【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
とある日の夜───。
「今日も奴隷を買うえぇ~!」
天竜人のチャルロス聖は自分の不始末で不足していた奴隷を集めるためにオークション会場にやって来ていた。いつものように見知った支配人にフリーパスで通され、意気揚々とオークション会場に入ると。
そこには、おぞましい変態がいた。
およそ人類とは思えぬ極限まで鍛え抜かれ、一切の無駄を省いた筋肉の要塞をハチミツという艶やかな黄金に染め上げ、その顔は真っ赤なフンドシによって秘匿された変態すぎる魚人だ。
───紛うことなき〝フンドシ仮面〟だった。
「
ダラダラと冷や汗を流し、一歩後ずさる。
しかし、後ろの重厚な鉄の扉は逃亡防止のために開けて、直ぐに閉めてしまったため、そう簡単に鉄の扉を開けることは出来ず、ゆっくりと迫り来る変態に護衛もチャルロス聖も恐怖し、一ヶ所に固まっている。
そして、よくオークション会場内を見れば異様に汗ばんだ顔を絶望一色に染めた天竜人がチラホラと転がり、辛うじて難を逃れた女性の天竜人もまた一ヶ所に集まって震え上がっている。
「貴様の名前は知っているぞ、チャルロス!この前の〝変態秘技・ミラクル海上スキー〟を受けて尚も人々を買いにやって来るとは、どうやら本気でオレの〝変態奥義〟を食らいたいようだな!」
「い、いやだえ!?もう、あんなモッコリした感触を五時間も感じながら引きずり回されるのは絶対にいやだええぇ!!?ここから出すえ!いや、ほんとに出してえぇえ~~~~っ!!!?」
「トウッ!!」
野太く勇ましい掛け声と共に飛び上がったフンドシ仮面は何処からともなく荒縄を取り出し、チャルロス聖と護衛の人間を拘束し、宛ら蜘蛛の巣を───〝変態秘技・苦悶蜘蛛地獄〟によってオークション会場に〝天竜人を狩るための狩り場〟を作り上げる。
ドンドコドンドコドンドコ────。
謎のミュージックと共に現れたスポットライトに照らされた上向き四つん這いのフンドシ仮面にチャルロス聖は鼻水を垂らし、ガタガタと震え始める。
彼の精神は迫り来るモザイクに蝕まれ、自分に起こる最悪の瞬間を想像してしまう。彼の後ろには、まるで順番待ちのように護衛も並んでおり、必死に逃げようともがき、ジタバタと暴れる。
だが、ろくに鍛えてもいない人間にフンドシ仮面の使う魚人製の荒縄を千切ることは出来ず、己に迫りつつある変態に成す術は皆無であった。
「FOOOOOOOOOOOO!!!!!」
「いんぎやあああぁぁぁっ!!?気持ち悪いぃぃぃっ!!!?」
そんな悲鳴が今日もまたシャボンディ諸島に響く。
「成敗っ!!」
そう宣言してフンドシ仮面は颯爽と走り去る。
〈ヒューマンショップ襲撃事件〉
シャボンディ諸島で起こった珍事件
かつて〝
ただ、世界政府の要請で詳細を知ることは完全に不可能ということ。しかし、チャルロス聖は「もう奴隷は買わないえ」と供述しており、おそらく想像を絶する変態を見たのでしょう。