この素晴らしいダンジョンにカズマさんを!   作:ぽーぴー

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どうしてもあの人を出したかったんです。

後付け?……ち、違います。


この優しい息子に母の願いを!

何だかんだと無事にホームに舞い戻り、ベルをベッドに寝かせて、俺もソファで寝ようかなって準備してたところにヘスティアが。

 

「じゃ、ステイタスの更新をしようか」

 

なんてふざけた事を…いや待てよ?ステータス更新って事は……つまり俺の上に……なるほどな。

 

そこまで思考を巡らせて俺は即座に『眠りたいんだが』と飛び出しそうになる口を咄嗟に閉じて。

 

「お願いします」

 

と即答を……。

 

「………………」

 

自分で誘っといて何故か無言のヘスティア様。

 

……どうしたのだろうか?体調でも悪いのだろうか?

 

もしかして風邪でも引いたのだろうか?だとすると大変だ。

 

拗らせて肺炎にでもなったら目も当てられない。

 

ここは一緒に寝る事で互いを温め合う合理的な民間療法を提案してみるべきだろうか?

 

……よし、一度ステータス更新を催促してみよう。

 

それで体調が悪いのだったら添い寝の提案をしよう。

 

俺はあくまで、主神が心配なだけであって、下心とかは欠片もない。

 

……本当ですよ?

 

「どうした?ステータスの更新早くして下さいよヘスティア様」

 

「い、いや…あの時はカズマ君の事よく分かってなかったし、家族として信用なんたらが嘘判定に引っかからなかったから普通に背中に跨ってたけど……正直君、ボクと密着したいだけだよね?」

 

……………………………。

 

「違うよ、そんなわけ無いよ」

 

「はいダウトだぁ!!神に嘘は通じないぜカズマ君っ!!」

 

「うるさいぞ歩く嘘発見器」

 

「歩く嘘発見器っ!?そんなの言われたの初めてだよ!!」

 

「おっ!マジか!女神様の初めて頂いちゃいましたね!!」

 

「その言い方はやめろぉ!ボクは三大処女神なんだぞ!?アルテミス辺りに聞かれたらどうなることか……!!」

 

「アルテミスって誰だ?……いや待て、三大処女神って事は……そのアルテミスって神様も処女神って事か!夢が広がるな!!」

 

「君とアルテミスは死ぬほど相性悪いだろうから会わせないからね!?弓で撃ち抜かれて終わりだよ!!」

 

「…ヘスティア、そういうのなんて言うか知ってるか?…フラグ……って言うんだぜ?」

 

「むぐっ!?た、確かに……!君の厄介事吸引センサーからすると今のボクの発言は確実にフラグに……!な、なあカズマ君?アルテミスはね?本っっっ当に潔癖な処女神だからね?セクハラでもかまそうものなら確実に射抜かれるからね?やらないでね?」

 

ほう…潔癖な処女神様か……悪くないな……。

 

「出来る限り頑張るよ」

 

「頼むぞっ!?自分の子供が神友にセクハラして天に召されるなんてボクは絶対嫌だからね!?」  

 

「んっ………ふわぁ…………」

 

やかましく騒ぎ立てる三代何たらの声が聞こえたのだろう。

 

ベルが目を覚ましたらしい

 

「……あれ、神様?カズマ?どうしたんですか?また喧嘩でもしてるんですか?」

 

俺は起き抜けで状況がよく分かっていないだろうベルに、今何が起きているのかとても分かりやすく簡潔に伝えた。

 

「おはようさんベル。安心しな、別に喧嘩なんてしてないからな。ただヘスティアの初めてを貰っちまっただけさ。それで処女神がどうたらとか喚き散らしてるだけだ」

 

「!?」

 

ありのままさっき起こった事を話してやると、寝ぼけまなこでぼーとしていたベルの顔が、言葉の意味を理解するにつれてサーッと青褪めていく面白い光景が目に入った。

 

……うん、嘘は言ってないからな。

 

「は、初めてって……!えっ、カズマと神様ってそういう……!?ぼ、僕しばらく外で時間潰してた方がいいですか!?」

 

「ち、違うぞベル君!?ボクは最強の三代処女神の一柱にして下界の子供達を暖炉の火とかで暖かく照らしてあげるような性とは無縁の炉の神ヘスティア様だぜ!?そんなボクが大切なホームで妙なことするわけないじゃないか!大体、ボクがベル君を差し置いてそういった行為を敢行するとでも思うのかいっ!?いつも通りカズマ君が冗談言ってるだけさ!信じちゃ駄目だぜ!!」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「応ともさっ!ほら、カズマ君も何か言ってやってくれ!!」

 

………………………。

 

「言わせんなよ、恥ずかしい」

 

「ちょっ、カズマ君っ!?」

 

「!?やっ、やっぱりカズマと神様って……!?」

 

「ご想像にお任せするよ」

 

「オラァ!いい加減にしたまえゲスマくんっ!!」

 

「いふぁいいふぁい!?ひゃめろへふてぃあ!」

 

「こっちの台詞だ!ベル君に変な事言ってくれちゃって……!ほら、百面相しながら遠い世界に旅立ってるじゃないか!」

 

「(あわわわわわ……!ど、どうしよう……!?ぼ、僕はどうしたら……!?お祖父ちゃん、お義母さん……僕は……!)」

 

『ベルよ!』

 

「(この声は…お祖父ちゃん!?教えて!僕は一体どうすればいいの!?)」

 

性的な事情に疎い僕の脳裏に思い浮かぶのは、モンスターにボコボコにされた僕によく耐えたと、お前はあのモンスターに負けなかったと褒めてくれた、僕が初めて憧れた英雄の姿。

 

そうだ!酒池肉林がどうたらとか言って常日頃からお義母さんにゴスペルパンチを喰らわされていたお祖父ちゃんならきっと……!

 

僕はそのままイマジナリーお祖父ちゃんの言葉を待った。

 

するとイマジナリーお祖父ちゃんは豪快に笑いながら。

 

『ぶわっはっはっはっは!!案ずるなベル!世の中にはな、英雄色を好むと偉大な言葉もある!だから大丈夫だ!突き進めベル!それに穴兄弟と言うのも中々乙なも『福音(ゴスペル)炸響(ルギオ)』ごっばあぁぁぁぁぁぁぁっ!?ちょっ、待って!送還される!儂送還されちゃうから!待っ……がああああああああっ!?!!?!?』

 

「(お、お祖父ちゃーん!?)」

 

イマジナリーお祖父ちゃんがイマジナリーお義母さんによって、オラリオに来る前に僕がよく見ていた畑の肥やしにされる。

 

…や、やっぱり強いんだなぁ……僕には冒険者としての才能がないとかで戦いの事とか何も教えてくれなかったけど……ゴスペルパンチ、痛かったもんなぁ……。

 

『はぁ…この下半神め……ベル』

 

お祖父ちゃんを埋めたお義母さんが僕に問いかけてくる。

 

「(な、なに?お義母さん?)」

 

『この歩く生殖モンスターの戯言など忘れろ、お前には必要ない知識だ』

 

「(えっ、でも)」

 

『わ・す・れ・ろ』

 

「(は、はい!忘れました!!)」

 

お義母さんに逆らってはいけない。それはイマジナリーでも同じ事だ。

 

「お、おいヘスティア…ベルのやつさっきから一人でブツブツどうしたんだ?」

 

「君のせいに決まってるだろう!?あんな冗談かましてくれちゃって……!ベル君は君と違って純粋なんだ……!キ・ミとは違ってね!!変態災厄カスマ君!!」

 

「てめえ上等だこの駄女神!おらぁ!!」

 

「やるってのかい!?いいさ、ボクの本気を見せてやる!!」

 

馬鹿二人が再びしょうもない争いを始める中、ベルは未だヘスティアロストヴァージン疑惑のショックから立ち直れずにいた。

 

「(女性関係で頼りになるお祖父ちゃんは美味しい野菜を作るための肥やしになっちゃった……!ぼ、僕はどうしたら……!)』

 

『ベル』

 

イメージの中のお義母さんが僕に声をかけてくれる。

 

『(お、お義母さん……!助けて……!)」

 

藁にもすがる思いで僕はイマジナリーお義母さんにこの状況を打破する為の助力を懇願する。

 

そんな僕に、お義母さんは何処か呆れた表情を浮かべながら。

 

『冷静に考えてみろ、あの男とあの神がそんな関係に見えるのか?どう考えても有り得んだろう。お前の知るあの二人は、ベルを放ってこっそりとその類の事を行うような薄情な奴等なのか?』

 

そんな事を……。

 

た、確かに……落ち着いて考えてみるとカズマと神様って男女の関係ってよりかは似た者通しの類友って感じの方が強い……そっか、そうなんだ。

 

「(ありがとうお義母さん!確かに神様もカズマもそんな事する人達じゃないよね!二人とも凄く優しくて頼りになる、僕の自慢の家族なんだから!)」

 

これがただのイメージなのは分かっている。それでも僕を助けに来てくれたお義母さんやお祖父ちゃんには感謝の気持ちしかない。

 

だから、ちゃんと伝える

 

もしかしたらこのお義母さん達は本物で、僕の言葉が届くかもしれない。そんな御伽話のようなちょっとした期待と願望も込めて。

 

きっと飛び出していった僕を心配しているであろう遠い地にいるお義母さんを安心させる為に。  

 

──今なら言える気がした。……ううん、言いたいって思った。

 

「(僕はもう大丈夫だよ、お義母さん。……隣に並び立っていつか超えたいと思えるような、そんな人達(憧れ)に巡り会えたから。……僕は必ず、英雄になる。だから見ててね、お義母さん)」

 

これは僕の願望かもしれないけど、イメージの中のアルフィアお義母さんはその言葉に少しだけ微笑んでくれたような気がして。

 

『そうか、ベル。…お前も大きくなったのだな……私はお前には、英雄になどならず普通に生きて欲しかったが……"魅せられてしまった"のなら、仕方ないか。……頑張れ、ベル』

 

苦笑しながら、背中を押してくれた。

 

……分かってる。これはただの僕のイメージだ。でも……。

 

「(うん、頑張るから。アイズさんにもカズマにも置いていかれないように、頑張るから!)』

 

……お義母さんには一度、英雄になりたいと言ったことがある。そんな僕にお義母さんは『そんな物になる必要などない。英雄とは、言ってしまえば聞き心地の良い生け贄を指す言葉だ。ベルがそれになる必要など欠片もない。……かつては私も英雄存在を求めたものだが……今はお前の方が大切だ。私は世界よりベル、お前を取る』と何処か苦しそうな顔で、何かを諦めたかのような顔でそう言って、ただただ僕を抱きしめた。

 

……今よりまだずっと子供だった僕は、何時も凛としていて強くてカッコよくて、僕を助けてくれたお祖父ちゃんと同じぐらいに憧れていたお義母さんが、そんな顔をしているのがどうしようなく嫌で嫌で仕方なくて、お義母さんに安心してほしくて、生意気にも僕は『じゃあ僕は世界も自分もお義母さんも、皆んなを助けられるような英雄になるよ!そしたらお義母さんも笑ってくれる?』なんて…今考えたら身の程知らずにも程があるような事を当時の僕は謳っていた。

 

そんな子供の背伸びを聞いたお義母さんは、驚いたように少しだけ目を見開いた後、口元を少しだけ緩ませながら僕の頭を軽く小突き『生意気を言うな。……いいかベル、お前には冒険者としての才能など欠片もない。英雄になどなれる筈もない。途中でモンスターに殺されるのがオチだ。……私はただお前が普通に生きていてくれればそれだけで笑っていられる。……だから、この話はそれで終わりだ』なんて哀しそうな顔でそう言ってたっけ。

 

……悔しかったな、強くなる方法も、お義母さんを安心させてあげる方法も分からなくて。

 

お義母さんが哀しむから、それ以来母の前で英雄になりたいと溢すことはなくなった。……その事を、考える事もやめていった。その上、自分の弱さを受け入れられなくて、受け入れたくなくて、この時の記憶を心の奥底に無理矢理しまって忘れようとした。……忘れようと努力した、の方が正しいのかな。

 

……結局は、お義母さんの言う事が正しかったんだろう。カズマが、アイズさんがいなければ僕はあの時ミノタウロスに殺されていた。

 

……でもね、お義母さん。僕は生き残ったよ。生き残って、憧れに手を伸ばす為に走り出せたよ。

 

だから僕は──。

 

「(強くなる。他の誰よりも速く強くなってみせる……!世界も自分もお義母さんも全部救えるような英雄になれるって証明してやる……!!今度こそお義母さんに認めてもらうんだ!英雄になれるって……!!)」

 

────そしたらきっと、母は笑ってくれるから。

 

かつて抱いた願望を、今漸くハッキリと思い出した。  

 

……忘れててごめんね、お義母さん。

 

そんな余韻に浸る中────。

 

「ヒャッハー!喰らえ!『フリーズ』!」

 

「んにゃあぁぁぁぁぁ!?!?お、おのれいっ!こうなったらボクの必殺技を見せてやるっ!奥義!『ツインテールウェスタストライクッ』!!」

 

「イッタイメガァァァァァァァァ!?!?!?!?」

 

「ふはははっ!見たかカズマ君っ!?ツインテールウェスタストライクとは!炉の女神の怒りと悲しみを乗せた鎮魂歌ッ!相手は泣くっ!!」

 

「てめえふざけてんじゃねえぞこのヒモ神ッ!アクアと似たような事言いやがって!ぶっ飛ばしてやるっ!!」

 

「やれるもんならやってみるがいいっ!!うおー!!迸れボクの中のなにかっ!!『アルティメットゴッドヘスティウェスタストライクアタックッ』!!!!」

 

「ごぶっ!?ちょ、ちょっと待て!話を、話をしよう!!」

 

「お断りだよ!喰らえッ、ボクとベル君の絆の技!『ベルヘストライ・クラネルバーストッ』!!!!」

 

「何だそのクソみたいな技!舐めんなっていってぇ!?くそっ、やっぱ恩恵のアビリティ数値なんて飾りじゃねえか!普通に痛いんだが!!」

 

「最弱職乙だね!カ・ス・マ・く・ん!!」

 

「フリーズフリーズフリーズフリーズ!!!!」

 

「づめたあぁぁぁぁぁぃぁぁぁぁぃぁぁっっっっ!?!?!?!?」

 

「はは、ざまぁ(笑)」

 

「このクズ!ゲス!カズマ君は最低だよっ!!」

 

「ぷーくすくす!このヒモ神チョー怒ってるんですけど!チョーウケるんですけど!!ぷーくすくすくすくす!!!!」

 

「んがぁぁぁぁぁぁ!!!助けてくれアルテミスゥ!!!!」

 

神様と…カズマが……子供みたいに喧嘩してて………。

 

「ふ、ふふっ…!あはははははははははっ!!!!!」

 

その光景に、思わず笑ってしまった。

 

だって、余りにも滑稽だったから。

 

神様でも、英雄でもなく、しょうもない事で煽り合う、等身大の普通の家族がそこにいた。

 

「!?ほら、カズマ君が子供みたいに駄々をこねるからベル君に笑われたじゃないかい!反省したまえ!!」

 

「ゴミみたいな名前の必殺技繰り出しといて何言ってんだ!ガキみたいで笑われてんのはお前の残念なネーミングセンスだ!」

 

「ゴミみたいだって!?なんて事言うんだいっ、素晴らしいセンスだろう!?」

 

「アルティメットゴッドヘスティウェスタストライクアタック(笑)」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!ベル君、カズマ君が虐めてくるよー!!!!」

 

…やっぱり僕は、オラリオに来てよかった。

 

……神様に、カズマに会えてよかった。

 

………アイズさんに、出会えてよかった。

 

そんな自身の幸福を噛み締めながら、カズマに泣かされた神様を慰める。

 

「落ち着いてください神様、大丈夫ですよ」

 

「ふぐぅ…じゃあベル君はどう思うんだい?ボクのネーミングセンス」

 

「え゛っ」

 

「…………ベル君?」

 

ど、どうしよう…アルティメットゴッドヘスティウェスタストライクアタック……な、長すぎてちょっと格好悪い……で、でも……。

 

「ほ、僕はいいと思いますよ!流石神様です!!」

 

正直に言うのは無理っ!

 

「…ベル君、優しい嘘って……辛いね……」

 

…あっ、そうだった!神様は人の嘘を見抜けるんだった!!

 

…よ、余計傷つけちゃったかな……。

 

「はは、元気出せよ。……アルティメットゴッドヘスティウェスタストライクアタックさん(笑)」

 

「ごぶっ!?…べ、ベル君……また来世で会おうぜ……がくりっ」

 

「か、神様あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?」

 

ヘスティア・ファミリアは、今日もまた騒がしかった。

 

────────────────────

 

──何処か遠くの地──

 

「ん……しまった、眠ってしまっていたか……」

 

「おお、漸く目覚めたのか。随分と幸せそうな顔をしとったもんだから起こせんかったぞ。……良い夢でも見てたのか?」

 

「……(ゴスペ)

 

「ま、待て!何もしとらん!流石の儂もベルの母親に手を出すほど欲望に忠実な訳ではない!!本当だ!!」

 

「チッ…どうだかな……下半神が何をほざこうが雑音にしかならんぞ」

 

「相変わらずの冷たさじゃ……だが悪くない!儂は嫌いでは「福音(ゴスペル)」ぐっおおおおぉぉぉぉぉ……………!!!!!!」

 

「……変わらんな、この神は。……しかし良い夢、か……ふっ、私も案外子煩悩なのかもな……」

 

「い、いや…良い感じになっとるとこ悪いんじゃけど……儂の心配して?」

 

「……はぁ」

 

「溜め息!?…全く愛想のない奴だのぉ……こういうのをツンデ「福音(ゴスペル)」ごがぁぁぁあぁがががだだだっ!?!??ちょ、待って!儂そろそろ本当に天界送還秒読みだから!!」

 

「良いことじゃないか」

 

「酷すぎるっ!?…ああベル、儂の自慢の孫よ……お主の優しさが恋しいぞい……あっ閃いた!ベルが女体化したら理想の「炸響(ルギオ)」冗談じゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?!?!!?!」

 

今日も今日とて畑の肥やしにされているベルのお祖父ちゃん。

 

「はぁ……何故アレと共に暮らしたベルがあれほど純粋に育ったのか……一生の謎だな……」

 

ため息をつきながら、彼女は先程まで見ていた夢の内容に思いを馳せる。

 

正直、内容は余り覚えてはいないが、何故だかとても安心感を得たのを覚えている。忘れてしまっているのを惜しむくらいに良い夢だったのだろう。

 

……ただ一つ、一つだけ、覚えている事がある。

 

それを直接言えないのが、残念ではあるが……致し方あるまい。

 

意味など無い自己満足かもしれんが、その音が今はオラリオに居る息子に届く事を願って言葉を紡ぐ。

 

「………………………頑張れ、ベル」

 

あの優しい子が、良い仲間や神様に巡り会えていますように。

 

 

 

………そして私を無理矢理都市外へ逃したあの頭のおかしい狂人エルフと巡り会いませんようにっ!!




ステイタス更新は次回に回りそうですね……アルフィア様をどうしても出したくなってしまったので出しました。
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