デュエル・マスターズDESTINY ~異世界からの刺客達~ 作:ニコルブリッツ(柏ニコル)
東京、神田を、3人の少女が歩いていた。
絵名「それにしろ、こんな見知らぬ土地飛んできて、人探せって言われてもさぁ」
絵名は不満も漏らす。
まふゆ「何も情報無しに探すのはほぼ不可能だよ」
絵名「そんくらいわかってるわよ。はぁ、警察にでも行った方が早いか...」
奏「...」
まふゆ「奏、何見てるの」
奏「あの子...」
奏は、前から歩いてきた黄色髪のツインテールの子を指さした。そしてすれ違う瞬間、両者はどんよりとした空気と共に、記憶の欠片が流れた。
絵名「ねぇ、ちょっと...」
絵名が振り向いた時には、既にその姿は無かった。
絵名「あれ、いない...」
まふゆ「幻覚...?」
絵名「わからないけど...とりあえず行こっか」
そして3人は再び歩き出した。
だがそれは幻覚ではなかった。
瑞希「なんで、絵名達がここにいるんだよ...!」
瑞希は少し離れた建物の死角にいた。あの3人には話し掛けられる訳にはいかないと、すれ違った後にミラージュコロイドを使ったのだ。
瑞希(こんなとこいたら見つかるのも時間の問題...!クソッ、本部に戻るしかない!)
そして瑞希もその場を去った。
スバル「やっぱり、1週間前に起きたワールドブレイクが原因かな」
こより「可能性としてはやはりそうかと。その日を境に異世界からの来界者が多いようですし」
スバルとこよりは通路を歩きながら本部に届く報告について話していた。
スバル「異世界からの来界者はほとんど対処できてるが、気になる人物が」
こより「それって誰ですか?」
スバル「番号20200827-25『暁山瑞希』、こいつだけ目撃情報が出てないんだ」
こより「ヘーソウデスカー」
スバル「なんだ急に棒読みになって、心当たりでも?」
こより「いや、ブレイクの情報だけでなにも...」
スバル「情報出たらすぐに報告しろよ」
こより「わかっています...ではこれで」
スバル「おけ、じゃな」
こよりはスバルと別れて自室へと向かっていった。
スバルは外へ出て空気を吸った。
スバル「うーん、なんかモヤモヤするんだよな〜」
現在のindie a liveの状況は、一時的にニコルが消え、ルイとフブキが何やら変な物を持ち帰ってきたことで、微妙な規模ではあるが、組織内に亀裂が入り始めていたのだ。
スバル「現在の最高指揮官はスバルだから、ちゃんと道を示さないとなぁ...」
絵名「あの〜」
スバル「ん?」
独り言を言っていると、少女3人組がスバルに声を掛けた。
スバル「どうしたんだい?」
絵名「ちょっと人を探してるんですけど...」
スバル「スバルはそこらのお巡りさんじゃないよ」
絵名「いやぁそこをなんとかできませんか?」
スバル「ちなみに、その探してる方の名前は?」
絵名「えっと...『暁山瑞希』って子なんですけど...」
スバル「...!」
まふゆ「なにか知ってるの?」
スバル「もしかして、君たちこの世界の人じゃない?」
3人「...多分」
スバル「じゃあ、秋葉原近くの桜神社って知ってる?」
3人「...知らない」
そこまで言った所でスバルはスマホを見る。
スバル「番号、20200210-25『宵崎奏』、20200127-25『朝比奈まふゆ』、20200430-25『東雲絵名』なるほど、どうやら君達もワールドブレイクによる来界者だったか」
絵名「ワールドブレイク...って、何それ?」
スバル「まあいいさ、ちょっと中に来な」
絵名「それで、さっきの『ワールドブレイク』ってなんなんですか?」
スバル「ちょうど1週間前、宇宙で次元が割れる現象が起きた。そこから流星なり小隕石なりが地球に降り注いだんだ。幸い、その隕石らは地上に直撃することはなく、全て海に堕ちたんだが、その日を境にしてこの世界に住む人物ではないやつが度々現れるようになってな、こっちも対応に追われてるんだ」
奏「ちなみに他の世界から来た人ってどうなるの?」
スバル「基本的には保護している。こちらの今の技術では元の世界に返せそうにないんでね。だが、危険値が高い者はその場で処理されることが多い」
絵名「もしかして...殺害ってこと...?」
スバル「まぁ、そうだな。まあ安心しろ、かなりオーバーなやつしか処理しないから」
絵名「だとしてもねぇ」
フブキ「スバル、その子達は例の?」
スバル「フブキか、そうだよ、ワールドブレイクの」
まふゆ「ケモミミと尻尾、この人もワールドブレイクで来た人?」
スバル「いや、フブキは元からの軍所属だ。こっちの世界も、一部の地域では人外種が普通に住んでるからな」
3人「へ〜」
スバル「ってことで、そいつの捜索は任せろ。もしかしたら協力してもらう時もあるがな」
絵名「はい、ありがとうございました」
フブキ「って、どこ行くのよ」
絵名「どこへって、泊まる所探す予定ですけど...」
フブキ「...もしかしてだけど、さっきスバルが言ってたこと忘れたなんで言わないでしょうね?」
絵名「へぇ?」
絵名の目が点になる。
まふゆ「さっきスバルさんは『ワールドブレイクでここに来た人は軍で保護する』って言ってたよ」
絵名「もしかして私達も...?」
スバル「じゃなかったら?」
絵名「おっしゃる通りで...」
と、言うことで、あの3人を部屋に案内した後、スバルとフブキ2人で通路を歩いていた。
フブキ「ちなみに当てはついてるの?」
スバル「いや?ただ、こよりがなんか知ってそうなんだよなぁ」
フブキ「確かに、なんか秘密はありそう」
階段まで来ると、ミオが合流し、スバルは下の階へ下って行った。
ミオ「ちなみに、ネビュラ山岳で見つけたあれは?」
フブキ「ココの地下で詳しく調べさせてるよ」
ミオ「...ねぇさ、フブキって、もしこんなことがなかったどうしてた?」
フブキ「どうって?」
ミオ「[もし、ニコルと出会わなかったら]ってこと」
フブキ「それは、わからないな。白上も、ミオも、まだあの時点ではちゃんとした目標決まってなかったわけだし。それこそ、世界を守るべく戦うなんて壮大な事、白上達だけだったら、絶対に無理だったよ」
ミオ「うん...」
フブキ「でも、彼と出会ったからこそ今の、『准将』という階級を持った『白上フブキ』がここにいると思うよ」
ミオ「確かに」
フブキ「それに今この軍にいるから言えるんだけど、もしワールドブレイクの影響で、他の世界から『もう1人の白上』が来たとしたら、なんかわくわくしてる自分がいるんだ」
ミオ「それは、ウチも同じかな。ドッペルゲンガーじゃなくて、他の世界で生きてるウチ達は見てみたいかも」
そう会話したがら屋上へ出ると、1人の黄色髪の少女が鉄柵に寄りかかってたそがれていた。
ミオ「あれ、あの子...」
少女は白上達に気づき、こちらを向いた。
フブキ「あなたがニコルの言ってた『ファディ=ロムドル・アマルフィ』...いや、『暁山瑞希』ちゃん?」