【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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ジャンゴはオレの親友になる男だ。

いつものように海賊を探して海軍支部を基点に何度も航路を巡回していると黒猫の海賊旗を潮風に靡かせる海賊船を発見したという報告を受ける。

 

「クロネコ海賊団だと?少し前にキャプテン・クロを名乗る男を捕まえたってモーガンのヤツが偉そうに言ってたじゃないか」

 

オレのデカすぎる独り言を聞いていた部下のひとりがオレの言葉に応えるように「まあ、確かにキャプテン・クロの人相書にも似てないし、明らかに替え玉っぽいヤツでしたからね」と返答してくれる。 

 

「どうします、フルボディ大佐。我々としてはキャプテン・クロの策略は未然に解決しておけば今後の憂いもなく民間の安全を守れます。ただ、モーガン少佐のことが……」

 

モーガンのところで言い淀む部下。

 

まあ、斧手のモーガンは強くて海賊にも部下にも厳しく、民間人も困っているのは東の海を拠点とする海軍は知っている。だが、彼の功績も強さもウソっぱちではなく実力によるものだ。

 

そう簡単に自分の手柄は虚構だったなんて認めるわけがない。

 

しかも権力や階級を気にしているモーガンに「本物のクロネコ海賊団は今も健在で、悠々と東の海を航海しています」なんて言ったら面倒臭いことになる。

 

「よし、近づいてみるか」

 

「「はっ!」」

 

オレの言葉に部下達は敬礼し、軍艦の操縦を再開する。一応、アイツらがクロネコ海賊団の残党だってことはオレもなんとなく覚えてはいる。

 

しかし、オレは目の前を無防備に航海しているクロネコ海賊団の残党よりも興味を惹かれているのはクロネコ海賊団〝副船長〟1・2の(ワン・ツー)ジャンゴだ。

 

オレの記憶が間違っていなければ、アイツはオレの親友になる男。ひょっとしたらオレと同じようにONE PIECEの世界に転生してきたヤツかも知れないという期待を持っている。

 

「ごきげんよう、クロネコ海賊団。オレは海軍大佐のフルボディだ」

 

ジャラリとメリケンサックを嵌めた拳を握り固めて、オレはクロネコ海賊団のクルーを船首から見下ろす。ドイツもコイツもうっすらと覚えている程度の顔だが、ひとりだけオーラというか厳つい気迫を感じる男がいた。

 

「海軍〝大佐〟のフルボディ…だと?」

 

ハートマークのサングラスと中折れ帽子を身に付けた灰色の髪を潮風に揺らす男──オレの記憶に残っているジャンゴは少しだけ困惑気味に呟く。

 

「フルボディ、一つだけ問わせろ」

 

「なんだ」

 

「お前は『漫画』だと知っているか?」

 

「…ああ、ああっ、知っているとも!!」

 

ようやく同郷のヤツ(にほんじん)に出会えた喜びにオレは涙を流しながら船首を飛び降り、ジャンゴもまた武器を捨ててオレを受け止める。

 

「「友よ、会いたかった…!」」

 

ジャンゴ、世界に一人ぼっちは寂しかったよな。

 

オレ達の熱烈なハグに困惑する奴らに、コイツは生き別れの友人だと互いの仲間に伝える。

 

 




〈ジャンゴ〉

クロネコ海賊団〝副船長〟に転生した男。

原作のように催眠術を使えるように特訓し、チャクラムも巧みに使いこなせる技術を身に付けたものの。あまり海賊行為に乗り気ではなく、のんびりと海賊船で東の海を航海していたとき、フルボディと出会えた。

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