(ブラキオボムバ)〟ッ!!」

 

真っ正面から迫り来る侍共の攻撃を身体で受け止め、ラボの扉まで辿り着く。この中には〝仙豆もどき〟〝メディカルマシーン〟という本来は『ドラゴンボール』に存在する装置や道具がある。

 

「ハアッ、ハアッ!」

 

ラボの扉を破壊しようとする音に焦りそうになる。だが、オレはカイドウのために用意していた〝仙豆もどき〟を無理やり彼に食わせ、そのまま〝メディカルマシーン〟を起動してラボを飛び出す。

 

「ムハハハハッ!!此処を通りたきゃオレを殺せ!世界最強の天才発明家が、百獣海賊団No.3のクイーンが相手になってやらアァッ!!!」

 

その宣言に臆する侍は一人も居らず、無数の剣がオレに襲い掛かる。しかし、誰一人としてオレの後ろを通り抜けようとするヤツはいない。

 

分かってる、それは侍だから(・・・・)だ。

 

「クイーン、覚悟ォ!!」

 

「そんなチマチマした攻撃がオレに効くかァ!!オラ、どーしたよ!オレを殺したけりゃあ倍の人数を寄越せ、千人だ、いや、その倍の人数だッ……オレを越えたきゃ万人を用意してきやがれ!!!!」

 

身体の至るところに突き刺さる刀、侍の気迫、血を流しすぎて気持ち悪さを感じながらもラボの扉を守りきる。ホントにムカつくが、カイドウと一緒に戦えるのはキングだけだ。

 

だから、絶対に此処は死守する……!!

 

 




〈仙豆もどき〉

出典・ドラゴンボール

かりん様のアイテム

飲まず食わずでも十日以上のエネルギーを与えてくれ、病気以外なら一瞬にして身体を回復させてくれる優れた豆……のもどきだ。もっともトリコ由来のアイテムを組み合わせ、品種改良したものである。

〈メディカルマシーン〉

出典・ドラゴンボール

フリーザ軍のアイテム

培養槽を身体を癒やす特殊な液体で満たし、じっくりとダメージの中和、軽減を行いつつ、安心安全な回復を促してくれる。実際はジェルマのクローン技術の応用、肉体の細胞分裂を促進させている。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。