【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「……うぅ、ここは?」
「チョッパー先生、目が覚めたか!」
「ヨサク、それにジョニーもなんで傷だらけに?」
「チョッパー、話は後回しだ。なんとか紙一重で防げてるが、そろそろ限界だぞオレは…!」
おれが気絶してる間に何があったんだ?
ズキズキと痛む頭を触り、蹄で帽子の位置を直しながら立ち上がった瞬間、おれの目の前に「ブワアァーーーッ!!」と目玉の飛び出たオバケが地面を突き破って、いきなりおれの目の前に登場した。
「いやあはあぁーーーーっ!!?」
「ぎょえぇえぇーーーーっ!!?」
あまりにもグロテスクな顔面、えずくような異臭にビビり、おれは〝
「おお、あっしらごと跳んだ!」
「うぶっ、なんか空気が生臭い」
「おれの上で吐くなよジョニー!?」
ギャーギャーとおれ達は喚きながら城壁の上に着地し、ワラワラと群がり始めてきたゾンビ兵の姿に冷や汗を流す。何十人どころの話じゃない、おれ達を狙うゾンビの数は千人を優に越えている。
こ、こんなのどうすればいいんだ。
「チョッパー先生、どうする?このままオレとヨサクと一緒に兄貴達を探しに城の中に行くか。ここでゾンビ兵を監視しながら待つか?」
「お、おおおれも行くぞ!」
ルフィ達も怪我してるかも知れねえんだ。こんなところで怖がってる暇があるなら、一人でも仲間を探して傷の手当てをしてやらねえと…!
「「「ブアァーーーッ!!」」」
「また来たアァーーーッ!!?」
「此処はあっしが代わりにッ!!」
そう言うとヨサクは切っ先の無い刀を抜き、こっちに向かって押し寄せるゾンビ兵に駆け出す。あ、あんまり二人が戦ってるところ見たことないけど。
ゾロの部下だし、大丈夫だよな!
「〝威儀・火宅斬り〟ッ!!」
カキン!とヨサクは刀の先を地面に擦り付け、小さな火花を作り出してゾンビ兵の身体を焼き斬る。すげぇルフィの兄弟のエースみたいな技だ。
「うおおぉおおっ!?あちちちちっ!!?」
ゾンビは身体に振りかかる火を払おうと暴れ狂い、さっきまでの正気を失っていたふりを止め、ゴロゴロと地面を転げ回る間にヨサクは後ろに飛び退く。
「ジョニーッ!!」
「〝独覚・乱れ
ジョニーは暴れ狂うゾンビの首を駆け抜け様に一回転し、ゆっくりと刀を鞘に納めた瞬間、炎は掻き消えてしまい、ゾンビ兵達も立ち上がり始める。
だが、ピクリともゾンビ兵は動かない。
「な、なにしたんだ?」
「チョッパー先生、よくアイツら見てくれ。ゾンビの頭と身体が全部ジョニーに斬られた瞬間にまとめて変わってるんだ!」
「え?うおおぉぉーーーっ!!ほんとだぁ!?」
おれのリアクションにゾンビ兵も釣られて、自分達の身体に起こっている変化にビックリし、アホみたいに大口を開け、鼻水を垂らしている。
「フッ、兄貴達との特訓で会得した紙一重の技量だ」
そう言ってジョニーはサングラスの真ん中を人差し指で押し上げ、ニヤリとおれ達に笑って戻ってくる。ゾンビ兵は身体を動かせないから、とんでもないものを見るような目を向けることしか出来ていない。
〈ヨサク〉
麦わら海賊団〝戦闘部隊〟または〝鋳剣の片割れ〟
麦わら海賊団〝副船長〟ロロノア・ゾロの率いる戦闘部隊の一人であり、バラティエおよびアーロンパークにてルフィの勧誘を受け、ジョニーと共に賞金稼ぎを止めて海賊に転職した。よくウソップやルフィと食糧調達の釣りに勤しんでいる。
〈
片手脇構えの姿勢のまま踏み込み、地面(あるいは壁)に切っ先を擦り付け、火花を作り出して相手を切り裂く剣技。ゾロの鍛練に付き合っているため原作より遥かに強さは増している。
〈ジョニー〉
麦わら海賊団〝戦闘部隊〟または〝鋳剣の片割れ〟
麦わら海賊団〝副船長〟ロロノア・ゾロの率いる戦闘部隊の一人であり、ヨサクと共にルフィの勧誘を受け、そのまま海賊に転職する。だんだんと力量も増し「紙一重」の厚さも薄くなっており、本当の意味で「紙一重」の勝負を出来るようになった。
〈
超高速で振るわれる月の形を模した剣技。半月、満月、三日月など月の満ち欠けによって回転率は増していき、最大威力・最高速度で放つ〝満月〟は斬られたことすら分からないほど。