【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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ワン・ツー・ジャンゴ!はオレには使えない

クロネコ海賊団の処遇について。

 

意外にもオレとジャンゴへの文句や反論は無く、強いて言えば部下の不服そうな視線と海賊の仲間入りに対する不安を感じているようだ。

 

まあ、そりゃあそうだろうけど。

 

「ジャンゴ、掃除は大切だろ?」

 

「まあ、そうだな」

 

オレの言葉にジャンゴは肯定するように頷き、バシャバシャとバケツの水を染み込ませたブラシを廊下に擦り付け、オレと一緒に海軍支部の清掃に取り組んでいる。

 

こうして文句を受ける代わりに信用できるまで雑務や労働に関わるのは大事だ。とくに部下の「フルボディ大佐の友人といえど海賊です。それなりに反省して頂かなくてはいけません」という言葉には逆らえない。

 

「ところでよ、ジャンゴ」

 

「なんだ?」

 

「新兵なんだから、私服はダメだぞ」

 

「中折れ帽子とサングラスはポリシーだ」

 

ジャンゴは「絶対に譲らんぞ」と言いつつ、中折れ帽子を深く被り直す。確かに、オレもメリケンサックを愛用しているし、ジャンゴのように一途に自分の物を大切にするのは良いことだ。

 

そんなことを考えながらブラシを廊下に擦り付けていた瞬間、ガンッ!とオレのブラシとジャンゴのブラシがぶつかり、お互いに顔を見合わせる。

 

「おいおい、ここはオレのエリアだぜ」

 

「いや、ここはオレの掃除エリアだ」

 

「「ハッハッハッ、やんのかテメー!?」」

 

オレの振りかぶった拳をジャンゴ円形の刃物──チャクラムで受け止め、オレを出し抜くようにブラシを構えて全力疾走し、今まで一緒に掃除していた通路を自分の手柄にしようしやがった。

 

クソ、オレの足じゃジャンゴに追い付けねえ!

 

「スパイラル・ハリケーン・パンチッ!!!」

 

「こ、この風はバカなッ…ぐぬぉおおぉおっ!?」

 

全身全霊のパワーをねじ込んだストレートを通路のど真ん中でブッ放した次の瞬間、凄まじい縦ではなく横向きの竜巻を生み出し、一直線にオレの前を走っていたジャンゴの背中をブチ抜き、ジャンゴを壁にめり込ませる。

 

ピクピクと白目を剥いて壁に埋まっているジャンゴを引き抜き、辛うじてサングラスを死守したヤツを引きずって反省室へと向かう。

 

「あー、悪いんだがコイツが壁を壊した。壁はコイツに直させるから道具を用意してくれないか?」

 

「はっ。了解しました!」

 

「あとオレも反省室で反省してくる」

 

「はっ、え?」

 

「じゃあ、よろしくな」

 

「え?ん?」

 

まったくオレの親友になる男といえど悪さは許さん。

 

オレも一緒に反省してやるから、二度と悪いことできないように部下に5時間ぐらいは説教してもらわなくちゃならんかもな。

 

 

 




〈スパイラル・ハリケーン・パンチ〉

出典・魁!!男塾

男塾一号生・Jの必殺技。

全身全霊の渾身の力を込めたスクリューブローによって奇跡のごとく巨大な突風を生み出し、その一撃は人間を容易く吹き飛ばす破壊力を有する。

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