【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。 作:SUN'S
〝モモイロ島〟
「うっ、こ、ここは?」
「あら?目が覚めたのね♥️」
「……え、あっ?」
「こら、動いちゃダメよ。まだ傷の手当てが終わってないから、もう少しだけアタシの膝枕で我慢していてちょうだいっ」
「ひざ、まくらっ!?」
そう言ってアタシはグルグル眉毛のチャーミングな男の子……いいえ、サンジに話し掛け、ゆっくりとハンカチを使って彼の汚れた顔を拭き取り、絆創膏やガーゼを消毒した傷口に当ててバイ菌の侵入を防ぐ。
───けど。なぜか彼の動悸は速まり、アタシの顔を見つめる目は熱を帯び、まるで恋に堕ちている乙女のように瞳を潤ませている。
「ふふふ、どうかしたの?」
「お名前を、貴女のお名前を聞かせて下さい…!」
「ジョア、ヴィンテージ・ジョア。あなたは?」
「私はサンジと言います。その、ジョアさんとお呼びしても良いでしょうか?」
「えぇ、構わないわよ」
にっこりと彼の頬を撫でるように触りながらアタシは自己紹介してあげると。彼は面白いくらい可愛い反応を示して、アタシの手を握ろうとする。
ソッと彼の手を押し返す。
そういうのは未来のお嫁さんにするものよ。いくらアタシが可愛いからって、そう簡単に手を握って愛を囁くなんてことはしてはいけないわ。
「ロビンちゃん、ナミさん、あなたが眠りながらも呟いていた女の子に申し訳ないわ。それに、こんな三十路に入っちゃったオバサンでも、いきなり手を握るなんて男の子がしちゃだめよ?」
「は、はあぁ~~いっ♥️♥️♥️♥️」
あらやだ、意外と元気だわ。
そんなことを考えるのも束の間、そろそろ仕事の時間も迫っていることに気付き、サンジの頭を膝から上げて、「それじゃあ、またね」と告げて立ち去ろうとした、そのときだった。
「さ、最後に教えてください!ここは、どこなんでしょうか?」
「ここ?ここは偉大なる航路の前半にあるモモイロ島という場所よ。よく第二の女ヶ島なんて呼ばれているけど、ちゃんと男の人がいるし、彼女達みたいに野蛮なわけじゃないのに失礼しちゃうわ」
「モモイロ島のジョアさん…!」
アタシの名前を呼んで歓喜するサンジ。
ホントの事を教えたら悲しんじゃうだろうし。なによりアタシくらい彼の心の拠り所になってあげるのも悪くないと思う今日この頃って感じね。
「……そ、そうだ、他のみんなは!?」
慌てて周囲を見渡すサンジに「海岸に倒れていたのはあなただけだっだわよ?」と伝える。彼は力無く項垂れながら「そ、そうですか。その、厚かましいとは分かっているのですが船を一隻だけ戴けませんか?」と言ってきた。
「それは、女王様に聞かないと……」
そう言ってアタシはハートを象ったお城を見上げ、サンジもアタシに続いてモモイロ島を統治する女王様のいるお城を見上げた瞬間、たらりと鼻血を垂らす。
たぶん、女王様の姿を妄想しちゃったのね。
〈モモイロ島〉
偉大なる航路の前半に在る第二の女ヶ島
シャボンディ諸島にて麦わらの一味の料理人を務めるサンジがバーソロミュー・くまの不意討ちを受けて飛ばされた恋多き島。そこで出会ったヴィンテージ・ジョアの介抱を受けつつ、彼が目にするものは────。
〈ヴィンテージ・ジョア〉
無名のキャラに転生した人
サラサラと美しい金色の髪をゆるふわウェーブを掛け、ブラウンカラーのカーディガンにホワイトカラーのノースリーブワンピースを着た豊満なバストの美女。しかし、なにやらサンジには言えない秘密を抱えているようだ。