無謀少年ロジカルひーくん 〜論破したい無謀少年〜 作:人見知り
非魔導師大活躍 …だったら良かったのに
さて、俺の話をしよう。
…王→俺にすると全然わけわからんな。王様自身なら"王の話をしよう"ってできるのに。
さておいて、俺は今、管理局で働いている。陸の特別教導官って役職だ。
特別教導って言っても分からないよなぁ。
簡単に言うと地球の警察のノウハウを教えてる。これでも元警察官なんでね。
……そんなに自慢できるほどやってないんだけどねー。
ちょっと人手不足になって警察学校の対象年齢が引き下げられて、ちょっと人手不足で即卒業して、ちょっと怪我して退職しちゃったから、現場は一年間も出てないんだ。
退職後にリンディさんの伝手で管理局に繋いでもらって、魔力の少ない人の部隊を作る手伝いをしてる。
白い悪魔みたいに強い方が良いけど、そうでない人の方が多いからね。
人手不足の解消になるし、雇用創出にもなるし、一石二鳥ってやつ。
火器が使用できないから貧弱だけど、まあ、なんとか頑張って貰ってる。
さて、前置きが長くなったが、ここからは王に関わる話をしよう。
その日、俺は機動六課が保護したという少女に会っていた。
知り合い*1の部隊の保護下だから大丈夫だろうけど、何度か様子を見ていた感じだ。
「あっ! 鶴のおじさん!」
彼女には"鶴のおじさん"と呼ばれている。
数少ない持ちネタである折り鶴をプレゼントした事がキッカケだ。
「やぁ、ヴィヴィオ。元気そうだね」
「うん!ねぇねぇ、何かお話して!」
「そうだなぁ。鶴って綺麗な鳥「もー!それは聞いたよ!」へ?」
ヴィヴィオは頬を膨らませていた。
「"掃き溜めに鶴"に"鶴にょーぼー"、"俺は折り鶴の様に羽ばたけない"、"なのは達は鶴のように飛んでいってしまう"は聞いたからね!
私と話した事、覚えてないの?」
可愛らしく拗ねられてしまった。
覚えてないんじゃなくて、ネタ切れなんだよー。言えないけど。
恥ずかしい話まで覚えてられちゃってるな。
さて、何を話したものか。
そんなほのぼのとした日常の直後、機動六課への襲撃が起きたのだ。
その後は恥でしかないから、軽く触れるだけにしよう。
非戦闘員と共に建物外へ避難するも、よくわからない怪人…ガリューというらしい…に襲われ、ヴィヴィオを拐われた。
なんとかこっそり航空機型ガジェットに引っ付いて忍び込むも、すぐにバレて捕まる。
そんな感じだ。せめて止血してればバレなかったかもしれないが、そんな暇も無かったからどうしようもない。
で、今は戦闘機人たちの監視下にいる。
即殺とならなかったのはツイてる。
「それにしても無様っスねぇ。抵抗とかしないんすか?」
「戦闘機人相手はキツイからね。
10人までなら策はあるんだけど」
「大きく出たっスね!2人いなければ抵抗したって事っスか?」
「怪我じゃ済まないけど、お仕事だからね」
「へぇ、大変っスね」
こんな感じでお喋りしながら、情報を集めてみている訳だ。
なお、10人というは首元のマークが理由だ。戦闘機人となんて戦いたくもないし、そもそも戦った事もないから目安もクソもない。
まぁ、この程度の目論見はバレているだろう。どうせ念話やらでブレーンに随時確認してるはずだ。
俺個人が舐められてるのでも、管理局全体が舐められてるのでも、どうでもいい。調子に乗れる相手だと思っていて貰おう。
「そうだ。お腹空かない?
これでも高給取りだから、このカードでお菓子とか買えるよ」
少しでも外に情報を落としてくれれば良いんだが……
俺は今、"聖王のゆりかご"のガジェット格納庫に転がっている。
「せめてヴィヴィオと同じ建物内に居させて欲しい」と頼んだらいけた。積極的に声をかけ続けた成果だと思おう。
とりあえず、手錠抜け*2してダガー*3でガジェットを解体している。
これで簡易鎧と即席銃を作るつもりだ。
時間は掛かるが、丸腰で動くよりかはマシだろう。
戦闘が始まった。
ガジェットの発射口をガジェットで詰まらせていたのだが、除去されたようだ。
…ハイテクめ…… 詰まってろや
今、俺は航空機型ガジェットを使って、ゆりかご内を飛び回っている。
機銃?のあった部分に手足を突っ込んだ。潰れたカエルのような無様な体勢だ。
ガジェットを相手しながら彷徨くよりマシだ。
稀に指先に鋭い痛みが走る。即席スイッチだから火花でも散るのだろう。
早めに操舵室を見つけなければ。
ナンバーズの殆どが鎮圧された頃、クアットロは不自然な動きをするガジェットに気がついた。
「まったく…あの子たちだけではないなんて……」
呆れ、停止命令を送った。
…止まらない。
「おかしいですねぇ。ここまで壊れてるのに飛ぶなんて」
念のため映像で確認すると、一塊となって飛ぶガジェットが映った。
編隊を組んでないどころか、蛇行しながらこちらに向かってる。
「うわ〜 なんで飛べてるんですかね?」
不可解な事だが、避ければ良いと軽んじた。
予測通りこちらに飛んできて、通り過ぎ
突如翻し、クアットロに突っ込んできた。
そのまま壁に突っ込み続ける。
「…なっ、なんで」
戸惑うも、後衛とはいえ戦闘機人。一つずつガジェットを破壊する。
1つ2つと壊すと、少しずつ速度が下がっていく。
3つ4つと壊すと、また速度が下がる。そして、人間の身体が見えた。
「な!あぐっ」
先日捕らえた管理局の人間は、クアットロを殴り反転させる。
そして、クアットロで壁を削りながら、壁でクアットロの体力を削りながら飛び続ける。
「こんっの!」
クアットロは逃れようと暴れたり腕を掴もうとするも、
重心を見極めつつ可動域範囲外に移動し続ける拳をどうする事もできない。
クアットロの敗北が確定した。
あれだけ無茶して、成果は後衛1人。
ヴィヴィオを助ける事も出来ずに六課に救助される始末。
手に入れた愛機?も全壊。短い間ながらも共に死線を潜り抜けただけあって辛い……
レジアス中将は働いて罪を償う事になった。*4
これは、アルビーノさんとナカジマ三佐との話し合いの結果であり、法の裁きではない。
本人が後悔している以上、法で裁くより続投させらせる方が辛いだろう。と、進言はしたが、俺の決定ではない。
はやては、あくまでも罪を裁こうとしていたが、無理矢理止めた。
「痛いなぁ〜 足とかの古傷が疼くなぁ〜」と言って。
その場の全員からの視線が痛いどころじゃなかったけど、手段を選んでいる余裕はない。
ただでさえ、陸の戦力が薄いのだ。今回の被害+トップがいなくなったら、どうなるのか考えたくもない。
責任は最高評議会という脳みそにとってもらう事になった。厳密には、殺害されていたので、自殺として処理した形だ。
管理局全体のイメージ損失とはなるが、コラテラルダメージと思おう。キリがない。
力の恐ろしさと必要性、有用性が管理世界中に知れ渡った訳だが、どうなることやら。
管理局の明日はどっちだ。