この海でまた会おう   作:旅の提督先生職員

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 大和を改二にできないので初投稿です。
 改装設計図以外に新型高温高圧缶も必要になるとは…それ以外は揃えました。素材集めのアドバイスあったら下さい(必死)。


丘の上の生ゴミ

 

 ハァーイ皆の衆。俺ちゃんだ。

 前回、あのマヌケ(真木提督)に出撃させろと言ったのを覚えているか?俺ァもちろん覚えてる。

 だがあの野郎、実戦の前に他鎮の艦隊と演習しろだとよ!ケッ。

 手なわけで、呉鎮守府までやってきましたー。イェーイぱちぱちぱちぱちー。

 

「本日はよろしくお願いしますよ、真木提督殿。」

 

「こちらこそよろしくお願いします。」

 

「いえいえこちらこそ…」

 

「いえいえそんな…」

 

 ………

 

 ……

 

 …

 

 …………うん、キッッッツ

 呉の提督と、真木提督のご挨拶をみただけでこれである。この呉のいかにも堅物そうなガタイのいい強面野郎がニコニコしてんのがすっごい気色悪い。

 だから俺この政治家的な腹黒い世界嫌いなんだよ。表面上だけにこやかなんだけど腹ン中で何考えてっかわっかんねぇんだもん…

 

「そして、そちらがお話にありました特殊艦娘…いえ、艦息ですか。」

 

「えぇ。」

 

 おいここで話振るな面倒くせぇ。俺もう一刻も早くこの空間から出たいんだけど?

 

「…大和型戦艦一番艦、大和だ。以後、よしなに。」

 

「ご丁寧にありがとう御座います。あぁ、日元宮提督については他の元帥の方より聞いておりますので、問題無く把握しております。」

 

 そーでやんすか。なら自己紹介要らんだろはよ下がらせろ。こちとらオッサンの顔見に来たんやないんや。

 

「それでは早速、演習の方に移るとしましょう。真木提督殿はこちらへ。」

 

「承知しました。それじゃあ大和、また後で。」

 

 無言で手を挙げ了解の意を伝える。

 ………もういい?行ったよね?

 

「あ"あ"あ"あ"あ"ぁ……面倒くせぇよぉ…」

 

 そう、今回演習が行われるこの呉鎮守府、件の鎮守府の一つなんです。つまりブラック鎮守府。

 こんなクソデカ鎮守府がブラックとか世も末だろ。まぁ俺の坊ノ岬沖への出撃の足掛かりの一つとして頑張るけどさぁ…

 ちなみに今回の演習、随伴艦は全員駆逐艦です。や、正直これで充分なんよ。だってさ、ほら…うちの鎮守府、魔改造済だから…

 ここでは提督同士の顔見せに集まったため、他の艦娘の待つ待機室へ向かう。

 

「うーい、ただいm」

 

「ぽぉーいっ!!!」

「どぉーんっ!!!」

 

「ぁぐらばっ!?」

 

「ぽい!お話終わったっぽい?」

 

「ねーえー、退屈だよー。」

 

「暇でドア開けた瞬間に突っ込んで来んな魚雷娘共!!!俺以外の人間だったらどうすんだ!?」

 

「ぽい?匂いでわかるっぽい!」

 

「島風が間違えるわけないじゃん!」

 

「改二前なのに何でぽいぬが進行してんだよ…!ぜかましも感染してそうだし…!」

 

「ぽい?」

 

「ぜかましじゃなーいっ!!」

 

 ちなみにこの魚雷娘共(腰を破壊し隊)*1、一般人にやれば胴体が消し飛ぶ威力だということを理解しているのだろうか。俺も艦息でなけりゃ即死だったぜ…

 

「長官、ぽいぬ…とはなんですか?」

 

「ぽいぽい言ってる犬の様な艦娘…略してぽいぬだ。」

 

「なるほど。確かに見てると、島風さんも犬の様な…」

 

「ちーがーうー!島風は島風だもん!長官も涼月さんもひどーい!」

 

「犬が嫌ならエセウサギだぞお前。」

 

「エセウサギ!?」

 

 今回俺等横須賀鎮守府の控室として用意されたのは将官クラスをもてなすための部屋をあてがわれた。綺麗に盛られたお菓子があったんだが…さては食い散らしたな?

 

「くつろぎ過ぎだアホ二匹。行くぞ。」

 

 未だギャーギャーうるさいぜかましとぽいぽい鳴いてるわんこ駆逐艦等を引き連れ、港へ向かう。

 

 本日の演習は、

 

 

 

 横須賀鎮守府    対    呉鎮守府

 

旗艦 戦艦 大和(俺)    旗艦  航戦 扶桑

   駆逐 夕立         空母 鳳翔

   駆逐 島風         空母 翔鶴

   駆逐 涼月         軽巡 五十鈴

   駆逐 秋月         駆逐 電

   駆逐 山風         駆逐 響

 

 

 上記編成で行われる。

 演習可能ポイントは鎮守府から見えるとはいえ、近くで行った際流れ弾が怖いのである程度沖で行われる。

 そのため途中まで相手の呉艦隊と共に航行したのだが…まぁ目が死んでいること。

 

「あー…旗艦大和だ。今日はよろしく頼む。」

 

「…………えぇ…」

 

 ホントこれぐらいしか返ってこねぇのよ。10話して1お返事くれるかなーぐらいな感じ。山風でももう少し返事すんぞ…

 

「……うる、さい…」

 

「ねぇナチュラルに人の心読むの辞めてくんない?」

 

「………知らない…」

 

「おい今ちょっと間ァあったぞ。」

 

 しっかしこれは…酷いな。こっちが追加武装持ってることにも無関心だし、何もかも諦めた目をしてやがる。クォレハ闇が深そうですね〜。

 俺の追加武装は…まぁ元々刀ブン回してるからこれだろ?

 夕立はなんとナイフ…というより小太刀。逆手持ちして川内みてぇな忍者スタイルを戦闘に盛り込んできた。ステルスはしないがだいぶおっかない。特に夜戦。

 島風は手榴弾を携行。これが爆雷の様な役目も果たし、潜水艦も轟沈させる。機動力を活かして手榴弾ばら撒くため空襲と変わらん。

 涼月は俺が長門に勧めたような大盾。皆を護る意志はここにも反映されたらしい。ただ高機動だから…たまに背後から逃げ道塞いでくるんだよな。

 秋月は防空駆逐艦らしく、弾幕を張るためにSMG(短機関銃)を二丁。どちらもUZIである。リコイルや照準どうなのかって?そこは艦娘。下手な士官よりも精度は上である。

 山風はまさかの狙撃銃。昔懐かし九九式狙撃銃を使用。涼月の裏から撃ったり、一人少し離れたところから撃ってくる。基本外さないが…たまに凸スナするのは辞めて頂きたい。銃剣まで付けて確実に仕留めにかかってくる。

 どいつもこいつも色物ばっかりである。俺?初代だもん殿堂入りよ。

 

 

 

 そんなこんなで演習ポイントまで航行し、双方少し離れて真っ向から仕掛ける予定だ。

 

「長官さん、作戦タイムっぽい?」

 

「んー…じゃあ初めは集合陣。敵艦載機を確認した後散開。秋月は全部墜とせ。」

 

「はいっ!」

 

「その後飛んでくる艦載機にも注意しろ。続いて涼月を先頭、後続に島風が着き接近。機を見て敵陣形を掻き乱せ。それまで夕立と山風は俺と後方待機。」

 

「長官、向こうの扶桑さんの砲撃が予想されますが…」

 

「涼月、お前は駆逐艦だ。後ろにゃ島風もいる。だから受けるな。逸らせ。斜め上に弾ければ最高だ。」

 

「承知しました。」

 

「長官…あたし、なにもしないの?」

 

「山風は後ろからの援護射撃を期待したが…なら周りを動き続けながら射撃。お前なら砲塔狙って撃てるだろ、それで良いか?」

 

「………いい。」

 

「よし、ならば演習に移ろう。恐らく余裕だろうが、油断するなよ。」

 

 作戦会議が終わる丁度、演習開始の通信が入った。

 涼月を先頭に少し進むと、敵の偵察機と思わしき艦載機が目に入る。

 

「散開しますか?」

 

「……いや、敵艦隊目視後の爆撃時にしよう。速度そのまま。敵艦隊へ突っ込むぞ。」

 

 敵艦隊がギリギリ視認できると同時に、敵艦載機がこちらへ降下してきた。

 

「総員散開!秋月、爆薬落とされる前に墜とせ!」

 

「はいっ!」

 

 ここからは散開し、各自の戦闘に移る。

 俺と夕立は速度を緩め全体的に後方へ。涼月と島風は速度を落とさずに真っ直ぐ進む。

 

「敵、そのまま来ます!艦載機、発進急いで!」

 

「ハラショー…こいつは凄い。」

 

「あぁ…不幸だわ…」

 

 扶桑の主砲が突っ込んでくる涼月へ向けて日を吹く。

 

「涼月ちゃん!戦艦主砲!」

 

「了解しました!」

 

 扶桑の主砲を盾で受け止めるのではなく、弾き飛ばす。そうすることで駆逐艦でありながらも損傷することなく前進し続けられる。

 

「島風さん、今です!」

 

「まっかせてー、そぉれぇ!」

 

 島風が手榴弾や偽装を使い空母を執拗に狙い、艦載機を封じる。

 

「そこまでよ!」

 

「これ以上は…やらせないのです!」

 

 そんな島風を止めようと五十鈴や電が狙いを定めるぎ、元々島風が速いこともありなかなか当たらない。しかし、それでも当たってしまう攻撃は存在する。

 

「ウラー!これなら…ぐあっ!?」

 

「……それは…ダメ…」

 

 しかしそれをうちの山風が許さない。砲塔や機関部などを重巡並の距離から的確に撃ち抜く。

 だから山風の主砲が使われる時は突撃する時ぐらいになった。まぁ本人が満足そうなので良しとするが。

 俺は離れたところから手を出さず状況を眺めている。もちろんこちらを狙った砲撃は躱すが。

 

「もうそろそろっぽい?」

 

「んー…」

 

 あと少しなんだよなぁ…だからソワソワすんなお前何でそんな戦闘狂なんだよ。

 

「くっ…やられました!艦載機発着艦、困難です!」

 

 翔鶴が中破し、空母が全て中破したことでこれ以上艦載機が飛ぶことはなくなった。

 攻め時だ。

 

「夕立、行くぞ!」

 

「ぽい!」

 

「島風!山風!俺と夕立が前に出る!当てるなよ!」

 

 電信でそう吐き捨て、白兵戦へ移る。途中、まだ無事だった五十鈴と電、響から魚雷のプレゼントがあったが、跳んで避けた。

 

「そ、そんなのってアリ!?」

 

「アリだよ。」

 

 驚いてワタワタしているうちにぐんぐん接近する。夕立、扶桑の方行け。島風と山風は空母にトドメさしちまえ。

 刀を逆にして持ち五十鈴を叩く。FPSよろしく、身体に当てれば一発大破仕様の様だ。

 

「きゃっ…!」

 

「悪いな五十鈴、ゲームオーバーだ。」

 

「五十鈴さん!」

 

「電、お前もだ。」

 

「え、きゃぁあああ!?」

 

 甘いぞー。俺も艦息だぞー。そりゃ主砲もついてるぞー。刀振りぬいたからって一息つけるわけじゃないぞー。

 五十鈴を叩いたあと、すぐに電に向かって主砲を撃ち込み、大破させる。

 

「さて…後はお前か、響。」

 

「………ニェット。もう巻き返すのは無理だね…」

 

「なんだ、降参か?」

 

「…そうしたいのは山々だが、生憎それは認めてもらえないんだ。」

 

「………何?」

 

「だから撃ち込んでくれて構わないよ。だが…なるべく優しくしてくれると嬉しい。」

 

「………わかった。」

 

「…ありがとう。」

 

 響の首の後ろに手刀を落とす。俗に言う首トンだ。砲撃を撃ち込むのも斬りかかるのもはばかられたんで、響は気絶させて艤装だけをを叩いて大破状態にした。

 

「ちょーかんさーん!こっちも終わったっぽい!」

 

 夕立の声に反応して振り返ると扶桑や鳳翔さん達も全員大破まで追い込まれ、呉鎮守府艦隊は戦闘不能。我々横須賀鎮守府艦隊の勝利が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 演習終了後、扶桑達呉艦隊を曳航し、呉鎮守府に戻った。

 

 そして会議室。

 横須賀、呉それぞれの提督と、本日参加した艦娘達が帰港後すぐに集められた。故に呉艦隊は全員大破状態なのである。しかも隠そうともしねぇの。うーん、直視できねぇ。

 

「さて、それでは今回の演習の反省会を___」

 

「大淀、少し待て。」

 

「___はい。」

 

 呉の大淀さんの進行でいざ会議が始まろうという時に、呉の提督からストップがかかった。

 

「扶桑、翔鶴、鳳翔、五十鈴、電、響…テメェら、良くンな格好で面ぁ出せたな…舐めてんのか?」

 

 強面野郎は容姿の通りヤクザ気質だったようです。やはりこれは事前情報通り、兵器派の提督によるパワハラが横行するブラック鎮守府なのだろう。ならば粛清せねば___

 

「おまけに入渠すらしてねぇとは…どうゆう了見だ、あぁ?」

 

 ___おっと風向きが変わったぞ?

 呉の扶桑達も信じられない様子でポカーンとしている。その顔を見て、呉提督も何やら怪訝そうに首を傾げている。

 こうなりゃ私の出番だろう。黒い提督服に着替え、少し上からの立場でこの場を仕切る。

 

「…呉鎮守府の提督、少し良いかね?」

 

「お、おぉ…日元宮元帥…ど、どうされました?」

 

「話が変わってすまないが…まず、君にとって艦娘とは?」

 

「…艦娘とは、兵器です。」

 

「では次に、君にとって兵器とは?」

 

「我々軍人に無くてはならないものであり、自身の命を預けるものです。それ相応の扱いをすべき___」

 

「ふざけないで!」

 

 私と呉提督の質疑を扶桑が大声で遮った。

 身体を震わせ、涙を流し、怒りの表情で呉提督を睨み付けている。

 

「それ相応の扱い?貴方は一度もそんなことはしなかった!大破して轟沈寸前にならないといつも入渠させて貰えない!補給なんて無くなってからようやく貰えてもほんの少し!日々の生活もそう!必要最低限の食事!お風呂!必要な時間以外は部屋の外に出ることも許されない!そんな扱いをされて命を預けられても誰も守ろうと思わないわ!」

 

 他の艦娘も涙ぐんでいることからこれがこの鎮守府で起こっていたことなのだろう。しかしこれを聞いて呉提督は唖然としている。

 

「どうゆうことだ!?()()()()()弾薬や燃料の消費量も___」

 

「まぁ待ち給え。報告書ではとは…どうゆうことかね?君は自分の目で実際に見たりしていないのかね?」

 

「……はい。お恥ずかしながら、呉含め、()()()()()()()()()の管理を任されている身ながら中々書類仕事が終えられず…」

 

「待て、付近の鎮守府だと?」

 

「は、はい…」

 

 この辺一帯全部腐ってんの?え、本気で?どんだけ腐らせてんだ大元帥マァジで仕事しろよ…!他の元帥の爺共もよぉ…!

 どうやらこの呉提督、書類仕事が忙しすぎて艦娘と会うことすらほっとんど無かったらしい。

 

「ですので艦娘達については()()に報告書として上げさせて…」

 

「……副官、だと…?それは、どこの誰だ?」

 

「ぼ、防衛大学校を卒業し、防衛省の官僚では無く、わざわざ大本営に就職した者達です。」

 

 ………そいつらだな、諸悪の根源。

 恐らく呉以外の小規模鎮守府を掌握、辞職の報告が上がっていないことから、そこの鎮守府の提督は恐らく監禁されているのだろう。

 その説明をこの場にいる提督や艦娘達にすると、

 

「………あの野郎…随分とふてぇことしてくれやがって…」

 

 と、言う感じで呉提督がおブチ切れなさった。いや、この部屋軋むんじゃねぇかってぐらい怒気と殺気が漏れ出ていた。

 

「て、提督…その…」

 

「……いや、扶桑。それに他の艦娘も、済まなかった。俺が管理しなければならない立場でありながらまんまと踊らされていた。」

 

「…やっぱり、提督は関係無かったんだね。」

 

「ひ、響…何か知っていたのです?」

 

「うん、元帥さんも。私は元々、彼の初期艦だったんだ。」

 

「何…!?」

 

「最初から提督は私達艦娘を兵器として見ていたんだ。でも、ちゃんと道具として…良く言えば、上司と部下として、ちゃんと入渠も、補給も出来ていたんだ。」

 

「そ、そんなことが…」

 

「翔鶴達は知らないだろうね。司令官がまだ呉鎮守府の運営だけをしていた時代だったからね。だが、全てが狂い始めたのはアイツがやってきてからさ。」

 

「………響君、君の言うアイツとは…」

 

「うん、横須賀の提督でも想像がつく通り、例の副官さ。国の命令と言って、他の鎮守府の運営仕事を持ってきて、提督にその仕事をさせ、艦娘達を管理し始めたのさ。」

 

「響、大本営に抗議の連絡は…」

 

「入れられなかった。通信は監視されていた上、暁や雷が直接大本営に行ったんだ。あれから帰ってきていない。」

 

「……何年前だ。」

 

「……おおよそ5年…かな。もう、日々を耐えて生き抜くことに必死で、日付を数えることも忘れてしまったよ。」

 

 ………これ鎮守府全体はマトモなのでは?

 恐らく元帥達の危惧する兵器派の若い世代による鎮守府のブラック運営では無く、その明らかに政府の手が入ってそうな防大上がりの若造がやらかしてるくね?

 

「…真木、大本営では提督候補者にどのような教育課程を設けている?」

 

「えーっと…まず、帝国時代と変わらないレベルの厳しい上下関係を叩き込まれ、自分が何者か自覚させられて、実戦さながらの訓練で心身共に鍛え上げられる感じかな。」

 

「それ、現代だとパワハラ認定されねぇ?」

 

「まぁ…一応戦時中だからね。なりふりかまってられないのさ。でも、それが気に食わない国やマスコミがよく大本営の方針を叩くんだ。だから今の報道は基本政治家の腐敗か、大本営の悪口だね。」

 

 最悪だなこの時代。いや太平洋戦争中の帝国の情報統制も決して良いとは言えんが。

 あえて今まで触れていないが、現在の呉提督。響達艦娘に縋りついて必死に謝りまくっております。離婚される夫か。

 

「大淀、その副官を呼び出せ。軍法会議にかけるまでもなく、たたっ斬る。」

 

「日元宮元帥、そりゃあダメだよ。」

 

「真木…テメェ邪魔するたぁ___」

 

「吊し上げて艦娘達に判断を委ねないと。何しても良いよって。」

 

「___採用。やっぱお前最高だよ。」

 

 大淀ちゃん、現代って私刑とかその辺どうなん?あ駄目?まぁ…治外法権使うべ。作戦作戦。必要な犠牲です。

 

「よぅし!大淀、副官を元帥名義でここに呼び出せ!その後、全艦娘に外へ集合する様伝えろ!全員バケツを使った治療と、補給を済ませてからな!」

 

 さぁて!楽しい処刑が待ってるぞ〜!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 呉の艦娘が港へ集まり、整列している。学校の校庭にあるような朝礼台がある。これは丁度いい。

 朝礼台に上がり、艦娘を見ると誰だアイツみたいな目で見られた。そうだよね。黒い提督服とか知らなきゃただの怪しい奴だよね…

 

「あー、諸君。私は日元宮里士。最近横須賀鎮守府へ配属となった。地位は元帥である。」

 

 元帥という言葉に流石にザワついた。

 

「静粛に!まずは関係者を呼ぼう。大淀!」

 

「はいっ!」

 

 大淀を呼び、呉の提督と問題の副官を朝礼台へご案内させる。もちろん副官は…あれぇ?

 大淀は凄く申し訳無さそうな顔をした呉の提督を案内しながら、何故か十字架にかけられている副官を持ってきた。

 

「お、大淀…これは?」

 

「世界的に有名な罪人の晒し方だと本で読みましたが…?」

 

「アッウン…ンン"ッ……えー、諸君らは今まで長年に渡り、不当な扱いを受けてきたことだろう。大本営としても謝罪させて欲しい。」

 

 まずは謝罪である。オラッ呉の提督も頭下げろっ!副官はうるせぇ!黙って吊るされてろ!

 

「さて、諸君らには1つ、決めてもらいたいことがある。この副官の処罰についてだ。というのも、これまでの諸君らへの対応は全て、この副官の独断によるものである。我々大本営もこのことを深く受け止め、該当する士官は全国の鎮守府より放逐することを決めた!また、その際の処罰について、被害者全員に委ねることとする!」

 

「元帥閣下!質問、よろしいでしょうか!」

 

「どうした大淀君!」

 

「処罰を委ねるとは、具体的にはどこまで許されるのでしょうか!」

 

「良い質問だ答えよう!最終的にAWOL(行方不明)*2と報告書に書くことが決まっている!」

 

 これに再びざわざわとする艦娘達だったが、その目には困惑よりも強く仄暗い感情が読み取れた。

 

「さて、我々はこれより会議があるため席を外す。故に、気が済み次第報告に来てくれ給え。以上!」

 

 そういって呉の提督を引き連れ会議室へ戻る。アーアーキコエナーイ。悲鳴とか砲撃音とか全くキコエナーイ。

 

 会議室に戻り、副官から上げられていた虚偽報告について確認していく。正しい記録は出撃に出た艦娘達が国の為を思い、各自でつけていてくれていたためそれと見比べる。

 

「……こりゃすげぇな。まるまるねぇぞ。」

 

「こっちもだ…どれだけ中抜きされていたんだ…」

 

「……申し訳ありません…少々、席を外しても良いですか…?」

 

「あんだぁ?サボりか?」

 

「いえ、艦娘達と共に運動でも…と。」

 

「あー…うん、良いんじゃないかな。行ってらっしゃい。」

 

「申し訳ありません。失礼致します。」

 

 呉の提督も耐えられなかったのか、副官を殴りにでも行ったのだろう。まだ息があるといいが。

 

「燃料、弾薬、鋼材、ボーキ…これほどの量を一体どこに…?」

 

「売っぱらったんだろうよ。どれもこれも艦娘達が獲って来るしかねぇもんだ…内陸部で必要なところに売って、金に変えて腹ァ肥やしたんだろ。」

 

 典型的な文官タイプの横領のやり方だ。戦場に出ないからこそ、金にして市街地で豪遊する。いつの時代も悪党のやることは変わらないらしい。

 だがこれでここの艦娘達が不当な扱いを受けることはないだろう。

 

「失礼します!」

 

 気が済んだのか、呉の提督と返り血ケチャップや煤を纏った艦娘達が勢揃いで会議室にやってきた。

 

「報告します。私及び艦娘、全員で捜索に当たりましたが、発見できませんでした。」

 

「うむ。ならば大本営にはAWOLと報告しよう。彼女らとのわだかまりは解けたかな?」

 

「配属初期より従ってくれた者達によって、なんとか許しを得ました。」

 

「それは良い。では艦娘諸君、ひとまずそのケチャップや煤等を落としてきたまえ。遠慮せずにな。呉の提督は引き続き書類と格闘だ。」

 

 憑き物が落ちた様な、スッキリとした艦娘達を同じ様な顔をした呉の提督を迎え入れながら見送る。

 

「今回のことは、そんなに書類が多いのかい?」

 

「ん、響か…まぁ後始末以外にも、中抜きされた記録と正しい記録とを比べて、今の状況を正しく把握しているんだ。」

 

「ふぅん…よっぽど資材を取られていたようだね。」

 

「……すまない…」

 

「いや、もういいよ提督。おや、この書類は………ッ!?」

 

「そっちは出撃記録だな。どうせそれも改ざんされてるんだろ?」

 

「改ざんなんてもんじゃない!」

 

 響が声を荒げて否定する。顔は青く、誰が見ても焦りを感じさせる表情をしている。

 

「提督、元帥さん…これは不味い!」

 

「落ち着け響。説明をしてくれ。」

 

「あぁ…この書類にある撃墜報告だが、全くのでっち上げだ!」

 

「「「何!?」」」

 

「報告書には空母ヲ級や重巡リ級を沈めたとあるが…そんな深海棲艦を沈める戦力はない!それどころか、ここ数年()()()()()()()()()!」

 

 響の叫びと、呉鎮守府に警報が鳴り響くのは同時だった。

 

「おいおいおい…」

 

「まさか…!」

 

「て、提督!」

 

「大淀、何があった!」

 

「レーダーに反応アリ!深海棲艦の大群が呉鎮守府に向かっています!」

 

 とうとう人類の傲慢さが自身に牙を剥いたのだ。

 かつて初めて深海棲艦に出会った時以来の地上への侵攻。後に、呉大侵攻と呼ばれる深海棲艦による大侵攻の始まりである。

*1
適当に名付けた。

*2
正確にはAWOL(Absent Without Leave:無断離脱)。つまり敵前逃亡(この世界では国外へ逃亡)したものとする。





 やっぱりシリアス味がある方が筆が進むンゴ。

 ちなみにコレ書いてる途中で翔鶴が改二可能練度まで行きました(瑞鶴は既に改二甲)。試製飛行甲板がありません…!
 まいど某攻略サイトとか攻略ブログ見てて思うのが、そんな装備も艦娘もねぇよ、と。高難易度前提の編成とか辞めてクレメンス…改修もできてへんのや…

 あと皆様ご察しかもしれませんがなるべく文字数を増やして投稿しております。頑張っています。
 故に投稿頻度はガタ落ちしております。許して…ユルシテ…

 いつもご覧頂きありがとうございます。沢山の方々にお気に入りしてもらえてとても嬉しいです。
 感想、何時でもお待ちしております。
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