【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
王下七武海の集まった部屋の真ん中に石化した大柄な男の姿はあった。謂わずもがな、オレやジャンゴと同じく転生者のホーディ・ジョーンズだ。
そんなホーディの目の前にはハート型に手を構えたお姉さんと申し訳なさそうにしているジンベエがいた。ドンキホーテ殿とバーソロミュー殿を道案内している間に、いったい何があったんだ?
「来たかフルボディ…!」
「ジュラキュール!」
黒刀に抜こうとするジュラキュールにオレはナックルを嵌めて応戦しようとした瞬間、センゴク元帥の〝覇気〟によって勝負は中断、渋々とオレはナックルを指から引き抜いてポケットに仕舞う。
「フン、わらわをむさ苦しい場所に呼ぶだけでなく。このように鼻の下を伸ばす下品な魚人を寄越すとは、どういったつもりじゃ、ジンベエ」
「ホーディの件は申し訳ない。じゃが、ソイツは悪意を持ってお前さんに近づいたわけじゃない」
「なに?」
ジンベエの言葉にキレイなお姉さん──〝海賊女帝〟ボア・ハンコックは訝しげにホーディに視線を変えた、そのときだった。
「ジャハハハハッ!!ようやくボア・ハンコックの石化にも慣れてきたぜ。さあ、ハンコック、オレと一緒に目眩くハーレムの世界に旅立とう…!!」
「き、キモいのじゃが…!?」
「「「さすがに止めろよ」」」
ホーディは無理やり石化をぶち破り、股間におぞましいモザイクを引っ提げて復活した。なんで石化を解除するだけで服が破れるんだと思いつつ、ソッと全員でボア・ハンコック殿を守るように構える。
「オレの愛は止まらねえ!!」
「愛は押し付けるものじゃねえ!!」
「「「ん?」」」
思わず、ホーディの言葉に反論した瞬間、みんなが一斉にオレの方を向いてきた。な、なんだよ?そういうもんだろ?と思いながらホーディに視線を向けたまま気付いていないふりをする。
「ジャハハハハッ、恋はいつでもハリケーンだ!テメーみたいな堅物野郎にオレの恋するハートを止めることは、オレの野望を打ち砕くことは出来ねえ!!」
「オレは純愛でアイボリーと付き合っているし。なんなら結婚もプロポーズも本格的に視野に入れているが?それでも止まらねえのか?」
「ガハァーーーッ!!?」
「ほ、ホーディぃいぃいぃっ!!?」
いきなり穴という穴から血を噴き出すホーディに駆け寄っていくジンベエにオレ達は「もう、そんな変態を部下にするのやめろよ、ジンベエ」と思った。
「じゃ、じゃはははっ、やるなフルボディ。だが、オレの夢はハーレムを築き、世界中のステキなお姉さんと付き合うことだ!たとえ変態に落ちようと、この想いは止められないんだ!!」
「ホーディ、お主そこまで」
「ジンベエは何を感動しておるのじゃ?」
「オレには分からん。くまは分かるか?」
「愛ゆえに人は狂うものだ」
なんか後ろで小難しい話をする王下七武海の面々に突撃しようとするホーディにオレは仕方なく〝一夫多妻去勢拳(空圧正拳バージョン)〟を放つ。
本来はライダーキックなんだが閉所では使えん。
オレの放った恐ろしき一撃によって男は内股になり、ボア・ハンコック殿は首を傾げながらオレ達の内股になっている姿に困惑している。
フッ、自分の技に怯えるなんてな…!!
〈一夫多妻去勢拳〉
出典・Fate/EXTRA
対男性特攻戦術。如何なる鍛練も意味を成さず、この一撃は男性の精神を刈り取り、僅かな衝撃ですら一瞬にして男性の意識断つ。空圧正拳バージョンは圧縮された大気を急所にぶつける荒技。
どんな強者も当たれば倒れる。