【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
だんだんと激しくなる海賊同盟の率いる連合と黒炭オロチの傘下、百獣海賊団の戦いに身体が疼き、今すぐ飛び出してケンカに混ざりたい欲求が高まる。
「流石にヤバいんじゃないか?」
「フルボディさん、まさか行きたいんですか?」
「……ああ、ハッキリと言おう。オレは今すぐあの中に飛び込んで行きたい。そして、あわよくばカイドウともう一度ケンカしたい」
「お前、重傷の怪我人てこと自覚しろよ」
オレの素直な気持ちをアイボリーに話しているのに横から余計なことを言うジャンゴを無視して、更にオレはアイボリーと話を続ける。
いや、もう会話ではなく説得だな。
「それにアラマキ殿もいる」
「確かに、緑牛大将もいますがフルボディさんは行っちゃダメです……いえ、ケンカしにいくのはもうこの際だから許しますけど。カイドウに向かうのはやめてください」
「よぉうし、全員纏めてブッ飛ばす!」
「オレもかよ!?」
「お前もケンカ売られたろ?」
「あのクソガキか、確かにぶん殴る必要はあるな」
「だろ?」
アイボリーの許可を得たオレはボロボロのスーツに着替え、靴を履いて窓枠に足を乗せて飛び降りる。ついでに、ジャンゴも連れていく。
痛む足で地面に着地すると同時に斬りかかってきた逆さ三日月のマークを身に付けていない侍の横っ面を右フックでぶん殴り、崩れ落ちる身体を無理やり左ボディーで叩き上げ、止めに右のスクリューブローを顔面に叩き込んだ。
「チッ。まだ本調子には程遠いな」
「あー、確かに普段ならフックの瞬間に建物諸とも吹っ飛ばしてるもんな」
「貴様らも反逆者かァ!!」
「ただの海兵さんだよ、ちょんまげ!」
次々と迫り来る侍の一人の叫びに対して、人差し指で瞬時に高速回転させたチャクラムを振るい、刀と着物を切り裂いたジャンゴは中折れ帽子を深く被り直して、クールに侍の問いに応える。
「キザっぽいぞ、なんか」
「……ハードボイルドのつもりなんだが?」
「ハートのグラサンでハードボイルドになるのか?」
「そこはポリシーの問題だろう」
そう言ってポリシーや自分の価値観について熱く語ろうとするジャンゴの真横に左のストレートを撃って百獣海賊団の船員らしき男を殴り、ジャンゴも同じタイミングでオレの背後に向かってきていた侍を蹴り倒す。
「フルボディ、まだ話が終わってないぞ!!」
「あとで聞いてやるから今はケンカだッ!!」
「ちくしょうめッ!!!」
逆さ三日月のマークを身に付けていない奴らを狙って〝ノッキング〟を打ち込み、素早く背中合わせで死角をカバーし合っているジャンゴと場所を入れ換える。
「ジャンゴ、アレやろうぜ!」
「あれ?アレってなんだよ!」
「決まってるだろ、合体技だァ!!」
「……怪我人の発想じゃねえよ、ホントに」
オレの提案に呆れながらジャンゴは右手を突き出して、大気の流れを操るように身体を捻り、腕の中に空気の集束点を作り出す。オレは足から生じる円運動のエネルギーを左手に集束させ、ワラワラと集まってくる海賊と侍に向けて拳を振り抜く。
「「〝龍系氣功鍛針功『双龍炎烈殲』〟ッ!!」」
オレとジャンゴの拳から放たれた衝撃波は龍の姿に大気を圧縮させ、可視化できる程のパワーを取り込んで目の前にいた海賊と侍を吹き飛ばした。
「よぉうし、次はアイツらだ!」
「ホントに元気すぎるぞ、フルボディ」
〈龍系氣功鍛針功〉
出典・天上天下
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爪先から生じる円運動のエネルギーを関節を経由し、一気にパンチと共に繰り出す発勁に分類する技法。精密に練り上げたエネルギーを凄まじい破壊力を生み出し、その気になれば空中でも使える。