【完結】ごきげんよう、オレは海軍〝大佐〟のフルボディだ。   作:SUN'S

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〝モモイロに染められて〟

「サンジ君、どうですか?」

 

「すごく可愛いよ、ジョアさん!」

 

「ふふふ、ありがとう」

 

アタシのお家にサンジが住み始めて、そろそろ六日ほど経とうとしている。まだポートガス・D・エースの処刑の発表は行われておらず、おそらくルフィ達はインペルダウンに向かっている頃かしら?

 

とても大事な時期だって分かっているのに、アタシはサンジに新しく買ったワンピースを着た姿を見てもらったり、一緒にショッピングを楽しんでしまっている。

 

一刻も早く仲間の元に戻りたいはずの彼を束縛し、モモイロ島に閉じ込めているようで胸が張り裂けそうなぐらいに痛み。それでも彼と過ごせるこの瞬間に、どうしようもなく幸せに感じている。

 

「ジョアさん、どうかしたのか?」

 

「あっ、えっと、なんでもない、わ」

 

ふと気がつけばアタシはサンジの袖を掴み、キッチンに向かおうとしていた彼を止めてしまっていた。

 

あまりの恥ずかしさと申し訳なさで顔を真っ赤に染めながら「な、なんでもないわ。お客さんなのにお料理を任せて、ごめんなさい。それとありがとう」と誤魔化すように言葉を続ける。

 

アタシの心は精一杯の虚勢を張り、ようやくサンジの会いたがっていた女王様に謁見できる機会を戴けたのに。どうして、アタシはサンジ君にモモイロ島を出ていって欲しくないと思ってしまうの?

 

「好き、好きよ、サンジ君……」

 

決してサンジ君には聴こえないように、か細くて小さな声で囁き、綺麗に一切の迷いもなく料理に打ち込んでいる彼に告げる。

 

これが、今のアタシに出来る告白───。

 

どうせ、彼はモモイロ島を必ず出ていくことになるんだもの。せめて、少しでも彼の記憶にアタシの事を残ってもらいたい。

 

そんな乙女の切実な想いを胸に秘めて、彼を眺めていると身体に違和感を感じ始める。とても熱いのだ。彼を見つめているだけで、どうしようもなく熱く身体は火照り、頭がクラクラする。

 

まさかと思ってキッチンに向かえば、今朝の漁師市場で売っていた珍味の〝ラブリーラッコの肉〝を煮込んでいる。アタシは、ラッコを煮込むサンジに戸惑いつつ前世の記憶に残る。

 

とある漫画を思い出していた。

 

「……オレに貴女の気持ちは分からないけど。どうかオレに君の悩みを少しでも良い。君がオレを見て悩む姿を見る度に胸が苦しくなるんだ。お願いだ、もっと君の事を教えてくれないか?」

 

「そ、そんなことをいきなり言われても…」

 

「ジョアさん!」

 

ガシッとアタシの肩を掴んで優しく抱き締めるサンジに驚きながらも、とんでもない幸福感に包まれて、アタシはサンジ君を抱き締めてしまった。

 

 

 




〈モモイロに染められて〉

ヴィンテージ・ジョアの心は恋に染まる

愛することは過ちだらけ。恋することは幸せばかり。二つは似ているようで、少し違っている。あなたを愛して、過ちに溺れてしまいたい。あなたに恋して、幸せに包んであげたい。

〝たとえ偽りでも、愛はあるのだから〟

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