【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「あ、ルフィだ」
「わりと早めの到着だな」
ズゴゴゴッとレモネードを飲むジャンゴの隣でオレは串焼きを食べながら〝見聞色の覇気〟でシャボンディ諸島に入国してきた麦わらの一味を眺める。
それにしてもルフィのヤツも随分と恰幅の良すぎる体型になってやがるな。あんなにヒゲも生やして、なんともワイルドさが増してる気がするぜ。
なんだか他の船員も痩せてたり縮んでたりとヘンテコな姿に変わっているが、きっと変装の一種なのだろうとひとりで納得しながらジャンゴに双眼鏡を手渡す。
「……おい、あれはニセモノだぞ」
「バカな!?」
「どう見てもオッサンじゃねえかよ、バカ」
ジャンゴの言葉に驚きながらルフィを見る。
しかし、どうやってルフィとニセモノを見分けたんだ?と困惑するオレにはジャンゴは手帳の一部を見せてくれた。……ふむ、あれは二年後に再集結する時に現れるニセ麦わらの一味のリーダーなのか。
「とりあえず、観察するか」
「おう」
オレは似ているようにも見えるニセルフィの観察を続けようと提案するジャンゴの言葉に頷き、〝見聞色の覇気〟を使ってニセルフィ達の監視を続ける。
しかし、ホントにそっくりだな。
そんなことを考えながらオレは塩気の効いたタマネギの串焼きを頬張る。
チラリと横を見れば「今日も元気に泳いでるな、ホーディ」と虚ろな目で悲しげにジャンゴは呟き、最近よく飲むようになったレモネードのボトルを地面に置いて、オレの手渡した串焼きを食べ始める。
「なあ、チョッパー先生ってあんなんだっけ」
「だからニセモノだってば」
「いや、でもよ」
「…………なんで本物がいるんだよっ!?」
「やっぱり本物だったか!」
オレは直ぐに立ち上がってチョッパー先生に会いに行こうとした瞬間、ものすごいヘタクソな殺気を感じ、そっちに視線を向けると怪しい集団がいた。
だれだ、あいつら?
「強敵風の雰囲気を出してるが、雑魚だな」
「ジャンゴの〝見聞色〟はオレより精度あるし。そういうならそうなんだろうが。あからさまに殺気をぶつけられるとムカつくな」
「お前も〝覇気〟ぶつけてやれよ」
「それもそうだな」
グッと全身に力を込めて威圧感を出した次の瞬間、全力で逃げられた。たぶん、ジャンゴの言ってた『
「フルボディ、オレは学んだんだ。カプ厨は無理やり男女間をくっ付けるんじゃねえ、ただ後方保護者面で見守っていれば良いんだ。それに夢小説をリアルでやろうとするのはキツいものがある」
「夢小説?」
「あー、自分の考えたヒロインもしくはヒーロー……簡単に言えば自分だったり自分の理想を体現したキャラと推しをカップリングにしたりする業界だ」
「そんな業界もあるのか」
ジャンゴの解説を聞きながらオレやジャンゴにも夢小説なるものは存在するのだろうかと考えたものの。まあ、オレ達って元々は噛ませ犬だったし、そんな子はいないなとひとりで納得した。
〈
「ONE PIECE」に転生した人々の集まり
シャボンディ諸島を拠点として活動する集団であり、未だ現実を現実と認識していない夢見る少年少女とも云える。内部派閥の量は凄まじく、ハーレム願望持ちだったり、原作キャラと恋人になろうとする人もいる。
ただ、この世界を現実と認識しておらず、すべて自分の思い通りになると考える人も一定数は存在しているため、そこそこ地位の高い転生者や海軍、世界政府に所属する転生者は夢想家の行動を警戒している。
ちなみに私は夢小説も読みますよ、面白いですし。