【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「あーっ、待て待て待て。アイボリー、ジャックに海楼石の手錠や鎖は不要だ」
「フルボディさん、海賊ですよ?ドレスローザやパンクハザードで海楼石の掛け忘れで大変なことになりましたよね?」
「ソイツは負けたからって暴れるヤツじゃない。なにより海賊や海兵の関係を抜きにしてもジャックは良いヤツだし。なにより強いヤツは生き恥は晒さないモンだ」
「ドフラミンゴは晒しました」
そういえばドンキホーテ・ドフラミンゴはドレスローザ王国の乗っ取り、人身売買、海兵の誘拐、他にも大量の犯罪を背負ってたんだよな。
「一旦落ち着けよ。嬢ちゃんも他のヤツもフルボディもケンカする前に少し冷静になれ。フルボディ、みんながお前を心配していることは分かるな?」
「それは分かってるが、ジャックはオレと真っ向勝負して戦った男だぞ」
ジャンゴの仲裁で口論になり掛けていたオレとアイボリーは少し冷静さを取り戻すことに成功した。しかし、最近のアイボリーは過保護すぎるのだ。
確かにオレは一回心肺停止したし、カイドウにブッ飛ばされて今も全身傷だらけだが生きている。オレは君もジャンゴも海軍の仲間達もみんな大事だが、それでも強いヤツとも戦いたい。
「この気持ちは譲れない」
そう言ってオレはアイボリーを見つめる。
彼女と結婚してまだ半年も経過していないのに、何度も酷く不安にさせてしまったのも事実だ。このまま彼女に嫌われるのも仕方無いと受け入れる。
それでもオレの生き方だけは変えたくない。
「……はあ、フルボディさん、負けたら許しませんよ」
「ありがとう。愛してるぜ、アイボリー」
「私も愛してますよ、フルボディさん」
アイボリーの言葉がオレの強さに変わる。ジャンゴも帽子を深く被り直して、天空の鬼ヶ島を見上げて苦笑いを浮かべながら「あそこに行くんだろ?」と言ってくる。
「よぉうし、いっちょ派手に暴れるかァ…!」
オレは嬉々としてスーツとシャツを脱ぎ捨て、血の滲んだ包帯が巻き付けられた上半身に力を込め、ズボンのポケットからメリケンサックを取り出して両手に嵌め、しっかりと拳を握り固める。
「当然、オレも着いていくぞ。フルボディ」
「おう。頼りにしてるぜ、親友」
右手の親指を突き立てたサムズアップをジャンゴに贈り、オレは〝白い気〟を纏って一気に飛び上がり、ジャンゴは空を蹴って空を駆け上がる。
目指すのは鬼ヶ島、相手は残りの百獣海賊団だ。
「ついでにルフィも捕まえるか、ジャンゴ!」
「ラストバトルにはまだ早えよ!」
「それもそうか!」
そんなことを言い合いながら鬼ヶ島の真下にある岩盤を突き抜け、迂回も旋回もせず真っ直ぐに強大な〝覇気〟目掛けてオレとジャンゴは突き進んでいく。