【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝君との逢瀬を過ごしましょう〟

カジュアルな服装を好むサンジを連れて、モモイロ島で唯一とも言える輸入品を取り扱っている店舗に彼を連れていき、好きな人に会えて少し舞い上がっているようで、はしたないけど。

 

アタシは彼の服を選んであげている。

 

大きな姿見に映る自分の服装を確認し、襟元の歪みや袖の長さを調整するサンジ。いつも女の子を大切にして、オチャメは振る舞いで情熱的に愛を語り、戦いになれば苛烈に燃え上がる彼に、アタシはどうしようもなくサンジにトキメいてしまう。

 

「かっこいいなあ」

 

「え?」

 

「あ、ううん、なんでもないわよ。店員さん、お会計はアタシがするわ」

 

そう言ってアタシは財布を取り出してベリーを支払う。いつのものように気だるげな声で「ありがとうございましたー」と言い、店員さんはアタシ達に一礼する。

 

「ジョアさん、荷物はオレが持つよ。ただ、こんな良い服を買ってもらったけど、今は手持ちが無くて、必ず返すから…ごめん!」

 

「ふふ、良いんですよ。アタシが好きでサンジ君を着飾っているだけだし、それにお金なんて返さなくてもいいわ。あなたが安全にモモイロ島を出て、幸せになってくれれば、それだけでステキなお返しになるもの♪︎」

 

「ジョ、ジョアさん…!」

 

あ、あれ?

 

アタシの言葉に潤んだ瞳を向けてくるサンジに思わず、困惑し首を傾げてしまう。おかしい、アタシの経験で考えるとこういうこと言ったら「かままととぶるなよ」とか「チッ、さっさと金返せよ」とか酷いこと言うんじゃなかったっけ。

 

ウ~ン、やっぱり前世の荒んだ記憶のせいかしら?基本的に良い女を気取っていると損得抜きにしても罵倒されると思っちゃってたわ。

 

「あら、ヴィンテージじゃない。こんにちは」

 

「あ、こんにちは、ティバニー先生!」

 

にこやかに話し掛けてきたアタシよりボンキュッボンとしたナイスバディーな金髪の美女(・・・・)〟のティバニー先生に挨拶を返す。

 

原作だと顔の大きなニューカマーだったけど。アタシの影響によるものなのか。だんだんとモモイロ島で自分を表す美的感覚も強まり、サンジを除けばモモイロ島は美女まみれ、本当に第二の女ヶ島になっている。

 

「其方は彼氏さんかしらぁ?すみに置けないわね♥️」

 

「そ、そんな、彼氏さんだなんて……!」

 

「か、彼氏っ」

 

ど、どうしましょう。

 

サンジとお買い物しているときに、彼と恋人だって勘違いされて嬉しくなっちゃってるわ。と、とりあえず、落ち着かないと。ゆっくりと深呼吸して、サンジを見上げれば彼もアタシに視線を向けていた。

 

「「あっ、その……」」

 

「あらあら、アツアツだこと」

 

そう言ってティバニー先生は「ほほほ、仲良しさんなのはステキなことよ♥️」と告げ、ウェーブを掛けた髪を揺らしながら行ってしまった。

 

 




〈サンジ〉

モモイロ島に飛ばされた海賊の青年

自分の手当てや身の回りの世話を甲斐甲斐しく行い、そして慈愛に満ちた笑顔や眼差しを向けるヴィンテージ・ジョアにトキメキを感じ、彼女と〝本気の恋〟に堕ちようとしているけれど。大切な仲間の元に戻るという目標をジョアに話しているため、そう簡単に愛を伝えることは出来ずにいる。

また、ジョアの自分に向けた〝特別な想い〟にも気付いているけど。海賊の自分と一緒になることは彼女の幸せを壊してしまうと考えて。ただ、ひたすらに彼女の気持ちに気が付いていないフリを続ける───。

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