【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
ホーディのヤツがアクアラグナをブッ壊してくれたおかげで、ほぼ快晴のようにも思える海上の線路を走行する〝海列車〟にオレとホーディは麦わらの一味、フランキー一家と一緒にいる。
「ホーディ、そいつァ海軍じゃなかったのか?」
「ジャハハハハ。ジャンゴは世界政府に親友を道具にされかけてるんだとよ」
「フルボディを道具にするのか!?」
「鷹の目と戦り合えるあのパンチ野郎を制御できるとは思えねえんだがな。世界政府の奴らは節穴にもほどがあるだろ……」
「そういう話は良いのよ!それよりアンタ達はマスクか被り物してなさい!!」
「サメの魚人、はじめて見た!」
フランキーの問いかけを皮切りに騒がしくなる〝海列車〟の中でオレは静かに思考を繰り返す。今になって思えばフクロウを襲撃に向かわせるのは変だ。
もう原作なんてメチャクチャになっているとはいえフクロウはサイファーポールのフランキーとバトルする重要なポジションの主要キャラだったはずだが、オレかフルボディもしくは他の転生者の可能性も否定できない。
「ジャンゴのオッサン、フルボディが狙われてるってホントなのか?」
「……まだ確証は持てないが事実だ。現にフルボディと連絡が取れない上にビブルカードも動いていない。おそらく今も交渉かオレをダシに詰め寄っているところだろう。だからこそ、フルボディの代わりに曖昧な正義をオレがブッ潰す」
「ジャハハハハッ!さすがはオレの仲間だ!!」
バンバンとオレの背中を叩くホーディ。ルフィもゾロもトナカイ───トニートニー・チョッパーも満足げに頷きつつ、オレの話を聞いているものの。ナミと謎の仮面戦士はオレに怪しい視線を未だに向けている。
まあ、そうなるのは仕方ない。
オレは彼女の母親を殺し掛けたんだ。こうやって恨まれるのは当然の事だし、あのときの自分は原作を戻そうと躍起になっていたバカだったのも事実だ。
「───ッ!?前方に気配を感じる」
「世界政府の殿か?」
「いや、この気配は〝覇気〟を纏ってる」
そう告げるとホーディは「オレ達の同類ってわけか?」という視線を向けてきた。そう考えるべきなんだろうが、この〝覇気〟の歪さはなんだ。
強さも練りもスゴすぎる。
そんなことを考えながら窓を開け、オレは前方に広がる線路の上に立つ男を見据える。
あれは、だれだ?
「〝
ボソリと何か技名を呟きながら日本刀の小太刀に似たモノを脇に構え、一気に横薙ぎに振り抜いた瞬間、大気その物を無理やり圧し斬るように〝海列車〟の屋根を男は抉り斬った。
「なんつう太刀筋だ…!」
「お褒めに与りどうもだが。お前らのウワサは良く聞いているぞ、
「海軍大将!?」
ナミの悲痛な叫びに慌てて構えるルフィとゾロを尻目にオレは更にコイツの名乗ったディエス・バレルズに違和感を感じてきた。今の時期、まだ海軍大将は三人だけのはずだ。
「同胞の友よ、悩むのは良いが
「ぐうぅうっ!?」
チャクラムの刃を利用して、ディエス・バレルズの振るう小太刀を往なしながらルフィ達の前に立つ。ここで戦えばルフィはブルーノもしくはルッチに負ける。
「さあ、エニエス・ロビーまで時間は無い。たっぷりとオレの相手をしてもらおうか!」
「ホーディ!」
「〝魚人空手〟ッ!!」
「〝
ホーディの放つ右の正拳をディエス・バレルズは両手を絡めるように受け止め、全身を捻りながらホーディを空に跳ね上げた。しかも魚人空手の正拳の衝撃を床に流して、尚且つ自分の受けるダメージを丸ごとホーディに返して───。
「アンタ、フルボディ並みの規格外だな!!」
「オレのほうが年齢は上だよ、同胞の友よ」
そう言ってディエス・バレルズはオレに向かって小太刀を振り上げてきた。ああ、クソがよ。ウォーターセブンに来てからバトルしすぎだろ、オレ…!!
〈ディエス・バレルズ〉
フルボディ達より先に転生していた男
海軍大将を名乗っているが真偽は不明。ジャンゴの記憶頼りにつけていた手帳にも乗っていないキャラのため強さも素性も未知数の相手───。