【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
「あ、フルボディだ」
「ごきげんよう、ルフィ」
「おう!」
にこやかに話し掛けてきたルフィに、いつもの挨拶を返しながら彼の身体を観察する。無駄に怪我しているようにも見えるが、麦わらの一味は全員揃っているし、とくにジャンゴの危惧するような原作の書き変わる出来事は起こっていないようだ。
それにしてもルフィの懸賞金も着実に上がって来ている。そろそろオレかジャンゴに捕まえるように命令を下すかも知れないな。
そんなことを考えながら麦わらの一味に露店のレモネードやコーラを手渡していき、少し警戒する彼ら彼女らに「今日は非番だ」と告げる。
「休めるときに休むのは大事だぞ。ただ、このシャボンディ諸島は休みの日だからといって、そう簡単に休めるわけでもない。例えば、あの露店を見てみろ」
「なにか変わっているところあるかしら?」
「ニコの嬢ちゃん、よく見てみな。あそこにいるのはほんの数日前まで偉そうに魚人やオカマを差別していたゴミクズの天竜人だった
「「「「えぇえぇええぇえっ!!!?」」」」
ニコ・ロビンの疑問にジャンゴが答えた瞬間、麦わらの一味はシャボンディ諸島を揺るがすほど巨大な絶叫を上げ、真っ赤な口紅と軽めのオシャレに全身を包んだ
とくにサンジは身体をガタガタと震わせて、かつて味わった恐ろしい体験を思い出したのだろう。見事にサンジは普段のお茶目でクールな雰囲気を無くし、
「ところでさ。フルボディはエースの処刑って知ってるよな?頼むッ、オレと一緒にエースを助けに行ってやってくれ!!」
「ルフィ、オレ達は海兵だ。もしもお前の頼み事を聞けば、良くて仕事をクビになるか。最悪は打ち首にされて海軍の面汚しとして晒し者になる」
「…それは…」
突然の懇願に困惑するオレの肩を叩いて、ジャンゴは喋り始める。いつも催眠術で誤魔化したり、面倒臭いと言いながらも仕事は真面目にこなすジャンゴはいつになく真剣な眼差しをルフィ達に向ける。
ルフィは言葉を詰まらせて、静かに麦わら帽子を深く被り直した。ジャンゴも悔しそうに唇を噛み、深々と帽子を被って視線を逸らす。
「まあ、オレとジャンゴは偶然にもエースを取り逃がすかも知れないかもな。そうだろジャンゴ?いくらオレ達でも失敗することはあるよなあ」
「ククッ、確かに失敗するかもなあ」
だんだんとルフィはオレ達の伝えようとしていることを理解し始めてくれたのか。ニシシ、といつものように楽しそうに笑って「ありがとう、ふたりとも!」と言い残して、どこかに行ってしまった。
「で、どうするつもりなんだ?」
そう言ってジャンゴはオレに問い掛ける。
「まずオレと〝白ひげ〟がバトルするだろ?そしたらエグい衝撃波をバンバン出すし、エースも逃げやすくなるっていう作戦を考えてみた」
「……それは作戦なのか?」
たぶん、作戦にはなるはずだ!