東方異狂天   作:青緑んご

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東風谷早苗って学生みたいなイメージ。


追って来た転校生(東風谷早苗)

 いつもと変わらない学校生活。俺はぼーっとしながら窓の外を見つめる。いい天気だな…。

 

 

「今日転校生が来るみたいよー」

「えーそうなのー?」

 

 

 俺の後ろで女子グループが転校生の事で盛り上がっている。何のたわいも無い普通の話だが俺にとっては身震いがする。マジでうるせぇ…。俺はちょっとだけ耳を抑えた。

 

 

〇〇(しかし…転校生なんて、今頃珍しいな…)

 

 

 俺が通ってる〇〇高校はちょっと田舎って形の場所である。強いていえばこの学校は法人である。宗教や法律にも厳しいこんな田舎学校に誰が転校するんだろうか。俺も転校したいよ…。

 心の中でぼやいていると、横に座っていた××が俺に話しかける。

 

 

××「どんな子かな…女の子がいいなー。お前はどっちが良いんだ?」

〇〇「別に…俺はどうだっていいかな…」

 

 

 正直言うと俺は男の子がいい。別にホモではなく、女の子が苦手なのだ。過去に色々あったからだ。その為、さっきの女子グループの会話の声を聞くのが辛くて耳を塞いでいた。

 

 

××「相変わらずだなお前ー。もっと異性に興味湧けよー。」

〇〇「へいへい…」

 

 

 わちゃわちゃと××が構ってくる事に対し、俺は適当に返した。

 ××と話し込んでると先生がいつの間にか教室に入ってきた。俺を含めみんなは席に着いた。

 

 

教師「よし、みんな席に着いたな。じゃあ転校生を紹介するぞー。じゃあ、どうぞ。」

 

 

 先生がそういうと、緑髪が特徴の可愛らしい転校生が教室に入ってきた。どうやら女の子らしい。うわ…マジかよ…最悪だ…。××は転校生が女の子と分かってウキウキしている。お前はいいよな、ホント……。

 俺は愕然として改めて女の子の顔をふと見ると何処かで見たことがある顔だった。

 

 

○○(ん?こいつ何処かで………)

 

 

 俺が転校生の顔を見て思い出そうとしていると、次の転校生の言葉と声で一気に俺の衝撃が走った。

 

 

 

 

 

 

早苗「初めまして!今日からこの学校に通う事になりました。東風谷早苗といいます!よろしくお願いします!」

 

 

 

 

〇〇「え…!?」

 

 

 俺は目を見開いて思わず声を出して立ち上がってしまった。その声に反応したのかみんなが俺に顔を向いた。

 

 

教師「…どうした?〇〇。突然大声を出して。」

〇〇「あ…いえ…何でもないです…」

 

 

 俺は恥ずかしめにそっぽを向いて座った。するとその様子を見た早苗はずっと俺の顔に向かって、

 

 

早苗「…」ニコッ

 

 

〇〇「うっ…」ビクッ

 

 

 笑顔で俺を見つめた。やはり俺の事を覚えてるらしい。俺の背筋が凍り、心臓がバクバクし始めた。どういう事なんだよ…。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 数ヶ月前、実は俺は幻想郷という異世界に迷い込んだのだ。ある日、釣りをしている最中、一休みして昼寝をしている間に謎の次元に吸い込まれ、気が付くとその幻想郷に迷い込んでしまったのだ。訳がわからず混乱しているとその道中で東風谷早苗に出会った。彼女は妖怪の山という所にある守矢神社の巫女で、妖怪退治を行っているらしい。

 俺はその早苗にお世話になって貰い、守矢神社でご厄介になったのだ。そこで暮らしてる神様と呼ばれている八坂神奈子さんや洩矢諏訪子さん、そして先ほど言った東風谷早苗と数ヶ月仲良くなったが、日に日につれて早苗が異常な程に俺の事を愛してくるのだ。俺が1人で出かけているときも勝手についてくるし、布団で寝ている時も中に入ってくるのだ。これはやばいと思い、早苗に気付かれないように守矢神社から、幻想郷から脱出する為、逃げる準備をした。神奈子さんや諏訪子さんもこの事には賛同してくれてここから現代に戻れるように協力してくれた。

 そして幻想郷から現代に戻れる唯一の道である博麗神社に辿り着き、そこの博麗霊夢という名前の巫女さんに事情を聞いてもらった。その途中から早苗が物凄い血相で追いかけて来て捕まりそうになったが、博麗の巫女さんが抑えてくれて何とか逃げ切れた。そして俺は無事に現代に帰って来れたのだ。その早苗が何で…。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 帰り道の夕方、俺は部活終わりに重い足取りで帰路を歩いた。早苗がここに来ている事に恐怖感が増し、今日の部活も調子が悪かった。

 

 

〇〇(俺を追いかけて来たんだな……しかしどうやってここが………)

 

 

 実は幻想郷から帰って来た後、元いた場所から引っ越しをしている。また同じ様に次元に吸い込まれたら今度は二度と戻ってこれない可能性があるので、誰にも知らせずにあまり近寄らない場所へと引っ越しをした。ちなみに俺は幼いながら1人暮らしをしている。

 

 

 

××「おい〇〇」

 

〇〇「うわっ?!」

 

 

 突然後ろから誰かに話しかけられ、俺はつい大声を出してしまった。少し間をおいて恐る恐る振り向くと××だった。

 

 

××「何でそんなにビビるんだよ。俺だよ。」

〇〇「ああ、びっくりした……、お前か………。」

 

 

 俺は安堵の表情を浮かべてため息をつく。××は心配そうな顔をして俺に言った。

 

 

××「なあ…お前、今日の転校生知ってるのか……?」

〇〇「………いや……知らない……。」

××「知らないって……そんな訳ねぇだろ。お前今日一日中ずっと落ち着かない顔してたぞ。あの転校生と過去に何かあったのか………?」

〇〇「本当に知らないんだって、じゃあな………!」

××「あ、おい!」

 

 

 そう言いながら俺は逃げるように立ち去った。これ以上言うと××にも被害が及ぶからだ。実際幻想郷にいた時に俺が関わった人物も早苗によって消されている。

 

 

××「何だよアイツ………」

 

 

 

 

 

 

早苗「………」ギリギリ

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 その日の夜、俺は布団の中で考え込んでいた。スマホで次の引っ越し場所を探している。

 

 

〇〇(もう一回引っ越しした方がいいか?いや…海外逃亡の方が………)

 

 

 ただ逃げようとしても早苗の事だ、すぐに見つかってしまうだろう。いっそ整形して何処かに隠居するか……?

 と、その時だった。

 

 

ガチャッ

 

 

 玄関のドアを開けた音がした。え、俺鍵をかけたはずだよな……。それに合鍵なんて作ってなくて誰にも渡していないし……。

 しばらくして俺の寝ている部屋に誰かが入ってきた。足音からして女性のようだった。俺は息を殺してそっと布団から顔を出す。

 

 

 

 

早苗「うふふ、やっと見つけましたよぉ。〇〇さん」

 

 

 この一声で俺は一気に恐怖が増した。早苗がいた………。

 

 

〇〇「さ…早苗…!」

早苗「ふふふ、私の事覚えてくれたんですねぇ。これも奇跡の力ですね。」

 

 

 早苗は満面の笑みで俺を見る。その顔は笑ってはいるが目は透き通るようなドス黒い目だった。

 

 

〇〇「お前…どうやってここに……、何故ここが分かった………」

早苗「ずっと好きだったからですよぉ。だから〇〇さんの事も初めから居場所も分かってたんです。○○さんが幻想郷から逃げ出そうとして私が霊夢さんと争っていた時、一瞬の隙をついて○○さんの背中に見えないお札を貼ったんですよぉ。」

○○「え……」

 

 

 と、早苗がその『見えないお札』と言った瞬間、俺の背中に何やらムズムズする感覚があった。恐る恐るそれを取り出そうとすると見覚えのないお札があった。名前には『守矢』と書かれていた。

 

 

〇〇「ヒィ………!!」

早苗「ウフフ……、そのお札は位置情報が分かるお札です。だからずっと○○さんを監視してたんですぅ」

○○「やめろ……!来るな……!」

 

 

 じりじりと近づく早苗に対し、俺は一目散に後ろの窓を開けて飛び出そうとした。が、窓を開ける前に驚愕した。

 

 

〇〇「な…景色が……変わってる………!何だこれ……!」

 

 

 普段見慣れている筈の近所の景色がいつの間にか何処かで見たような田舎の山に変わっていた。ここってまさか…

 

 

早苗「ふふふ、〇〇さんの家を守矢神社に全部移植したんですよ。本当は○○さんを直ぐに連れ戻すつもりだったんですけど、また逃げられる可能性があるので、時間がかかりましたけど○○さんの家をここに移動させる奇跡を使いましたぁ。そして○○さんは今日から守矢神社の家族になりました。良かったですねぇ♪」

〇〇「ふざけんな!元に戻せよ!」

 

 

 俺は怒りに任せて早苗に突っかかるが直ぐに返されてしまい、床に倒れてしまった。

 

 

早苗「無駄ですよぉ、現人神の私に勝てると思っていますかぁー?」

〇〇「ぐ……」

 

 

 早苗は俺に覆い被さり、笑顔を絶やさず俺をジッと見つめた。

 

 

早苗「さあ〇〇さん。今から私と愛の巣を作りましょうねぇ♪」

 

 

 早苗はそう言うと、俺の首筋を舐め始めた。なんてこった…俺はまたコイツに縛られるのか……。俺は恐怖のあまり意識を失った………。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

××「………」

 

 

 

 ××は〇〇の家に来ていた。だが、それは別に遊びに来た訳ではなく、〇〇が突然消えた理由を突き止めに来たのだ。数日前から○○が行方不明になり、××は疑問を持ち始めた。○○の両親や先生、生徒達にも尋ねるがなんと皆はそんな男は知らないと言うのだ。それはおかしいと抗議するが、後々調べると○○の存在自体がなくなっている事が分かった。

 

 

××「どうなってんだよ……俺がおかしいのか………」

 

 

 ××は訳が分からず混乱し、渋々帰っていった。その姿をとある女性が××をジッと見ている事を気づかずに………。




奇跡とは。
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