【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
近頃、東の海を騒がせる新進気鋭の海賊団がいる。
オレの記憶力じゃ原作に登場しているキャラなのか全く分からず、もっとも信頼する部下と共に件の海賊が根城にしているというウワサの孤島にオレは来たのだが。
「すんげえ鬱蒼としてるな」
「えぇ、足場も悪いですし。もしかしたらガセネタの可能性もありますよ、これは」
鬱陶しそうに木々を刈り取る部下の言葉に「確かに人の住める場所じゃないな」と思ったことを素直に言葉に変えて応える。しかし、こういう場所に基地を作りたくなるのは男の性みたいなもんだ。
「「あ?」」
「ホントにいましたね、海賊」
そんなことを考えながら部下の目の前を歩いているとゴツくて筋肉質な、如何にも海賊という風貌のオッサンに遭遇してしまった。
チラリと部下に視線を向ければ「この人で合ってます、新進気鋭の海賊団のクルーとして手配中ですよ」と手配書をオレに差し出してくる。
未だに今の状況を理解していないオッサンと手配書の顔を見比べてみる。ウ~ン、もうちょっと小太りにも見えるけど。部下の言っていることだしな。
「お前達を捕まえに来た海軍大佐のフルボディだ。大人しくしてくれればブッ飛ばしたりするつもりはない」
「大佐、フルボディ大佐。もう逃げてます」
「なに?」
くいくいとオレの軍服の袖を引いて、そう告げる部下の言うとおり。さっきまでオレ達の目の前に立っていたオッサンはサルのように変化し、木々の間を巧みに飛び跳ねて移動している。
「マジかよ、また悪魔の実の能力者か」
最近は異様すぎるほど多発する悪魔の実の能力者に「嫌だ嫌だ」と文句を言いつつ、オレは部下に軍帽と軍服を預けて、まだ覇気に目覚める予兆すらない鉄拳を最大威力のパワーを込めて握り固める。
「超すごいパンチッ!!!」
全身の筋肉を総動員してパンチという一点に全エネルギーを詰め込んだ今現在のオレに使える最も強いパンチは衝撃波に変わり、木々の間を逃げるオッサンの背中にぶつかり、そのまま一直線の綺麗な道を作る。
「よし、捕縛するぞ」
「なんですか今の?超すごいパンチって」
「オレの全力で放てる最大威力のパンチだ」
「もはやパンチの威力じゃないですよ、これ」
そう困惑と驚愕の混じった声で押し倒された木々の間を歩きながらオレの叫んだ技名に、さらに困惑する部下から軍帽と軍服を返してもらう。
まあ、これだけパンチを鍛えてもガープ中将の拳骨に一度も競り勝てたことはないし、なんなら逆に吹っ飛ばされる回数の方が上だ。
いつか、あの人の拳骨を越えたいものだ。
〈超すごいパンチ〉
出典・とある魔術の禁書目録/とある科学の超電磁砲
兎に角、超すごい根性と気合いの乗ったパンチ。