太陽が西に少しずつ近づいている頃、僕は買い物した袋を持ってとある神社に向かっていた。
○○「今日も疲れたな……。さて、後はこの階段を登るだけだな。」
僕はかなり長い階段を登り始めた。こういう時こそ車があればいいのだが、この世界にはそういうものが無い。
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僕が辿り着いた場所は博麗神社。幻想郷の中心地と呼ばれている場所だ。幻想郷とは僕が住んでいた世界と異なった未知なる異世界であり、僕はここでは外来人と呼ばれている。そしてこの神社に住んでいるのが…、
○○「ただいま、霊夢」
霊夢「あら、帰ってきたのね。おかえり、○○」
この神社の主である紅白の巫女、博麗霊夢。彼女は僕がこの幻想郷に迷ってしまい、妖怪に襲われていたところを助けてくれた命の恩人だ。現在僕はここで住まわせてもらっており、お世話になっている。
霊夢は箒で掃除している手を止めて、僕に近づいた。
霊夢「それで、メモ通りに買ってきてくれたの?」
○○「ああ、勿論だよ。買い忘れがないか随時確認したからね。」
霊夢「よかったわ。もし忘れてたら心配だったから…。」
○○「揶揄わないでくれよ。このくらいなら出来るから…。というかそもそも霊夢みたいに妖怪退治なんて普通の人間の僕じゃ出来ないよ…」
霊夢「冗談よ、貴方の事は分かってるから。」
霊夢はくすくすと笑いながら、箒を持って倉庫まで行った。そして軽く背伸びをして神社の中へと入って行った。僕も霊夢についていって同じく神社の中に入った。
霊夢「じゃあ今日はちょっと早いけど晩御飯にしましょう。貴方もその荷物をこの机に置いて手伝いなさい。」
○○「今日はって、いつもこの時間帯じゃないか。」
霊夢「私はお腹が空いてるのよ。いいから手伝いなさい。」
○○「はいはい。」
僕は少しもたつきながら荷物をおいて霊夢と一緒に夕飯の準備をし始めた。
ちなみに僕はただ居座っているわけではなく、人里という人間が安心して暮らせる場所へ軽い仕事をしている。実は現代に帰れる方法があり、帰るには博麗神社の博麗大結界の境目という所を辿れば幻想入りした場所に戻れるという。ただそれには条件があり、帰還用の資金を霊夢に渡さないといけないのだ。そしてそのノルマは霊夢からは30万円以上ないと出来ないと言われている。現在僕は約10万円しか貯めておらず、半分もいってない。まあ幻想郷の人達はみんな優しいのでずっとここにいてもいいのだが、元いた場所に戻らないと家族や友人達が心配するから帰らないといけない。だからこうして資金を貯めているのだ。
因みにだが霊夢は帰りが遅い時、たまに僕に人里の女性に会って一緒にお茶してるのかと問い詰められたことがあるが、そんなやましい事はしてないよと言った。と霊夢は威圧な笑顔で「巫女に嘘は御法度だからね?」と言ってウインクをした。霊夢に嘘はついてはいけないらしいな、こりゃ。(笑)
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○○「それじゃ行ってくるね。夕方になったら帰ってくるから。」
霊夢「行ってらっしゃい、気をつけてね。」
私は○○を笑顔で見送った。彼と一緒にいられないのは少々辛いが、その分イチャつけるからいい。
霊夢「さて、私は賽銭箱の確認でもしましょうか……。」
私は腕を鳴らして賽銭箱の所へと行って箱を開けた。うん…、今日も入ってるわね♪
○○は賽銭箱に補助金として毎日入れてくれている。当初○○がここ幻想郷に迷い込んだ時に賽銭箱にお金を数回入れてくれたので○○にはとても感謝してくれている。私はそんな○○が大好きなのだ。
私は賽銭箱の確認をした後、倉庫にある箒を取りに行こうとした。と、その時、
紫「はーい霊夢、お邪魔するわよ♪」
霊夢「……………」
見慣れたスキマが開き、中から紫が現れた。いつもの如く私を揶揄いに来たんだろう。そんな紫に対して私は眉間にしわを寄せた。
紫「ちょっと、久々なのにその対応酷くないかしら?」
霊夢「……別に私はアンタに来てほしいとは思ってないわよ。というか寧ろ迷惑なんだけど」
紫「……相変わらず塩対応ね。彼が来てから、より私を邪魔者扱いしてるわね…。全く…」
紫はため息をついて、辛辣な顔を私に見せる。ため息をつきたいのはこっちよ。毎回私と○○の仲を邪魔しないでほしいわね…。
霊夢「…一体何の用なのよ。賽銭入れないなら帰ってくれるかしら。」
紫「霊夢、今日は貴方に一つ言いたいことがあるの。○○の事よ。」
霊夢「……何よ。」
紫「単刀直入に言うわね。
霊夢、いい加減○○を現代に帰しなさい。」
霊夢「……は?」
突然の事に私は固まった。冗談かと思ってはいたが、紫の顔を見ると真剣な顔になっている。
霊夢「ちょ、ちょっと待ってよ紫。言ってる意味が分かんないんだけど。」
紫「霊夢、現代への帰還用の資金は5万円よ。だからその条件に達してる○○はもう現代に変えれるの。早く彼を帰しなさい。」
は?○○を現代に帰す?せっかく仲良くなったのに?
霊夢「嫌よ!何で○○が現代に帰らなきゃいけないのよ!アンタまさか私と○○の仲を……!!」
紫「落ち着きなさい霊夢。別に私は貴方を彼から引きはがそうとはしていないの。でもね、彼は外来人であって博麗家の関係者じゃないのよ。」
霊夢「そんなん関係ないわよ!彼は私と……!」
紫「霊夢、忘れたの?博麗神社は幻想郷の結界を抑える役割を持つ人物しか住めない神社なの。でも一般の人間の○○はここにいてはならない、ましてや彼はこの世界の住人ではないのよ。」
霊夢「……………」
私はただ黙った。確かに紫の言うとおり、私の歴代は一般の人間をここへ数カ月泊めてはならないという決まりがある。特に外の世界から来た一般の人間は博麗神社に住み込むと異世界からの異質が博麗大結界に混じってヒビが入って幻想郷が崩壊する恐れがあるのだ。でもそんなの知った事か…!○○とやっと仲良くなったのに…!
紫「霊夢、○○に本当の事を教えてあげなさい。でないといずれ大変なことになるわよ。」
霊夢「………出ていけ。」
紫「霊夢、まだ話は」
霊夢「出ていけ!」
紫「………」
そういうと私は胸から護身用のお札を持って紫に投げようと構える。紫は少し驚くが直ぐに落ち着きを取り戻し、少し悲しそうな顔をしながら、中に入ってスキマを閉じた。私はお札を持ったまま、ただじっと紫が開いていたスキマの場所を睨んでいた。
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ここは人里。さっきも言ったが人間が安心して暮らせる場所であり、文字通り殆どが人間の集いとなっている。妖怪や妖精などもいるらしいが、それらは人間を襲う事はなく、寧ろ商売人やお客としてふるまっているのだ。僕はそこで荷物運び屋として働いており、大将やお客からは信頼されている。
○○「さてと、少し一休みしてもうひと頑張りするかな……」
僕は肩慣らしをして、休憩場所の椅子に座った。そばに置いていたお茶を飲んでいると、目の前にスキマが開き、豪華な服を着た女の人が現れた。
紫「ごきげんよう、○○」
○○「貴方は……確か八雲紫さん………」
この人は八雲紫さん。幻想郷の創立者で管理人であるスキマ妖怪だ。妖怪…であるが、襲う事はない。外の世界から来た僕を守ってくれたのもこの人だ。なのでこの人も命の恩人である。
紫「幻想郷の暮らしは慣れたかしら?」
○○「ええ、そうですね。それにしても幻想郷に住んでる皆さんはとても優しい人達ですね。余所者の僕を招き入れて、人里や紅魔館、永遠亭の人達も。そして勿論、霊夢も……」
紫「そう……」
と、紫さんは何か深刻そうな顔をして僕を見つめる。
○○「あの………どうしました?元気が無さそうですけど………」
紫「○○……、実は貴方に伝えないといけない事があるの………」
○○「え?」
真面目な話だと思い、僕は持ってたお茶を机に置いて姿勢を正して聞いた。
紫「○○、貴方を現代に帰れる事を知らせに来たのよ……」
○○「え………?帰れるって、もう帰還用の資金の必要な額は達していたんですか…?」
紫「ええ、そうよ…」
○○「でもまだ僕は10万円しか……、確か霊夢が言ってたのは30万円以上だと……」
紫「違うわ……、本当の必要な額は5万円よ…」
○○「え……」
僕は思わず言葉を失った。言われてみれば…確かに以前紫さんから帰還用の資金はそんなに高くはないと聞いていたことがある。少なくとも3カ月で働けば稼げる額だと言っていた。紫さんの言うとおり、5万円なのが妥当だろう。なのに霊夢が言っていたのは5万円ではなく30万円、つまり霊夢は今まで僕に嘘をついたことになる。
○○「霊夢は……どうして僕に嘘を……」
紫「恐らくは…貴方と離れたくないからよ……。霊夢は貴方に依存してる…、下手をすれば貴方を閉じ込める気だと思うわ…」
○○「そんな………」
紫「霊夢に貴方から伝えてもらえないかしら…?私も説得はしたけど追い返されたから………。でも○○なら霊夢も言う事聞いてくれると思うわ……」
そういうと紫さんは、スキマを閉じた。僕はただ黙っていただけだった。
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その日の夜、僕は霊夢といつものように談話しながら夕飯を食べていた。だが、心の中では今日の昼に紫さんが言ってた事が気になっている。まあ……言った方が身も軽くなるだろうな……。
僕は覚悟を決めて霊夢に聞いてみる事にした。
○○「霊夢、話があるんだ……」
霊夢「何?○○」
霊夢はご飯を食べてる最中の手を止めて、僕を見た。
○○「霊夢、正直に話してくれないか?現代に帰れる帰還資金は本当に30万円なのかい………?」
霊夢「何よ改まって。帰還用の資金は30万円よ?あら、もしかして伸ばしてほしいの?」
霊夢はニヤニヤしながら僕に聞いた。やっぱり紫さんの言ってた通り……なのだろうか……。
○○「実は……今日紫さんに話を聞いたんだ……。本当の帰還資金は5万円って……」
霊夢「………」
僕がそう言った途端、霊夢は急に暗い顔になった。ちょっと驚いたが僕は続けて言った。
○○「正直に答えてくれ。本当は5万円でいいのか?」
霊夢「……ええ…、そうよ……」
霊夢は少し時間をおいてそう言った。その表情はさらに暗い顔になっていた。僕は信じられないと思い、更に続けて言った。
○○「霊夢、どうして…どうして僕に嘘をついたんだ……。巫女の嘘は御法度って言ってたじゃないか……」
霊夢「……そんなの決まってるじゃない…」
そう言うと霊夢は僕にまるで酔ってるかのように近づいた。何をする気だ…?
霊夢「貴方が……好きだからよ!!」
○○「ちょっ、霊夢?!うわあ!」
と僕は霊夢に押し倒された。少しの間気絶していたが、改めて霊夢を見ると霊夢の瞳は暗くなっており、僕を逃がさない様な獣の顔になっていた。
○○「れ、霊夢…一体何を……」
霊夢「○○、私は貴方が好きなの…!」
○○「え……」
霊夢「私ね……、今まで異性の事はあまり興味なんてなかったのよ…。お金や食事の事しか考えがなくて、香霖堂の霖之助さんや人里の男性はスルーしてた。でも貴方はそんな私の性格を気に入ってくれて……、しかも賽銭箱に補助金として毎日入れてくれて……とても嬉しかった…!」
○○「………」
霊夢「そんな○○にどうしても私の気持ちが抑えられなかったの……。だから……責任取りなさいよ……!」
○○「せ…責任って……何を…むぐっ?!」
と、霊夢は突然僕にキスをして霊夢の口から何かを僕の口の中に移した。
○○「れ…霊夢……一体何を……飲ま…せ……」
その瞬間、視界が歪み眩暈が襲った。僕はそれに耐えられず、その場で倒れて意識は途切れていった……。
霊夢「ごめんね○○。貴方と永遠に暮らすにはこうするしかなかったの。こんな事したくはなかったけど貴方は現代に帰りたがってた…。だから……、
二度トソウ思ワナイヨウニシテアゲルワネ?」ニコッ
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昼下がりの博麗神社。そこにはこの神社の巫女、博麗霊夢とその親友で普通の魔法使いである霧雨魔理沙が○○の事で話していた。
魔理沙「そうか……、○○の奴…現代に帰っちまったのか……」
霊夢「ええ、紫が決めた事だから仕方ないわ。彼と私はそれぞれ住むところが違うもの……」
魔理沙「でも霊夢、お前○○の事好きだったんだろ?告らなかったのか?」
霊夢「告るタイミングを失ったわ…。彼はいつも賽銭箱に入れてくれたし、ご飯の買い出しもやってくれたけど…○○よりそっちの方が目に入ってたのが多かったわね……。」
魔理沙「まあ、霊夢はお金と食事にはがめついからなー。そりゃそうかー」ハハハ
霊夢「……魔理沙、後で一発やらないかしら?」
魔理沙「か、勘弁してくれだぜ……。じゃあな~」
お祓い棒を持って霊夢は笑顔になっているが、その雰囲気は殺気に満ちていた。魔理沙は身の危険を感じ、隣に置いてた箒を跨いで、大慌てでその場を後にした。
霊夢は小さなため息をついて神社の中へと入って行った。と、その途中にスキマが開き、紫が現れた。
霊夢「何?紫。今日は何しに来たのよ?」
霊夢は少し険しそうな顔をしながら紫に話しかけた。紫は曇った表情で霊夢に問いただす。
紫「霊夢…、貴方自分が何をしたか分かっているの…?」
霊夢「……アンタには関係ないでしょ。これは私と○○が決めた事だから」
紫「………」
霊夢「用が無いなら帰ってよ。退治するわよ」
そういうと霊夢はお祓い棒を拾って、再び紫に殺気を見せつける。紫は悲しげな顔をしながらスキマを引っ込めた。
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ここは幻想郷の異次元の場所・マヨヒガ、八雲紫が暮らしている屋敷である。紫は先程○○に行った霊夢の行動を思い返していた。と、別のスキマから紫の式である八雲藍が現れて紫に話しかけた。
藍「紫様、霊夢が○○を閉じ込めた場所を発見しましたが………」
紫「……○○はどうなっているの……?」
藍「博麗結界で封印されてる状態です。最大級の妖怪でないと救出は不可能かと………」
紫「そう……」
霊夢が○○に行った行動、それは○○を閉じ込める事だった。その場所は幻想郷とはまた違うかけ離れた場所の博麗結界。霊夢しか入ることができない特別な場所だ。普通の妖怪や人間だと入れば燃えて消滅してしまうという危険な場所であり、大妖怪の八雲紫でさえも近づけない場所である。○○は普通の人間なのだが、実は先程霊夢が口づけで先程飲ませたのは睡眠薬なのだが、その中に大妖怪の血筋を加えていたのだ。その結果、○○は大妖怪の血を引くことになり、博麗結界の中へと原型が崩れずにそのままになって封印された。
紫(ごめんなさい○○。貴方にもっと早く伝えておけばこんな事には………)
紫は屋敷に保管している観賞用のスキマに映っている霊夢に封印された○○を心から謝罪しながら見守っていた……。
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博麗結界、そこに閉じ込めている○○の所へと私は足を踏み入れた。○○はすっかりしおれているが、それはどうだっていい。これからも私は○○を独り占めできるのだ。
霊夢「ただいま○○」
○○「れ………いむ……」
霊夢「ふふふ、寂しかったわよね。でももう大丈夫よ。今からいっぱい愛シテアゲル」
私は○○を力いっぱい抱きしめた。もう離さない。○○は私のものだ。
初めて投稿したがこれでいいかな?って思う自分がいてます。