【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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鉄拳なのに拳骨に勝てない

「うおおぉおおぉおぉおっ!!!」

 

ガンッ!ガンッ!!ガンッ!!!

 

海軍本部に呼びだしを食らった結果、オレは海軍の英雄にして主人公の祖父──モンキー・D・ガープ中将の基礎訓練という名前の軍艦サンドバッグ地獄の特訓を受けていた。

 

どこでオレの存在を知ったのかは聞きたくもないし、ましてや知りたくもない。

 

だっていうのに「鉄拳だかデッキブラシだか知らんが、もっと真面目に拳骨(こぶし)を鍛えんか!!」というガープ中将の怒鳴り声が響く度にオレは殴られ、約1ヶ月以上もの間、オレは休み無く扱かれている。

 

「どうしたァ!貴様の鉄拳はその程度のものか!?」

 

「ぐうぅっ、まだだあぁぁーーーーっ!!!!」

 

オレの真後ろで腕組みしながら野次を飛ばすガープ中将に唆され、オレは何度もメリケンサックも付けていない拳を軍艦の竜骨に向かって打ち込み続ける。

 

イビツな音を出す両拳を交互に軍艦へと放つ度、自分の未熟さに心身を蝕まれていく。クソ、今まで力任せに振りかぶって適当に破壊できたのは海賊船の強度の悪さのおかげかよ。

 

「そうじゃ、そのまま地面をブッ壊すつもりで踏ん張れ!」

 

「こうか!」

 

「ホントにブッ壊すな、このバカモンがぁ!!!」

 

「ぐぼおあぁっ!?」

 

ガープ中将の言葉に従って力を込めて踏ん張った瞬間、見事に地面を砕いたかと思えば鉄より硬い拳骨に脳天を殴られ、オレは普段とは真逆に地面にめり込まされる。

 

「よぉうし、次じゃ次ッ!今度はワシとガチンコのド突き合いの組み手をするぞ!!」

 

「お、おお、おぉおおぉおっ!!」

 

オレより遥かに巨大な肉体を持つガープ中将とガチンコの殴り合いという絶望的な特訓に泣きそうになりながら、オレは両拳を握り固め、全力でパンチを放つ。

 

だが、あっさりと殴り飛ばされる。

 

「ま、まだまだあっ!!」

 

「がむしゃらに突っ込むな!相手の拳を往なし、最小限の動きで最大威力の拳を打ち込まんか!!」

 

「ガープ中将も力任せじゃねえか!」

 

「お前に防御は要らん!!」

 

スカッとオレの振るう拳を頑強な腹で受け止め、オレの頭よりデカい拳骨を顔面に叩き込まれ、五、六、七回、地面をバウンドしながらオレは軍艦の船底を突き抜けていく。

 

ガラガラと崩れ落ちてきた軍艦の破片を身体に受けながら立ち上がり、腕組みしてオレの到着を待つガープ中将に向かってオレは自分の持ち得る最大威力のパンチを放つために弓を引くように拳を振りかぶる。

 

「ライダァ……!」

 

ギリギリギリギリッ!!!

 

ガキの頃に見たオレが知ってる最強の必殺パンチだ。

 

「パンチッ!」

 

自分の拳を限界以上に握り締めて、ガープ中将に向かって特攻を仕掛ける。未だに腕組みしたまま微動だにしない強面の顔面にオレは渾身の正拳を放つ。

 

しかし、オレの渾身のパンチを受けてもガープ中将は腕を組んだままオレを見据えている。は、はは、マジで強すぎるぜ、ガープ中将。

 

「フン。まあまあ、及第点じゃな。お前はまだ覇気も使えとらんし、覇気を覚えるまでひた向きに拳を鍛えることを怠るでないぞ!!」

 

「お、あ、ありがとうございましたぁ!!」

 

いきなり呼びだしを食らって1ヶ月以上も扱かれて、はじめての褒め言葉を貰えたことを喜ぶよりも先にオレはガープ中将に感謝の言葉を叫んでいた。

 

やっぱり、ガープ中将はすげえな。

 

 




〈ライダーパンチ〉

出典・仮面ライダー

仮面ライダー2号の必殺技。

バッタの遺伝子を持つ改造人間「仮面ライダー2号」の放つ最大最強のパンチ。決して後ろに退かぬ魂の込められたライダーキックに準ずる王道にして伝統の技。

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