【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝疫災〟のクイーン

百人を越える侍を返り討ちにしたオレの前に金属で出来たロボットが現れる。クソ、此処に来て麦わらの一味がやって来るのか。

 

それもカイドウとルフィの戦いを今よりもっと近くで見届け、「ONE PIECE」の最後を目撃するという夢のためにウォーターセブンで捨てたオレの息子(・・)が、こんなにデカくなってオレを倒しに来るなんざ。

 

とんだ喜劇だぞ。

 

「ムハハハハッ!どーしたァ……ブリキ人形が掛かった来ねえのか!オレを倒さねえ限り、テメー等の船長はカイドウに辿り着けねえぞ!!」

 

侍共の刀や薙刀、斧の食い込んだ身体を広げてラボの扉を守るために最後の力を振り絞って中途半端な〝ブラキオザウルス〟に変身し、金属のロボットを睨み付ける。

 

いや、金属のロボットじゃねえな。

 

コイツはオレの最高位の頭脳と優れた肉体を兼ね備えた麦わらの一味の船大工鉄人(サイボーグ)〟フランキーだ。自分の過去からは逃げられねえ。どっかで聞いたことのある言葉を思い出しながらオレは構える。

 

「構えろよ、ブリキ人形ッ!」

 

「……このスウゥーーパアァーーーッ!!!なオレがテメーの相手をしてやるぜ。足元の侍共、怪我したくなかったら後ろに下がってやがれ!!」

 

「何がスーパーなオレが相手するだァ!?このファッキンクソブリキが、カイドウが目覚める前にテメーを破壊してやるよ!!」

 

オレの巨体と張り合うフランキーの搭乗した〝フランキー将軍〟のパンチを顔面に受けながら殴り返し、ビーム砲に改造した尾の先を突きつけ、一点集中型のビームを掃射する。

 

「ムハハハハッ!!オレの科学力にひれ伏せェ!」

 

そう息子に叫ぶ心が痛む。

 

自分勝手で身勝手な夢のために家族を捨てたオレが、今度は息子の夢を阻もうとしている。オレは「ONE PIECE」で最低最悪の父親だ。

 

…………いいや、父親と名乗るのも烏滸がましい。

 

「〝ブライダル(グラッパー)〟ッ!!」

 

騒々しい機械音を響かせ、三本に別れた機械の指がフランキー将軍の腕を掴み、一気にオレの間合いまで引き寄せ、取っ組み合いの力比べを始める。

 

「左の〝空気泡〟に右の〝空圧砲〟を連結…!」

 

「あァ!?何するつもりだ!!」

 

「……うるせえ、うるせえんだよ!ブリキ親父(・・)がッ!コイツは、この一撃はアンタや母親との未来を思い描いていたガキ(オレ)の悲しみだッ……吹っ飛べ、〝超過圧空砲(スーパー・クー・ド・ヴァン)〟ッ!!!」

 

フランキー、まさか気が付いて……!

 

そうか、そうか…!

 

「……ムハハ……ハ…覚えて…」

 

バカな親父ですまねえなあ……

 

カティ・フラム……

 

 

 




〈クイーン〉

〝疫災〟のクイーンに転生した男

百獣海賊団「No.3」の発明家。優れた肉体と最高の頭脳を兼ね備えた天才を自称し、その実力に見合った成果を出し続ける。しかし、原作と違って同格のキングを百獣海賊団「No.2」と認めている反面、カイドウとキングに劣る現実に歯痒さを感じている。

約二十数年ほど前に結婚し、後に〝鉄人(サイボーグ)〟フランキーと名乗る子供〝カティ・フラム〟の父親になる。だが、家族愛を優先する一方で、自身の存在で乱れる世界を危惧し、莫大な資産を残して妻子をウォーターセブンに置き去りにした。

クイーンは愛に生きる事を止め、「ONE PIECE」の歴史の礎になる事を選んだ。どれだけ正史が狂おうと麦わらの一味の成長に、彼という存在は必要不可欠なモノだったのだから……。

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