ヴィルシーナは、ジェンティルのその鮮烈な姿が目に焼き付いていた。
最後尾付近からどんどん前に行き、ついに前方に位置どった彼女の姿を。
ジェンティルドンナとヴィルシーナでは周りの目から映る立場が違う。
マークされ、警戒されるのは間違いなくジェンティルドンナだった。
囲まれ、邪魔され、ブロックされていたはずだった、
しかしジェンティルは蹂躙した。
自前のパワーでバ群をこじあけ、前方の集団に突っ込んだのだ。
(そのポジションも……私がトレーナーさんから教わったものと同じ……)
ほんの少し位置はズレている。
しかしそんなものは誤差だった
自分が教えてもらっていたポジション、その第1優先ポイントを走っていた。
(私が、トレーナーさんに教えてもらったことも全部……)
姿勢の傾け方、足の運び方、
何度も何度も練習したのに。
彼女は、この本番でそれをやってのけている。
教えられてもないはずなのに。
まるで。
彼が、あたかも側にいるかのように。
(そうよね、やっぱり私は、トレーナーさんのウマ娘じゃなかったんだ……。あんなに離れていても、あんなに対立しても、二人は一心同体)
シーナがずるずると後ろに下がっていく。
負けたくないのに。
負けたくないはずなのに。
(ああ、勝てるわけない……、トレーナーさんが側にいる、あなたの背中に追いつけるわけがない)
そう感じてしまった。
本当は、そのトレーナーと一緒に戦いたかった。
本当は、彼と離れたくなかった。
(私が欲しかったものを全部、あなたは持っていった……トレーナーさんまで)
そんな風に思ってしまった。
だが気づく。
(いいえ、違う、前提から違う。あなたのいない間にトレーナーさんを利用した……)
そう、彼を利用したから、ここに立っているだけ。
(そのおかげで私は、ここまで来れただけで。ただ、それだけの、話で……)
何も、おかしくなどない。
本当の彼は、ジェンティルドンナのトレーナーだったのだから。
周囲が暗闇に包まれ、沼の底に沈み込むような感覚が襲ってくる。
シュヴァルやヴィブロス、家族のことを思い出すが、……領域の質が足りない。
押しつぶされる。
(力が、抜けて……目が、かす……む)
その時。
「シーナぁぁぁあああああ!!」
「っ!?」
突然、声が聞こえた。
「それが本当のジェンティルドンナだ! 君を何度も倒してきたウマ娘だ!」
あの時と同じだった。
2度目のヴィクトリアマイル。
ジェリーベイレンを引き離すために、領域に入った時と。
同じ。
「そのジェンティルに勝ちたかったんだろ!? その背中を何度も見てきたんだろ!?」
遠く離れているはずの。
そばにいないはずの。
自分が無理やり連れてきてしまったトレーナーの――彼の声が。
鮮明に、聞こえた。
「だったら勝ってみせろッ!! 本当のジェンティルに! "オレのジェンティル"に!」
あんな遠い位置から聞こえるはずがない。
ましてや、大観衆の喧騒の中から。
それなのに。
「君もオレの大切なウマ娘なんだ! 君のトレーナーもオレなんだ!」
まるで、すぐ側にいるかのように彼の声が聞こえている。
それだけで何を意味するのかが、分かる。
「だから"勝て"ッ! 頂点に立てッ!」
……ッ!!!
「オレと一緒に、オレのジェンティルを、超えてみせろぉおおおお!!」
内側から、うねる何かが沸き上がる。
暗闇さえ飲み込む、鮮烈な力の奔流が昇ってくる。
視界が開けて、明瞭になる。
……思えばこれまで、たくさんのことがあった。
クラリストレーナー、メイさん、サトノ家、エル先輩、シャカール先輩、ニシノさん、マックイーンさん、シュヴァル、ヴィブロス、オグリさん、ルドルフ会長、オルフェーヴルさん、ドリームジャーニーさん、お父さん、お母さん。
ヴェニュスパークをはじめとした海外のウマ娘たち。
そして、トレーナー。
今まで、彼と歩んできた道のりは偽りだったのかもしれない。
でもそんなことは関係ない。
在るべき場所に、在るべきトレーナーがついた。
ジェンティルドンナの力も、戻った。
(私はあの人が担当だったジェンティルドンナに何度も敗れてきた。そんなあなたを倒すために、私はここ、凱旋門賞にやってきた)
でもジェンティルドンナというだけではあのティアラ路線で競り合った彼女ではない。
他人が一時的に利用しているジェンティルドンナに用はなかった。
あのジェンティルドンナに――あの背中に、私は追いつきたい。
そして"あの人と一緒に"超えたい。
「いけぇえええ! シーナァァァ!!」
肌がざわつく。
髪の毛の先まで感覚が鋭くなる。
ヴィルシーナの中から何かが持ち上がる。
(そう、だって私は――)
歓声も風が消え、彼の声と、自分の心音だけが残る世界が。
ジェンティルドンナと苛烈な紅き炎と対を成すように、蒼き炎となって現出する。
("あなたたち"に――ずっと勝ちたかったから!!)
歓声が、世界の輪郭を溶かしていく。
ロンシャンの大地が揺れた。
紅と蒼――ふたつの炎が、地平を焦がすように並び立とうとする。
ジェンティルドンナが開いた炎の道を、ヴィルシーナがなぞっていく。
紅の奔流に、蒼の閃光が重なった。
風が渦を巻き、芝が舞い上がる。
遠くのスタンドでは、観客たちが叫び、旗がはためいた。
『Incroyable! La Reine Victoria remonte elle aussi! Quelle remontée!』(信じられない! ヴィクトリアの女王も上がってきている! なんて追い上げだ!)
声の波がスタンドを越え、空へ吸い上げられる。
世界中の目が、たった二人を捉えていた。
フォルスストレート――偽りの直線を駆け下りる。
蹄鉄が火花を散らし、芝の上に紅と蒼の軌跡が描かれていく。
「はぁあああああああああああああっ!!!」
「やぁあああああああああああああっ!!!」
二つの声がぶつかる。
それは戦いではなく、再会のようだった。
あの頃と同じ、いや、それ以上の“誇り”がぶつかりあっていた。
紅と蒼が重なった瞬間。
風が止まった。
そして――最終直線へと。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「はっ!?」
ヴィルシーナは目を覚ますと、変な場所にいた。
どこまでも広がっている白い空間……。
その空中にいくつかの窓が開いている不可思議な場所だ
その窓は、自分たちが凱旋門賞で走っている姿が、映っている。
まるで、カメラで映されていて第3者から見ているように覗き込める。
しかし動いていない。
時が止まっているようにピタリと静止している。
(え、レースは……?)
自分はなぜこんなところにいるのか。
何が起きているのか。
記憶を辿っていけば確かに凱旋門賞のレース中だったはずなのに。
呆然と立ち尽くしていると。
後ろから誰かが歩いてくる音が聞こえてきた。
「かつて――」
カツン、カツンと近づいてくる。
しかし振り向くまでもない。
その気配は知っている。
「タマモクロスさんに聞いたことがありますわ」
ジェンティルドンナ。
ヴィルシーナはゆっくりと振り向き、剛毅なる貴婦人の姿を目に入れる。
「彼女が引退する有馬記念、オグリさんとともにほんの少しの時間、不思議な場所で語り合った、と。……わたくしたちも、もしかしたらそこにいるのかもしれませんわね? ヴィルシーナさん?」
「……そんな場所が、あるんですね」
「おそらく本当の強者だけが、しかも力が拮抗するウマ娘が同時に競り合って、初めて至れる場所。そんな風に思わないかしら?」
ジェンティルはいつもと変わらない笑みで、両手を軽く広げている。
嫌と言うほど見た強者の姿勢、強者のポーズだ。
シーナは真正面から相対して、問う。
「……私のことを、恨んでないんですか?」
「なぜ、そう思いますの?」
「私が、あの人をここに連れてきました。あなたのトレーナーさんを奪った。きっとあなたには、何か事情があったのに」
「クス、別に責めはしませんわ。おかげで、あの人が迎えに来てくれたんですもの。強くなったあなたと共に……ね?」
嬉しそうなジェンティルドンナは続ける。
「それにわたくし、あの人の声が聞こえましたの♪ "負けるな"って……であるならば、負ける選択肢はありませんわ。今日もあなたに勝ってしまいましょう」
貴婦人の物言いに、ヴィルシーナはいつもののジェンティルドンナが戻ってきたと喜びつつも、どこか素直に喜べなかった。
そう、この煽り方だった。
ジェンティルドンナという、ウマ娘は。
「……それならさっき、私にはこう仰ってましたよ。勝ってみせろ、って、しかもシーナという愛称で」
対抗するように伝える。
「あら、それは幻聴ではありませんの?」
「いいえ、そんなことはありません。全てが終わってから聞いてみてはいかがでしょう?」
「わたくしには、負けるなって仰ってましたし、つまりそれは勝てと同義ですわ」
「それなら私に向けたみたいに、勝ってみせろとトレーナーさんは仰るのでは? 言葉の重みはこちらのほうがストレートですね」
するとジェンティルの語気が強くなる。
「ではそれは間違いなく、どう考えても、幻聴ですわ!」
「それならあなたもそうでしょう!?」
負けじと言い張る。
「今のわたくしは心の中であの人と繋がっていますの。だから分かりますわ。そもそもの話、ずっと、あの人が本来のトレーナーだったんですもの」
「それを言うなら、私だって! あなたがいない間、ずっとトレーニングをつけてくれて、あんなことやこんなこともしてくれました」
「聞き捨てなりませんわね? 詳しくお聞かせくださいませんこと? 場合によっては、あの人を問い詰めないといけませんもの?」
「へぇ、あなたほどの方が嫉妬するなんて、ここに来たかいがあります」
「……」
「……」
「ふっ……ふふふ」
「ふふ、ふふふふ」
「「あはははははは!」」
途端に、おかしくなって笑ってしまった。
世界の頂点をかけたレース中なのに。
本当にこれまで色んなことがあって、大変だったのに。
ついこの瞬間だけは、日本に居た時の、何もなく平和な……ただ強さを競い合っていた頃の日々に戻ってしまう。
「あぁ、おかしい。まさか世界の舞台まで来て、こんな会話をするなんて」
「まったくですね。こんなことを話すためにここに来たのかって、神様に怒られそう」
「そうですわね。あら、本当にお怒りなのかしら、……光が、近づいてきましたわ」
ジェンティルとヴィルシーナは、その光に向き直る。
直感、本能、洞察、なんでもいいが、あれが出口なのだということが分かる。
ほんの少しのひと時が、まるで昔のような懐かしさに戻してくれた。
光が、目の前に迫る。
「ジェンティルさん、……いいえ、ジェンティルドンナ。私は、あなたがいなければってずっと思ってました。だけど、今は違う」
確かに彼女とは切っても切れない因縁があった。
ずっと見てきた背中を超えるために、ここまで走ってきた。
もしこの場所が、何か意味を持っているのなら。
告げる。
「あなたがいてくれて良かった。ここまで私は"あなたたち"に連れてきてもらった。……ありがとう」
「いいえ"ヴィルシーナ"、こちらこそあなたがいたから、ティアラ路線も、ジャパンカップも、そして凱旋門賞も、こんなレースができるんですもの。でも……ここの勝ちは、譲りませんわ」
「ふふ、ならば、私が何もかも支配して奪って差し上げましょう」
「あらまぁ♪ ではこちらも――蹂躙して差し上げますわ!」
もはや言葉を交わさずとも分かる。
伝えたいことは伝えきった。
あとは、全力を出すのみ。
「これで、本当に最後ですわね」
「ええ、お互い全てを出し切って。わたしが――」
「わたくしが――」
そして、時が動き出す――
「「勝つ!!!」」
互いの叫びが重なった瞬間、白の世界が。
音を立てて、砕け散った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『IIl reste trois cents mètres!』(残り300メートル!)
――音が、戻った。
地鳴りのような歓声が押し寄せる。
そこはもう、ロンシャンの最終直線だった。
フォルスストレートを抜けて、最後の戦いの場。
先頭はジェンティルドンナ、ヴィルシーナの両名。
そのあとをヴェニュスパーク、ロゥレディア、エンシュヴィヒトとウォーレアンハーツの4人が追い上げる。
「ぜああぁああああああああああッッッッッ!!」
「たぁああぁあああああああああッッッッッ!!」
紅と蒼が、互いの炎を喰らい合いながら、最後の一線を駆け抜ける
後ろから四つの色が追い上げる。
蹂躙するパワー。
支配する粘り。
2つの力が拮抗し、やがて。
ジェンティルが、わずかに下がった。
『Plus que cent mètres !』(残り100メートル!)
「うぁあああああああああああああ!」
その瞬間を見逃さず、シーナは最後の力を振り絞った。
背後には、去年の覇者ヴェニュスパークが猛烈に迫る。
――あと数メートル。
その一瞬の粘りに、ジェンティルドンナの蹂躙する力も重ねて、彼女は叫ぶように駆け抜けた。
そして――。
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
大地を震わせるような轟音が、ロンシャンを包み込む。
旗が揺れ、観客が総立ちになった。
フランス語、日本語、英語、ありとあらゆる言葉の歓声が交じり合い、ひとつの熱狂の波になる。
「はぁ、はぁ、はぁ!?」
ヴィルシーナは大阪杯の時よりも大きく息をつく。
全身がバラバラになりそうで、意識が遠のいていく。
眼球を動かして結果を表示する電光掲示板を見る。
明滅する視界の中で見えたのは、4着以下の数字。
4着、ロゥレディア
5着、ウォーレアンハーツ
6着、エンシュヴィヒト
「……ッ」
ゴールする直前、シーナはもはや目を開いていなかった。
ただ必死で前に進むことだけを考えて、全ての感覚や意識を脚に集中した。
それはおそらく他の2人も同じだろう。
誰も結果が分からない。
ヴェニュスパークもジェンティルドンナも、滝のように流れる汗をそのままに、ただ立ち尽くしていた。
――掲示板に、結果が映し出される。
『La gagnante est……』(勝者は……)
点滅する数字。
風の音すら止まり、観客の鼓動だけが会場を満たす。
誰もが、その一瞬を永遠のように待っていた。
そして――光が止まった。
1 9
>nez(ハナ)
2 11
>nez(ハナ)
3 15
『La reine bleue venue du Japon、le numéro neuf, VILSHINA!!」(日本から来た蒼き女王、9番ヴィルシーナ!!』
歓声が爆発した。
帽子を投げる人、涙を流す人、誰もがその名を叫び続けた。
ロンシャンの空が震える。
カメラマンたちのシャッター音が、雨のように鳴り響く。
「あ……」
その中心で――シーナは静かに、俯いた。
頬を伝う雫が地面に落ちて、小さな光を弾く。
勝ったのに、勝ったことが信じられない。
今までの想いが、ようやく報われたことを知った涙だった。
観客席では、クラリスが拳を握りしめ、声を殺して泣いていた。
ウィナーズサークルの近くでは1人のトレーナーが、がくんと膝から崩れ落ちた。
ただ、彼は微笑む。
まるで、すべてが報われたかのように。
そして世界は見た。
かつて日本の地で戦い抜いた二人の魂が、異国の空の下で再び交わった瞬間を――。
その姿は、世界を駆け抜ける。
ヴィルシーナ――蒼き女王の名とともに。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ジェンティルドンナぁ! よくも負けてくれたな!? わざとか!? ああ、わざとだなッ!?」
レースを終えて地下バ道へ帰ってきたジェンティルドンナを、怒りのローランが迎えた。
つかつかと早歩きで詰め寄っていき、凄まじい形相が捉えてくる。
「この俺の顔に泥を塗りやがってッ!!」
1番負けてはいけない相手に負けた。
その事実がローランを怒りに向かわせたのは言うまでもない。
だがジェンティルは負けるつもりはなかった。
その上で負けたのなら、もはやどうなろうと知ったことではない。
彼だけは守り通さなければならない。
ローランがやってきたこと、言ってきたことを全て告発して、自分もろとも道連れにする。
「これからどうなるか分かってるんだろうな!! ふざけやがって、この――」
ここで反撃はしない。
ウマ娘にとっては、成人男性とはいえ人間の攻撃などそこまで致命的な怪我にはならない。
一発殴らせでもすれば、スキャンダルの一つでもできるはずだ。
意を決して目を瞑ったジェンティルは、その手を受けようと――
「お、お前……っ!?」
――したところで、ローランの焦る声が聞こえた。
「……?」
うっすら片目を開くと、ローランの姿が見えなくなっていた。
いや、隠れていた。
一人の人間の、背中によって。
それは見たことがあった。
いや、何度も見たことがあった。
その背中だけは、間違えようがない。
3年間ずっと共に歩んできた日々の中で、最初は頼りなかったのに、次第にたくましく、強くなっていった――何度も見慣れた大きな背中を。
「オレのジェンティルに――」
彼はローランの腕を力強く掴んで、もう片方の手をぎゅぅううっ! と握りしめる。
そして――
「何してんだァアアアアアアアアアアアアァァァっ!!!」
ドゴォッ!!! と、思いっきり殴り飛ばした。
ローラン・ジレーヌの体が一直線に吹っ飛んでいく。
10メートル以上飛んだかと思えば、そこから2~3度バウンドし、遠くの壁に激突。
「んげぷッ!?」
潰れたカエルのような声を発して、あの忌まわしき男は意識を失った。
あれほど自分を縛りつけていた糸が、音もなくほどけていく。
その瞬間、ジェンティルは、心の奥の重しがすうっと消えていくのを感じた。
「ジェンティル、大丈夫か!?」
彼は振り向いて、自分の体を心配してきた。
その慌てるような顔だって、何度も見た。
かつては見飽きて注意したこともあったが、今はその顔が、とてつもなく、とんでもなく――愛おしく思えた。
かつて、日本でのトゥインクルシリーズを共に駆け抜けた人。
守るために裏切りものを演じて、敵対した人。
「怪我はないか? 足は問題ないか?」
「……」
そう――世界でたった一人の、自分のトレーナー。
「ふ、ふふ♪ アハハ……♪」
ジェンティルは自然とおかしくなって笑ってしまった。
目尻に零れる涙さえ、笑いの一部となって流れた。
「ジェンティル?」
「相変わらずね、あなたは……♪」
「???」
首を傾げて何も分かっていない彼は、眉を顰める。
その表情も、その仕草も、全てが愛らしい。
「っ、シーナ!!」
彼がもう一人の"担当するウマ娘"の元へ駆け寄っても。
ジェンティルは喜びと安堵を噛みしめるように、穏やかに微笑んだのだった。
「今回だけよ、ヴィルシーナさん……♪」