デュエル・マスターズDESTINY ~異世界からの刺客達~ 作:ニコルブリッツ(柏ニコル)
受験まで1週間ですがここで1本出します
瑞希「...はぁ」
ボクはindie a live本部の屋上で1人、柵に寄っかかっていた。
昼に絵名達と遭遇してからすぐに本部へ戻ってきたものの、本当にあの行動が正しかったのかと悩んでいた。
瑞希(でもボクにはもう、絵名達とちゃんと話せる気がしない...)
そうやって1つ、また1つと距離が空いて、やがて姿すら見えなくなってしまう自分が怖くなってしまう。
あの時の絵名の顔が浮かび、涙がこみ上げてくる。
すると後ろの方で音がしたので、すぐに涙を引っ込め振り向いた。
そこには白髪で狐のような姿をした女性と、先日会った黒髪で狼の姿の女性がいた。
ミオ「あれ、あの子...」
フブキ「あなたがニコルの言ってた『ファディ=ロムドル・アマルフィ』...いや、『暁山瑞希』ちゃん?」
ミオ「え、あの子が!?」
フブキ「もしかして、会った?」
ミオ「...うん」
そこまで言うと前にいる子は擬態を解き、『暁山瑞希』の姿へと戻った。
瑞希「あなた達は、何者なんですか...?」
ミオ「indie a live白狐隊所属、大神ミオ大佐」
フブキ「同じく、白狐隊隊長、白上フブキ准将だよ」
瑞希「それで、あなた達がボクに何の用ですか?」
フブキ「ニコルから、あなたが結構大変だって聞いてね。悩んでるでしょ?あの子達の事」
瑞希「はい、実は...」
彼女は事の顛末を全て話した。それと同時に悲しみ、怒りを全て吐き出した。
瑞希「でも、今からどうしようたって、ボクにはもう...」
フブキ「彼女達は必死に探してるけど、それでも?」
瑞希「もう、無理なんです...」
彼女の目かれ大粒の涙がこぼれる。
フブキ「でも、それで終わってしまってはダメだって、白上は思うんだ」
瑞希「あなたにわかるんですか?この辛さが」
フブキ「白上には分からないこともあるかもしれない。だけどニコルならわかってくれるさ」
瑞希「え...」
フブキ「動かなければそれだけ、だけど結末は最悪な方向へと進み続けている。今もそうだよ、動かなければ、何も変わらないんだ。それは本当にあなたが望んだことなの?」
「あなたが望んだのは、本当にそんな未来なの?世界なの?」
その言葉と同時に、頭に色んな情報が流れ込む。
崩壊するコロニー
対艦刀で斬られて爆発する機体
飛んできた盾がぶつかり爆散する戦闘機
10kmにも及ぶ核爆発
施設の爆破により炎の中に消えていく男性
世界を終わらせるために戦った男の最期
ベルリンでの戦闘
陥落する宇宙要塞
地上での核ミサイルによる爆発
日本刀でつか抜かれ宇宙の塵となって消えていく恋人2人組
その全てが、頭の中を駆け巡った
瑞希「ボクが望んだのは、こんな未来じゃない。けどボクにはわからないんだ!あの顔を見てしまったからには!」
今でも浮かぶあの時の絵名の顔
そして遠ざかっていくニーゴのメンバー
まふゆ、奏、そして絵名
全てが過去の遺産のように崩れ落ちていく
瑞希「でも、そんな最悪な結末を変えられるなら、ボクは何だってする!たとえこの身体を犠牲にしてでも!」
フブキ「それが、あなたの答え?」
瑞希「はい、ボクは必ず、絵名達との関係を取り戻してみせる...!」
フブキ「わかった、ミオ」
ミオ「うん」
ミオが瑞希ちゃんに差し出したのは、1つのバンドだった
ミオ「確実に変えられるとは言い難い。だからこれを使ってほしいの」
瑞希「これは...?」
フブキ「デスティニーガンダムの力を受けられるバンドよ。まさに未来の『運命』を変えられる代物よ」
瑞希「ガンダム、ということは、ボクは戦わなければいけないんですか?」
フブキ「ちゃんとしたモビルスーツ訓練を受けてない今のあなたでは無理だけど、そのバンドであれば訓練を受けていなくてもその力を最大まで引き出せるの」
ミオ「ただ、もしかしたら、絵名ちゃん達とも戦うことにもなるかもしれない...」
瑞希「絵名...」
今でも、まだ忘れられない。
だけど、未来は変えることができる
瑞希はバンドを握りしめる。
瑞希「もう覚悟はできました。過去に囚われず、戦うと決めたから...!」
瑞希の目には、昔家族を失ったあの青少年のような瞳が映っていた。
絵名「瑞希...」
瑞希の真実を知ってしまってから、絵名自身にも迷いが生じるようになってしまった。
あの時瑞希を止めることができなかったから
瑞希のことをちゃんと思って、信じていれば、こんなことにはならなかったのか
でも誰も悪くはない、事は急に始まってしまったのだから
だけど瑞希を放っておくことはできない、そう思ってこの世界まで追ってきたのに...
絵名「...バカ、ガキ...」
その一言のみ呟き、絵名も眠りについた