【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
とある日の平日。
久しぶりに海賊の騒動もなく平和な日常に海軍本部の事務室で、まったりとコーヒーを楽しんでいると唐突に「フルボディ、まずオレ達は『ONE PIECE』の世界に転生しているって事は理解しているな?」と聞いてきた。
「ああ、覚えてる」
「まあ、そこは心配してねえけど。次に『ONE PIECE』の原作と違う点はオレ達、つまるところ転生者の存在だ。オレとお前、他にも何人か転生者に出会っている」
そう言われて思い返す。
アミーゴ海賊団の船長〝金網〟のラルゴ。
海軍大将〝灰鯱〟ディエス・バレルズ。
ホーディの出会った〝閃光〟のスパンダイン。
三人三様、個々の強さは違うが警戒すべき敵だ。
「お前の話してくれたラルゴは元々アニメオリジナルのキャラだが、転生者というアドバンテージを得て〝金獅子海賊団〟の幹部クラスの強さを持っていた。それなのにお前に負けた」
「まあ、オレが勝ったな」
「不自然すぎるんだよ、ソイツ」
ジャンゴの言葉にオレは首を傾げる。
「仮にもソイツは転生者なんだろ?知識も豊富な上に偉大なる航路を縄張りにする海賊だ。そんなヤツが〝六式〟の一つも使えないなんて有り得るのか?」
「確かに…!」
「つまり、アイツの目的は海軍に捕まることか。あるいは別の目的を果たすために、わざとお前の攻撃を受けて負けたふりをしている可能性がある」
そ、そうだったのか。確かにオレやジャンゴ、ホーディと同じ転生者とは思えないほど弱かったけど。わざとオレの攻撃を受けていたと考えたら納得できる。
あの野郎、よくも騙しやがったな。
オレの怒りにジャンゴは「少しは落ち着け、まだ断言できるわけじゃない」と言いながらサングラスのレンズをハンカチで拭き、さらに考え込むようにアゴヒゲを擦っている。
「フルボディ、お前ならどうする?」
「オレか?今のアイツはインペルダウンLEVEL5にいるっていう報告は受けているが……。ひょっとしてインペルダウンで誰かを探しているとかか?」
「その線も有り得るな」
そう言うとジャンゴは手帳を取り出して、インペルダウン編と日本語で書き綴られたページを開き、人名と大まかな詳細を確かめていく。
「まさか〝鬼の跡目〟と接触するつもりか?」
「だれだそれ?」
「…そういやお前って原作についてほとんど忘れてんだよな。まあ、今はどうでいい。ロジャー海賊団の見習いにして〝鬼の跡目〟の異名を持つ、おそらく現段階のお前より確実に百倍は強い。ひょっとしたら作中最強かも知れない海賊───それがダグラス・バレットだ」
「オレより強い海賊」
ラルゴのヤツはソイツに会って、何をしようとしてるんだ?なんてことを考えながらディエス・バレルズやスパンダインは無害ではないものの。基本的に世界政府側の人間、天竜人もしくは五老星の権力に屈した奴らだ。
「まあ、あの二人とも子供が居るし。多分、五老星に人質を取られて従っているだけなんだろ。そうじゃなけりゃあ、あの強さで従ってる理由が思い付かん」
「やっぱり天竜人はクソだな」
そんなことを言い合いながらオレは「ONE PIECE」について細かく見直すジャンゴの話を聞く。こういうときにこそジャンゴの知識の豊富さは役立つ。