望まぬ知恵の王 ~冒険者に憧れた蟲がやがて魔城の主と呼ばれるまで~   作:SIS

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第百四十六話 偽王

 

「よし。じゃあ、いくぞ」

 

 アトラスの指示で、アトソンとクリーグが二人でぐっ、と重い扉を押し開く。

 

 ギギィ……と音を立てて、扉がゆっくりと開いていく。開いた隙間から、顔をしかめるような悪臭と熱風が吹き寄せてくる。

 

 その中を、アトラスを先頭に一行は慎重に奥へと進んだ。全員が入った直後、背後で扉がひとりでに閉じ、がこぉん、という重い音を響かせた。

 

「退路はない、か」

 

「わかり切っていた事、今更気にする必要はない。それより、見ろ」

 

 少しだけ不安を露にするアトラスに、落ち着き払ったヌルスが前方を指し示す。

 

 ボスの広間は剣山のように聳え立つ岩盤の中に、石畳の円形ステージがあるというものだった。周囲を取り囲む切り立った崖からは、赤く光るどろどろとした液体が幾重にも枝分かれしながら流れ、地面を埋めてごぽごぽと沸騰している。そのさなかに、ステージまで一本の道が浮き上がっている。

 

 互いに身を寄せておっかなびっくり進む一行。その中にあって平静を保ったヌルスが、自然と先頭に出る。

 

 彼女は悪臭をすんすんと嗅ぎ分けて平然とした顔をして、魔眼を光らせて周囲を睥睨した。

 

「見た事のない液体だ。妙な悪臭もそうだが、異様に高温だ。下に落ちるなよ」

 

「いわゆる、血の池地獄?」

 

「悪魔の居城としては相応しいんだろうが、勘弁してくれ……」

 

 普段は飄々としているクリーグまでもがすくみ上る中で、周囲を見渡していたアトラスが何やら興味深そうな顔で顎に手をやる。その様子に気が付いたヌルスが話をふった。

 

「どうした、アトラス?」

 

「これは血ではないよ。恐らく溶岩、と呼ばれるものに近い。溶けた岩だな。地底の奥深くから噴出するものだと聞いているが……まあ、ここで大事なのはそんなものが何故あるかだな。8層の事を考えると、これは恐らく凝縮した魔素ではないのかい、ヌルスさん」

 

「……確かに。そのように感じるな」

 

 アルテイシアの魔眼はあくまで魔力の流れを見るもので、その魔眼からするとここの溶岩、とやらには多量の魔力が含まれているようには見えない。だが、魔物としての本能で、濃い魔素の存在を感じる。8層では結晶化したそれからさらに高純度の上澄みを抽出していたが、ここは階層そのものに堆積した魔素から、さらに高濃度のそれを絞り出しているようだ。魔力を感じないのは、それが混じっていると汚染災害になってしまうからだろう。

 

 やはり、この迷宮を構築した何者かは、汚染災害を起こさず目的を達するために、その二つを分けて抽出しているに違いない。それは逆説的に、ヌルスの狙いが正しいという事を指し示している。

 

 この先に、アルテイシアを救う手段がある。そう考えると、否応にも心臓が高鳴る。

 

「まあ、アイツを倒せれば、の話だがな」

 

 石のステージに踏み込みながら、ヌルスは遥か頭上を見上げた。

 

 聳え立つ剣岩の上に、一つ、大きな玉座のようなものがある。光る溶岩の輝きを受けて、闇の中で鈍く金色に輝くそれに、鷹揚に腰かける巨大な影があった。

 

 形状は人型。腰には襤褸布を巻き、無数の髑髏がアクセサリーのように吊るされている。漆黒の肌がむき出しになった胸に刻まれるのは六芒星。その顔は鼻と唇がそぎ落とされ鼻腔と牙がむき出しになり、頭髪のかわりに三本の巨大な角が生えている。頭頂部と左右から伸びた巨大な角は緩く湾曲しながら後方に向かって伸び、兜というにも異様な大きさだ。兜飾りがその権力、偉大さをしめす象徴というなら、これ以上のものは存在しないだろう。

 

 傲慢に配下の小さな者達を見下ろす瞳は赤く燃えている。頬杖をついていた悪魔がゆっくりと身を起こすと、その背中から巨大な翼が広がった。その翼が頭上を覆い、ヌルス達はまるで自分達の未来が暗黒に閉ざされたようにすら感じた。

 

「やはり……」

 

「悪魔の王、というわけか」

 

 

 

 悪魔の王。

 

 

 

 ロード・オブ・デーモン。

 

 

 

 それが、9層に差し向けられた、“執行者”の名である。

 

 

 

 

 

 巨大な翼を広げた悪魔が、ふわり、と宙に羽ばたき、まっすぐステージへと降りてくる。

 

 物音ひとつ立てず羽毛のように舞い降りたロードが、体を包むように閉じた翼を勢いよく広げた。突風が巻き起こり、風圧に押されて一行が僅かに後ずさる。

 

「怯むな!!」

 

 その中にあって、ヌルスだけは黒の槍を地面につきたて、微動だにしなかった。その瞳は、強い決意によって黄金のように輝いている。

 

「所詮、贋作! 紛い物、恐れるに足りず!!」

 

「……っ、ああ!!」

 

 気おされていた一行が、ヌルスの激に応じて戦意を取り戻す。アトラスが彼女の隣に進み出て剣を引き抜くと、その刀身はこれまでで最も強く黄金の輝きを帯びているように見えた。

 

「皆、ここが正念場だ!」

 

「しゃーない、頑張る」

 

「ここまで来たら引けねえよな!!」

 

 リーダーの掛け声に、皆がそれぞれの調子を取り戻していく。シオンがいつものように半眼でぼやき、クリーグが蛮刀を振りかざす。その背後で、アトソンがメンバーへ強化を行うべく、祈祷の為に両手を合わせている。

 

 そんなちっぽけな人間達の抵抗を鼻で嘲笑い、悪魔は右手大きく掲げた。その手に漆黒の闇が集い、巨大な大剣となって実体化する。朧気に霞むそれは陽炎のように形状が一定せず、ゆらゆらと揺れている。明らかに危険なアーティファクトの香りに、ヌルスが強く愛用の槍を握りしめた。

 

「奴の攻撃は私とアトラスで受ける! クリーグ、今回ばかりは補助に回ってくれ」

 

「しゃーねえ、応じた!」

 

「いくぞっ!!」

 

 アトラスとヌルスがそろって駆けだす。シオンがその背後にぴたりと付き従い、クリーグは少し遅れて駆けだした。その一行に、アトソンからの支援が飛ぶ。

 

「“輝きよ、在れ!”」

 

「ありがとう、アトソン!」

 

「これが祈祷というものか……心強い!」

 

 体を満たす不思議な活力に、ヌルスは頬を緩める。本来なら敵意として向けられるはずの力が力強く背中を押してくれる事に不思議な感慨を抱きながら、彼女は触手翼を展開した。

 

 様子見は無しだ。強敵と分かっている以上、最初からそれなりの手札を切る。

 

 そんなヌルスに、悪魔は特に関心を抱いていない。魔術如き、通用しないと思っているのだろう。

 

「貴様も悪魔である以上、魔術の効きは薄い……そう思っているのだろうがな!」

 

 油断してくれるならそれでよい。ヌルスは道中で繰り返した、二連魔術による防壁破りを試みた。

 

 最初にファイアボルトを放ち、続けてライトニングボルト。飛翔する炎と雷の連打が、悪魔の王に向かって飛翔する。

 

 が。

 

「ち……っ!?」

 

 放たれた魔術は、直撃するよりもはるか以前、悪魔の王に近づいた時点で急激に減衰し、消滅した。炎の矢を後追いで飛んだ雷の矢はそれを免れたものの、それは虚しくロードの漆黒の肌に弾かれて消滅する。かゆい、かゆい、と言わんばかりにロードが開いた左手で肌を掻いた。

 

 そして、返礼と言わんばかりに、左手を接近してくる一行へと差し出す。向けられた掌に、高密度の魔力が集中するのを見て取り、ヌルスが警告の声を上げた。

 

「アトラス、シオン、止まれ!! 私の影に!!」

 

「っ!?」

 

 アトラス達が動くのとほとんど同時に、ロードが魔術を解き放った。

 

 詠唱はないが、かなりの高位の魔術。恐らくは、ライトニングトルネードかそれに類する魔術。吹き荒れる雷鳴の渦が、地面を割り砕きながらヌルス達に迫る。

 

「おおおお!!」

 

 自分一人ならともかく、背後のメンバーをかばうのは無理だ。とっさにそう判断したヌルスは黒槍を目の前の地面に投げ放つと同時に、触手翼を広げ氷の魔術を連射した。黒い槍に雷撃が吸い込まれ、さらに作り出された氷壁が雷撃を受け止める。それでも相殺しきれない雷撃が目の前に迫り、ヌルスは触手を大きく広げて壁とした。

 

 直撃。

 

 表面に絶縁性の高い粘液を広げていたおかげで感電は免れたが、複数の触手が千切り飛ばされて鮮血がしぶく。衝撃で背後に吹き飛ばされつつも、ヌルスは声を張り上げた。

 

「アトラス、今だ!!」

 

「おおおおっ!!」

 

 背後に吹っ飛ぶヌルスと入れ替わるように、アトラスが黄金の剣を振りかざして前へ出る。

 

 そんな彼に、再びロードは魔術を放とうとする。剣の間合いにはまだ遠い……その前提を、剣の輝きが覆した。

 

「宝剣サダラーンよ!! 我に力を……与えたまえ!!」

 

 アトラスの叫びと共に、その光が刀身の何倍にも延長する。かつてキマイラの翼を切り裂き、その首を断った黄金の斬撃が、ロード目掛けて振り下ろされる。

 

「叩ききれ!!」

 

『G A A A !』

 

 その一撃を、ロードは陽炎の剣で迎え撃った。輝ける黄金の刃と、曖昧な霞む刃が正面から打ちあい、空間を軋ませるかのような衝撃がこだました。激突地点から、めくりあがるように石畳が割れ、飛び散る中、アトラスは一歩も引かずに切り結ぶ。

 

 振り下ろしの勢いを失うと、一瞬引いてから横薙ぎ、袈裟懸け、振り上げ、そして再度の振り下ろし。瞬く間に切り返される黄金の剣と、真向から打ちあうロードの剣。再び剣同士がぶつかり合ってうまれた硬直、その隙をついてロードが再び左手に魔力を集中させた。

 

 至近距離。わかっていてもアトラスに逃れる術はない。

 

「させるかよ!」

 

 それをカバーするのが仲間である。クリーグが飛び込み、その腕を下から切り上げて跳ね上げた。刃は漆黒の皮膚に浅い切り傷を作ったのみだが、衝撃で狙いが外れた炎の魔術が明後日の方向へ飛んでいく。

 

 忌々しそうにクリーグを見下ろすロードの視線、その端で緑色の影が走る。ロードが気が付いた時には、すでに幾筋もの刃の軌跡が、その体に刻まれた後だ。

 

「硬い……!」

 

 シオンが手にしたハンターナイフを祈祷の光に輝かせながら後退する。その姿を目で追いながらも、ロードはしかし再び攻勢を強めるアトラスの対応に追われた。陽炎と黄金の剣が打ちあいつつも、二人の仲間がその隙を常に伺っている。

 

「G O O O !」

 

 ばさり、と漆黒の翼が打ち鳴らされた。再び巻き上がる突風に、ちっぽけな人間達が足を止める。それを見下ろしながら、悠々とロードは宙へと舞い上がった。空中で左手を振りかざし、再びの雷魔術を放とうとする。この角度、その高さから放たれれば、前衛の三人は全滅だ。

 

 だから、それをどうにかするのが、ヌルスの仕事である。

 

「はぁあああ!!」

 

「G A !!」

 

 風魔術で飛翔する銀色の魔女が、黒の槍を振りかざしてロードへと突貫する。その姿に気が付いたロードが、陽炎の刃でその攻撃を受け止める。紫色に輝く結晶の刃と、陽炎の剣が交錯し、切り結んだのも一瞬の事。次の瞬間、陽炎の剣はあっけなく吹き散らされ、紫色の刃がロードの右肩を掠めた。漆黒の皮膚が切り裂かれ、青い血が噴出する。

 

「G O O O O A!」

 

「空中戦といえど! 劣りはしない!」

 

 ロードの反撃、放たれる地獄の業火を、急上昇して回避するヌルス。彼女は闇に閉ざされた天井付近で紫色の螺旋を描きながら急旋回、再びロードへと接近する。彼女の得物の脅威を理解したロードは、剣を捨てて両手で魔術を放ち、弾幕を形成する。雷と氷の魔術の連打、高速飛翔中のヌルスには認識できていても回避は困難。銀の魔女は自ら脅威に突っ込み、果てる……その筈だった。

 

 だが。切り札というのは、ここぞという所で切るものである。

 

「歪みの嵐よ!!」

 

 四対の触手翼、そのうち攻撃を司る二枚が紫の光を放ち、直後朽ち果てる。一時的な魔術行使の喪失と引き換えに、放たれるのは歪みの力。同時に放たれた二つのD・レイは、互いに引き合うような光を放ちながら、ヌルスの進路上を薙ぎ払った。現実の物理法則を捻じ曲げる始原の魔力が、ロードの放った魔術の弾幕に風穴を穿つ。

 

 その穴を、身を小さくしてヌルスは通り抜けた。驚愕するロードの頭上へと飛び込み、触手翼で急制動。黒の槍を、翼目掛けて一閃する。

 

 一瞬遅れて、ロードの翼が根本から断ち切られた。鮮血を吹き出し、浮力を失ったロードの体が地に落ちていく。

 

 地響きを上げてロードの巨体が石畳に堕ちる。舞い上がる砂埃の中から、ロードがゆっくりと身を起こす。

 

 恐るべき事に、あの高度から墜落してもロードはさほど痛痒を感じてはいないようだった。その瞳を激怒に煌々と輝かせ、頭上を舞う銀の魔女の姿を目で追う。

 

「G A A A A!!」

 

「あ、くぅっ!?」

 

 雷の魔術がデタラメな勢いで放たれ、回避しようとしたヌルスの翼の一つがそれに打たれる。空中で雷で撃たれたヌルスは姿勢を崩し、そのまま地に墜落していく。それを再び手に現出させた陽炎の刃で切り捨てようとしたロードだが、とっさに振り返ると刃を振りかざした。

 

 ガキィ! と音を立てて振り下ろされた刃と、アトラスの剣がぶつかり合う。

 

「私達がパーティーだという事、忘れては困るな!!」

 

「という訳で、もらった!」

 

 ロードの刃をアトラスが引き受けてる間に、横から回り込んだクリーグが切りかかる。が、それは雑に振り回されたロードの左の拳に迎撃され、逆に背後へと吹き飛ばされた。転がっていくクリーグがステージから落ちる前に、なんとか剣を地面に突き立てて押し留まる。

 

 さらにロードは足を踏み鳴らし、周囲に振動を引き起こした。激しく揺れる地面に、再び奇襲を仕掛けようとしていたシオンが足を取られる。

 

「シオン、クリーグ! っ!?」

 

「V O O O O!!」

 

 陽炎の剣と切り結ぶアトラスが一旦離脱しようとするも、それを逃さずロードが雄叫びを上げた。その咆哮は物理的な圧力となって剣士に降り注ぎ、彼に膝をつかせる。動きが止まった所に丸太のような足が振りぬかれ、彼の体が小石のように宙を舞った。

 

「アトラスさん!?」

 

 控えていたアトソンが祈祷を中断し、倒れ込むアトラスの元へ走る。

 

「しっかりしてください!」

 

「ぐ、う……っ」

 

 肩を抱いて助け起こすが、アトラスのダメージは深刻なようだ。とっさに盾で防いだようだが、今の一撃で盾は原型を残さずへしゃげており、それを支えていた左手は明らかに変な方向に曲がっている。

 

 治療の為に祈祷を始めるアトソンだが、その隙をロードが見逃すはずがない。

 

 地面を踏み鳴らし、獣のように迫るロード。闘争本能をむき出しにしたその姿は、悪魔の王というには優美さが足りないが、明らかな脅威であった。巨大な壁が倒れこんでくるかのような圧力に、アトソンが息を飲む。

 

「私を忘れてもらっては困るな」

 

 しかし、二人を踏みつぶす直前で、ロードは横に飛び退って回避軌道を取った。直後、ロードの体があった軌道上を、歪みの光が通り抜けていく。岩盤を螺旋状に砕いて消滅する光を尻目に、ロードがゆっくりと背後へと振り返る。

 

 そこには、墜落のダメージから立ち直ったヌルスが、黒い槍を手に佇んでいた。その背後には、うねる触手の翼が広げられている。銀の髪を振り乱し、一筋の血を流しながらも、黄金に輝く瞳に漲る戦意は衰えてはいない。

 

「G A O O O O!!」

 

「偽王、覚悟!!」

 

 D・レイを牽制に放ちながら、銀の魔女が風のように大地を駆ける。ロードもまた、歪みの閃光を掻い潜りながら、獣のように疾駆する。その両手に、陽炎の刃が呼び出される。

 

 衝突する両者。ヌルスの紫の穂先を、ロードは刃を二枚、重ね合わせて迎え撃った。衝突する超常の刃……先ほどは一方的にヌルスが打ち勝ったが、今度は互いに拮抗し、メキメキと軋みを上げた。

 

「ち、い……!!」

 

 歪みの刃を過信していた訳ではないが、切り札の一つを正面から受け止められてヌルスが舌打ちする。見れば陽炎の刃を切っ先は突破出来ているが、二枚重ねの刃がそれぞれ互いを補い合いながら拮抗している。

 

 そして一撃で突破できなければ、パワーではヌルスが大幅に不利だ。体格でも勝るロードが、覆いかぶさるように剣の圧を増してくる。

 

「ぐ、ぅぅ……」

 

 必死に槍を押し返すヌルスの表情が、苦悶に歪む。その様を至近距離から見下ろすロードの瞳が、嗜虐の悦びに歪んだ笑みを浮かべた。

 

 が。

 

「……G O ?」

 

 ふとその瞳が、ヌルスの背中から伸びる触手に気が付いた。

 

 それは後方、ヌルスの背後に伸びている。目で追うと、その先で触手翼がまるで植物の芽のように、地面に突き刺さっているのが確認できる。

 

 見ている前で、ぷちん、と触手が千切れる。残された翼がぎょろりと目を剥いて、ロードとそれに押しつぶされそうになっているヌルスを……アルテイシアの姿を確認して血走った。括りつけられた、紫色の魔力結晶が危険な輝きを放つ。

 

『α γ β』

 

 放たれた歪みのボルト。

 

 その一撃が、重ね合わされた陽炎の刃を打ち砕き、そして黒い槍の一撃が、ロードの額の中央を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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