【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「キシシシ、何の様だ。暴君」
「お前の来る場所じゃないぞ、バーソロミュー」
「ゲッコー・モリア、アブサロム、海軍本部および世界政府の通達だ。過去、四度に渡って百獣海賊団と抗争し、〝百獣〟のカイドウ、そして大看板の二人と渡り合える実力を見込み、とある受刑者の護衛を依頼する」
強大な気配を感じて城の外にオレとゲッコー・モリアは飛び出し、ちょうど飛んできた〝暴君〟バーソロミュー・くまと対峙する。いつものように聖書を抱える左手には手袋を嵌めているが、右手は抜き身の状態だ。
だが、オレの警戒なんて無視してバーソロミューは淡々と話し始める。しかもオレの知っている最悪の大事件を、絶対に聞かれてはいけないヤツがいる近くで。
「その受刑者の名前は〝火拳〟のエ────」
その名前を言いきる前に、ルフィの右拳がバーソロミューの顔面を捉えて、スリラーバークの古城を囲んでいる防壁まで吹っ飛ばす。
「エースが処刑だと?ふざけんじゃねえぇ!!オレはエースを、大事なアニキを見す見す殺させたりなんて絶対にしねええぇーーーっ!!」
「……〝麦わら〟のルフィか」
瓦礫を押し退けながらバーソロミューはルフィを一別し、なにかを考えるように止まり、すぐにまたオレ達に向かって近付いてくる。
「キシシシ、悪いな。今は大事な娘と友達になるかもしれねえ奴らが茶会中なんだ。それと麦わら、アイツはオレの獲物だ。横取りするんじゃねえよ」
「アイツがエースが処刑されるなんてウソ言ったんだぞ!?弟として黙ってられるか!?アブのオッサンもモリアのオッサンも分かるだろ!」
「「まあ、言いたいことは分かる」」
確かにオレもゲッコー・モリアを処刑するなんて聞けば激昂し、おそらくマリンフォードだろうがマリージョアだろうが平然と乗り込んでるな。
まあ、そもそもオレとゲッコー・モリアを捕まえる強さを持ってる海兵なんて片手で数える程度だが、オレと同じ転生者もいるみたいだし。
そこは五分五分か?
「キシシシ、お前は誰にも負けねえよアブサロム。そして、オレもカイドウ以外に負けるつもりも殺されるつもりもねえ…!」
「ああ、そうだな。オレもキングの首をへし折り、クイーンのヤツをぶちのめすまで誰かに負けるつもりはない。例え神であろうと…!」
そんなことを話していると「エースは何処にいるんだ!」や「オッサンは知ってるんだろ、教えてくれ!」などバーソロミューに無警戒で近付くルフィに溜め息を吐いてしまった。
「麦わらのルフィ、旅行するなら何処がいい?」
「え?」
いつものようにバーソロミューが呟いた次の瞬間だ。緩やかに突然の問いかけに戸惑うルフィの身体を捉えようとしていた肉球の生えた右手を、膨大な〝覇王色の覇気〟を纏ってゲッコー・モリアは弾き上げた。
「おい、言ったはずだぞ暴君。コイツはオレの娘の開く茶会に遊びに来てる大事な客だ。そいつを分かってて攻撃するって事は死ぬ覚悟は出来てるんだろうなァ!?」
「オレと戦うつもりか、ゲッコー・モリア」
「たかが国一つ潰した程度のカスが、
そう言ってゲッコー・モリアは嗤った。