【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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アブサロムの語る〝霜月〟

「それじゃ、ブルックの〝影〟を奪ったのは?」

 

オレの質問に答えたのだから今度は自分の番だという風に聞き返してきたニコ・ロビンの問いかけにオレは少し悩み、ブルックの〝影〟を奪った理由を、どうやって説明しようかと考える。

 

「オレ達、正確に言えばオレとゲッコー・モリアの目標は今は亡き大事な仲間のために最強の称号を得ることだ。そのためにブルックの剣士としての〝影〟は重要なモノだった。例え外道と呼ばれようとオレ達は仲間のために、必ず〝世界最強〟の称号を奪い取る…!」

 

そう宣言するオレを不安げに見上げるペローナお嬢様に「安心しろ、オレとゲッコー・モリアは絶対に死なん。次こそ百獣共の首を一匹たりとも残さず討ち取ってやる」と告げる。

 

「海賊王じゃねえのか?」

 

「ああ、今は違う」

 

そうとも〝百獣〟のカイドウを倒す。

 

その後にオレはゲッコー・モリアを王にする。例え原作が壊れようと知ったことじゃない、オレ達の時間はカイドウと戦ったときに止まっているんだ。

 

「なにか込み入った事情があるようだけど。そのために人の〝影〟を集めるのは間違っているわ。ブルックにもやりたいことはあるのよ?」

 

「それも知っている。ルンバー海賊団、かつてブルックの所属していた海賊の事もとっくに調べているし、アイツの話していた成すべき事の検討もついている。……それでもブルックの〝影〟はリューマに必要なんだ」

 

「悪いな、ソイツはもう斬った」

 

ガラリとペローナお嬢様のために用意した庭園のドアを無造作に開けて入ってきた緑髪の剣士──ロロノア・ゾロの腰に佩刀された〝秋水〟と肩を組んで支えられるブルックを目撃し、アイツは負けたのかと理解する。

 

「お前にリューマは負けたか」

 

「その前に教えろ。リューマとオレの関係はなんだ?それにワノ国に行けとアイツは行っていたが、ワノ国にも何かオレに関係があるのか?」

 

ズカズカと質問を投げ掛けるゾロ。

 

その異様な姿にサンジもナミもニコ・ロビンもブルックでさえも息を飲み、この質問には答えるべきだと真剣な眼差しをオレに注いでいる。

 

「少し長くなるぞ」

 

オレの転生者として知っている記憶、ゲッコー・モリアと共にワノ国で見てきた霜月に関する話を細かく説明し、だんだんとゾロの眉間に皺が寄り、ナミやニコ・ロビンは顔を真っ青に染めながらオレの話を聞く。

 

「……オレの知り得る話はこれだけだ。もしもワノ国に行くなら、せめて〝ロロノア・ゾロ〟じゃなくて〝霜月ゾロ〟を名乗ってやれ。そうじゃなけりゃ、カイドウに挑んだアイツらが浮かばれねえ」

 

そう言うとオレはティーカップの持ち手を掴み、冷たくなった紅茶を流し込むように飲み干す。ああ、ホントに原作を知っている分だけ感情移入しすぎる。

 

知り合いがいなくなるのは辛いなあ……。

 

「オッサン、テメーの話が本当ならオレにはカイドウを仏陀斬る権利はあるな。次にカイドウを襲撃するとき、オレにも連絡しろ」

 

やべえな、少し話すタイミングを失敗した。さっきの話でゾロのやつが完全にブチギレて、中途半端に〝覇王色の覇気〟に目覚めかけてやがる。

 

────けど、まあ、有り難い話だ。

 

「好きにしろ」

 

「ああ、好きにする」

 

こうして密かに副船長同士で同盟は成立した。

 

 

 

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