と言っても、話す内容は原作と同じですが、セリフの場面が違うというだけなので、お話的には原作・アニメ通りです。
【奴良リクオ】
僕は今、ネズミのあとをついて走っている。
旧鼠組の使いネズミは、カナちゃんと花開院さんが誘拐された場所を知っているという。
みんなにも知らせたかったけど、そんな時間ないし。
それに伝えたら桔梗に反対されるからね。
「ここが・・・・・・」
大きな屋敷だった。
正直、成金が建てたみたいな趣味の悪い屋敷だなと思った。
小物感が半端ない。
ここに二人がーーーーっ!?
突然、上から強い力で押さえつけられた。
一瞬見たけど、ネズミの顔をしていたから、旧鼠組の一員だろう。
僕は抵抗する間もないまま、屋敷のなかへとついれていかれた。
屋敷の中に入ると大きい空間で、こういう洋館でいうとダンスホールっていうんだっけ?そんな所で、大きな椅子に座って偉そうにしているやつの目の前に放り出された。
「お初にお目にかかります。私、旧鼠組で頭をはらせてもらってます、旧鼠と申します。お見知り置きを」
「っ、騙したな」
「手荒なことはするなと言ってあったんですがねぇ。どんなに使えない臆病者でも、奴良組の三代目ですから」
「二人を返せ」
旧鼠が手を挙げると、奴の後ろのカーテンが開き、巨大な檻が出てきた。
その中に、気絶した二人がいた。
「カナちゃん!花開院さん!」
駆け寄ろうとすると、思いっきり腹を殴られた。
一瞬息が止まり、足に力が入らなくなる。
「まぁまぁ、落ち着いて。話を聞いてくださいよ」
「っ・・・・・・」
正直聞きたくもない。
けど、旧鼠は聞くことが当然だっていう態度だし、これ以上抵抗すると二人にが何かされるかもしれない。
今はできるだけおとなしくして、二人を助けなきゃ。
「あなたの率いる古い妖怪じゃ、これからは生き残れない。三代目を継がないと宣言してもらいます」
「そしたら二人を返してくれるんだね?」
「今夜中に全国の大主に回状を回してもらいます。その約束が守れない場合は、夜明けとともに、この娘たちには死んでもらいますけどね」
その言葉を最後に、僕は屋敷の外へ放り出された。
反論も、何も言う暇はなかった。
僕一人では何もできない。
そう、突きつけられているような気がした。
※※※※※※※※※※
「いててて」
痛みに疼く腹を押さえながら家に向かって歩いた。
妖怪の力で思いっきり殴られたから結構痛かった。もう痛みは引いてきたけど、歩いていると少し痛い。
それにしても、旧鼠組の奴らが見張っているような気配はない。
完全に舐められているね。
ガサガサッ
ドサッ
「うわっ!何?」
いきなり茂みから誰かが倒れてきた。
普通の人間とは違う。頭に猫耳があるし・・・・・よくできたコスプレじゃなければ確実に妖怪だ。
「君、大丈夫?」
「っ・・・・・・若?」
「そうだけど、君は?」
猫の耳に鉢巻。もしかして、この妖怪は・・・・・・。
「酷い怪我。とりあえず屋敷に」
どこからか、追ってくるような足音が聞こえた。
慌てて二人で茂みの中に隠れると、ネズミと思われる奴らが通り過ぎていった。
僕を追ってきたわけでななさそうなので、きっとこの人を追ってきたのだろう。
「おいらは、総大将より一番街を預からせていただいています、化け猫組当主、良太猫と申します」
「やっぱり・・・・・・。怪我してるんだから、あんまり喋っちゃダメだよ。屋敷はもうすぐだから、一緒にいこう」
「若・・・・・・面目ねぇ」
良太猫に肩をかし、屋敷に向かって歩く。
屋敷はすぐに見えてきた。
入り口には誰もいないが、呼べばすぐに誰かきてくれるだろう。
「おい、誰か!早く来て!」
良太猫は悔しそうにずっと俯いていた。
僕はそれに、言葉を返すことができなかった。
※※※※※※※※※※
「お帰りなさい。リクオ」
良太猫の治療が終わり、横に座っていると、桔梗が静かにやってきた。
「桔梗・・・・・・怒ってる?」
逆光で表情がよく見えないが、怒っていることはなんとなくわかった。
「旧鼠に、三代目を継ぐなとでも言われましたか」
「さすがだね。その通りだよ。今夜中に回状を回して宣言しないと、夜明けと同時に二人を殺すって」
「んな!なりませんぞリクオ様!回状を回すなど、破門と同じ!」
いつの間にか、烏天狗とじいちゃんが来ていた。
「リクオよ。今回のこと、最後までお前が落とし前をつけなきゃならねぇ」
「お待ちください、総大将」
「良太猫!」
良太猫は傷だらけの体を起こし、じいちゃんに頭を下げた。
「今回のこと、この良太猫の不甲斐なさが招いた結果。落とし前は、この良太猫がつけさせてもらいます」
良太猫はフラフラと立ち上がり、外へ向かおうとする。
「良太猫!」
「若。一番街にはいろんな噂が入ってきます。若が人間の中で生活して、人間寄りの考えを持っているってことも知っています。わしらのやっていることは、若から見れば悪く見えることもござんしょう。ですが、わしらには規律がある。奴良組の代紋に傷がつかぬよう、納めてまいりました。だが、奴らは違う」
良太猫はふらつき、障子に掴まって荒い息を整えようとしている。
「やめるんだ良太猫!その怪我で何ができるんだ!」
「・・・・・・若。妖怪には、負けると分かっていてもやらなきゃならねぇ時がありまーーーーガッ」
良太猫は最後までセリフを言う前に吹っ飛ばされた。
金属バットを持った桔梗によって。
「りょ、良太猫ーーっ!」
良太猫は庭にうつ伏せに倒れたまま動かない。
僕の叫びに慌てて駆け付けた首無したちが起こすと、意識はあるようだがひどく混乱しているようだ。
「へ?おいら、なんで、殴られ?」
「全く、良太猫も烏天狗も、早とちりしすぎです」
「へ?」
「桔梗様?」
桔梗は金属バットを肩に担いだ。
「誰も回状を回すとも、旧鼠組に乗り込まないとも言ってないでしょう」
「・・・・・・ん?」
首無は苦笑いで良太猫の身体を起こし、服についた土を払ってやっていた。
「全く、なんてザマだよ良太猫。これから久々の出入りだっていうのに」
「出入りって・・・・・・若?」
「うん。旧鼠組のアジトが分からなかったし、二人がどこに囚われているか分からない状態で乗り込むのは、二人の身に危険が及ぶ。どうしようか考えていた時に、旧鼠組の使いが僕を誘い出したから乗ってみた。まさかアジト本体に二人を捕らえているとは思わなかったけど、こっちとしては好都合だよ」
確かに、今の僕にあいつらをなんとかする力はない。
だからね、良太猫。
「その大義、俺が代わりに果たしてやる」
「あ、あなた様は」
「夜明けまでのネズミ狩りだ」
※※※※※※※※※※
「ところで桔梗」
「なんですか?」
「その金属バットはどこから持ってきた」
「お仕置き用に探していたら、青田坊の部屋で見つけました」
「「「「青田坊・・・・・・」」」」
「ひっ!すいやせんでした!」
桔梗の手料理はお仕置きになりません。
なぜかというと、本人は料理が下手だとは思ってないからね!
むしろご褒美にでてくるかもね。
金属バットでなにするつもりっだっだのかねぇ。
出入りのためお仕置きは中止になりました。
※猫耳=コスプレ
リクオはだいぶ現代に溶け込んでいる模様。
※哀れ良太猫
桔梗のお仕置き第一号に。そして最後。
※腹黒リクオ
回状は回しません。回す気もありません。
※ヤンキー倉田くん
金属バットは必須アイテムかと。