IS~貴婦人と黒獅子   作:茶々円

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案外早く書けました。

フルブやってます。中佐付近でバンシィかバンシィノルン使ってます。


一角獣と鳳凰

「ふ、ふん!増援が来たわ!もうあなたに勝ち目は無いわよ!さっさと投降してそのISを渡しなさい!」

「…………………」

 

 

教師であった女はセシリアに強く言うがセシリアは全く反応しない。まるで意識がないかのように………。

事実、この時のセシリアは怒りや憎しみ、悲しみの感情をバンシィの光っている部分────サイコフレームによって無理矢理増幅させられ、セシリアがバンシィを駆ると言うよりバンシィがセシリアを自らのパーツとして考え、ただの負の感情を増幅し、暴走させるマシーンと化している。

 

 

 

 

数分後……増援が3人到着し、4VS1の状況になってしまった。

 

 

 

「あの光っているのはただのまやかしよ!捕らえなさい!」

「……………」

 

 

 

バンシィはサイコフレームを推力に使用し、ハイパーセンサーでも捉えられない程の凄まじいスピードで移動を開始した。標的にされた女は自分の周りを煌めく金色の光の粒子が舞っていることに恐怖を覚えた………

 

 

 

 

 

が、恐怖を覚えたときにはもう遅かった。バンシィはバックパックにマウントされているビームサーベルを解放し、女の右腕をバターのように切り裂いた。

 

 

 

「あァァァァァ!!痛い!痛い!助けて!助けてよ!ねぇ!?」

 

 

女は他の隊員に助けを求めたが既に全員の顔は恐怖で引きつっており、誰も助けようとしなかった。そもそも刀身が100%ビームで構成されている『ビームサーベル』はまだ実現不可能と言われていた武器だ、恐らくIS技術が一番高いドイツでもブレードからビームを放出する『ビームブレード』が最先端の武器として注目を集めているのに。

 

 

 

 

「……………今楽にしてあげますわ………」

「え」

 

 

 

バンシィは痛みで顔を歪めている女の、装甲が薄い胸部に対して思いっきり掌底打ちを食らわせた。

 

 

 

「あっ………がっ……………」

 

 

 

 

 

バンシィの掌はその女の胸部を貫き、風穴を開けた。そしてその風穴を開けた部分からは血が吹き出した。

 

 

 

「うふふ…………まずは一人………あはは………お父様………やりましたわよ……………あはははははは……………」

 

 

 

セシリアは返り血で濡れきった顔で笑っていた。その笑顔には狂気が入り交じっており、それがより女達に恐怖を与えた。

その狂気に答えるようにセシリアの纏うバンシィの初期設定が完全に終了、形態移行が行われた。

全体的にラファールのようなデザインからゴツゴツした見た目、V時型に展開されたハイパーセンサーは鶏冠のような形に。そして右腕には超高精度の予測照準レールガン『アームドアーマーBS』、左腕には獅子の爪のように展開された巨大な振動破壊兵器『アームドアーマーVN』、そして腰部には超高出力ビームライフル『ビーム・マグナム』が現れ、が獲物を狩る黒獅子としての真の姿を現した。

 

 

「…………逃げる………逃げるのよ!!こんな奴に勝てる訳がないわ!」

「……………逃がしませんわ。」

「ひっ!」

 

 

女達は恐怖から逃げ出したがバンシィは見せしめの如く女の一人を捕らえ、耳元で『アームドアーマーVN』の振動する際の音を聞かせた。女の顔は恐怖で青ざめており、それがますますセシリアの苛立ちを加速させた。

─────多くの人を殺しておいていざ自分が殺されるとなると青ざめ、泣く。………そうだ、どうせなら恐怖を味わせてから殺そう。

 

 

 

「………今からこの振動武器をあなたの耳に当てますわ……するとどうなるでしょうね?」

「嫌………やめて……謝るから………そうだ!お金!いくら出せば許して

 

 

 

 

 

 

 

……………ぁぁぁぁぁぁぁ!!!嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!耳がぁぁぁぁ!」

 

 

───『お金』、それはセシリアを怒らせるのに十分な起爆剤であった。このバンシィも金のために回収しようとしたのだろう。金の為に美術館が………芸術品が……………そしてお父様も全て破壊された…………こいつらは自分の欲望を満たすために私の全てを壊した。

 

 

 

ユルセナイ

 

 

 

 

 

コロシテヤル

 

 

 

コイツノハラヲヒキサイテヤル

 

 

 

そう思った時には既に『アームドアーマーVN』を耳に当てていた。女は叫ぶがそれはセシリアの怒りを増幅させるだけだ。

セシリアは『アームドアーマーVN』を熊手状に展開してそれを振り下ろし、女の右腕から下半身にかけてを引き裂いた。女は痛みで叫ぶがセシリアは止まらない、足に『ハイパーバズーカ』を打ち込み、女の足を消し炭にする。

 

 

「……………終わりですわ。あの世で罪を償いなさい。」

「やめてぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

 女の言葉も関係なく、『ハイパーバズーカ』の弾薬部分で、女の顔を叩き潰した。女は絶命し、またそこから血が飛び散る。その血はまたセシリアを濡らした。

 

 

 

「………さてと……………」

 

 

 

セシリアは自らの負の感情を増幅させ、それをバンシィのサイコフレームに通し、ドーム状の光を美術館全体に張り巡らせた。その光は逃げる女達の場所、次にどこに逃げるのかをセシリアに教えた。

 

 

「あと3人ですか………終わらせましょう……」

 

 

 

セシリアは血のように赤い瞳を煌めかせ、獲物の追跡を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…もうすぐで出口…………!なっ!?」

 

 

 

美術館から出かけた女に待っていたものは希望

 

 

 

「あらあら、どこに逃げますの………?」

 

 

 

 

 

 

 

ではなく絶望であった。

 

 

 

なぜなら『逃げ切れた』と喜びを抱き、勝利を確信した矢先、目の前に現れたのは 血肉に餓え、返り血で真っ赤に染まっている黒獅子………目に光が宿っていないセシリアの纏うバンシィがいた。。

 

 

 

 

「く、来るなぁ!来るなぁ!」

「……………黙れ。」

「ギャアアアアアア!あたしの!あたしの顔がぁぁぁぁぁ!」

 

 

女は必死でサブマシンガンやミサイルなどをばらまいたがその抵抗も虚しかった。バンシィの推力に身を任せ女の顔面に肘打ちを食らわせた。これによって女はゆうに20mは吹っ飛び、奥の壁に叩きつけられ。さらに鼻の骨や顎の骨も折れ、最早女性とは呼べないような顔になっていた。セシリアはその叩きつけられた女を仰向けに押し倒し、片手でビームサーベルをギリギリ当たらないレベルの大きさに変え、女の胸元に突きつけた。

 

 

「嫌…………許して………まだ死にたくないの………お願いします………なんでも……なんでもしますからぁ……」

「へぇ、なんでも………」

 

 

 

 

セシリアはその女を解放し、自由にした。女は助かったと思ったがそれは大間違いだった。

 

 

 

「なら武器の威力テスターになってください。」

「はい!それくらいな……………●◆●◆●◇○◯◆●◇○●◇◆!!!!」

 

 

 

この女は自分がバンシィの武器を使い、威力をテストするのだと思ったが違った。自分の身を実験体に武装のテストをしたのだ。

耳元に装備されたビームバルカンを全て喰らい、最終的には蜂の巣となり、最早人であったかも理解できない程になっていた。

 

 

 

 

「…………次……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美術館 外

 

 

 

「逃げ切れ…………え?」

 

 

 

女が悪寒を感じ後ろを見ると『アームドアーマーBS』を自身の首に向けているセシリアがいた。

 

 

 

 

「……………」

 

セシリアは女がこちらに気付いた瞬間に『アームドアーマーBS』から電撃を放った。女はそれを間一髪で避けるがセシリアはそれを予期していたのように瞬時加速を使い女の正面に回り込み、女の肩を掴んだ。

 

 

ビキビキ………メキメキ………ギギギギ……ギギギギ……

 

 

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!痛い!痛い!止めて!許して!」

 

 

 

 

女は喚いていたがセシリアは力を緩めない、そしてバキンと言う鈍い音と共に女のISの右腕部パーツが腕ごと肉体から離れた。

 

 

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!腕が!私の腕がぁぁぁぁぁ!」

「見苦しいですわ、黙って下さい。」 

「あっ………」

 

 

 

 

セシリアはビームサーベルを心臓に向け、そのまま

ビーム刃を延ばし、女の心臓を貫いた。

 

 

 

 

 

「………あら?なんでしょう?あの飛行船は?………まあいいですわ、あと一人………」

 

 

 

 

 

 

セシリアは自分の教師であった、私のクラスメートを殺したあの女の下へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

イギリス上空・飛行船、その席には二人の少女が座っていた。

1人は栗色の髪の毛でツインテールの活発な女の子であったが瞳は彼女の国の標準的な色とは全く異なり、全てを見通すような金色の瞳をしていた。

もう1人は眼鏡をかけた青色の髪の毛の落ち着いた日本人の女の子でツインテールの少女と同じく瞳の色はエメラルドのような美しい碧色であった。

ツインテールの少女の首には金で作られた鳳凰のネックレスがかけられており、青色の髪の毛の少女の手には純白の一角獣の指輪がはめられていた。

 

 

 

「全く………黒獅子の一族見つけたと思ったらNT-Dに取り込まれてるじゃない………。サイコモニターは?」

「健在だよ……今あと1人の女を殺しに向かっている……それとあの子のNT-D………そろそろ稼働限界来る………」

 

 

 

セシリアはNT-Dで大暴れしていたがパイロットの身体の安全性を考え、基本的には五分が稼働限界時間である。それ以上NT-Dを使役すると負荷に耐えられず間違いなくパイロットは廃人となるか、Gに耐えられず死亡してしまう。

 

 

 

 

「ああもう!めんどくさいわね!行くわよ!」

「うん!」

 

 

 

二人の少女─────鳳鈴音と更織簪は飛行船の非常脱出口に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、美術館

 

 

 

 

 

「見つけましたわ。」

 

 

セシリアは最後の1人────一番憎い女を見つけた。だがあちらはこちらの存在に気づいていない。セシリアはニヤリと笑い腰に装着している。『ビームマグナム』を手に取り、それを放った。女はそれに気づいたのか慌てて回避したが分散したビームが掠め、右脚部装甲を破壊した。

この『ビームマグナム』は現在様々な国が開発中の通常のビームライフルと比べて高出力な事に加え、ビームが通った軌道にはビームサーベルと同等の威力の紫電が散る為、並みのISなら直撃させずとも掠めただけで破壊できるレベルの破壊力を持つ。

 

 

 

 

 

 

 

セシリアは瞬時加速を使い、女に高速で詰め寄った。セシリアは勝利を確信して喜ぶ。

だがこのときセシリアは気付いていなかった…………

─────NT-Dのリミットが五分しかないこと、そして今NT-Dを起動して4分30秒であると言うことを……………。

 

 

 

 

 

「お久しぶりですわね……………」

「ば!化け物!化け物ォォォ!」

 

 

 

 

女は武器を構えるが構えた瞬間にビームバルカンでそれを破壊する。更に脚部の推進機を破壊し、動けなくした所を『アームドアーマーVN』を展開し、ゆっくり……ゆっくりと近付く。

 

 

「来るな!来るなァァァァァ!」

 

 

 

 

女は必死で逃げようとするが推進機を失ったISなどただのデッドウェイトだ。

そうしてセシリアは女を捕らえ、『アームドアーマーVN』を熊手状に変形させ、引き裂こうとした…………

 

 

 

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!…………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女が死を覚悟した瞬間、バンシィの金色の発光が止み、展開部分が元に戻った。そしてセシリアを解放した。

 

 

 

 

 

「……………私は一体………はっ!」

 

 

 

 

 

私は意識を取り戻した。それと同時に『バンシィ』に捕らわれ、自分が3人もの女を無残に殺したことが頭の中に入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

私が人を殺した………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ……ハァ……! ハァ……!! ハァ……!!

イヤァァァアア!! アアァァ!! アァァ!!!私が!………人を!………!」

 

 

 

 

白い制服は私が殺した女の血で真っ赤に染まっていた。それを見た私は胃の中の吐き出してしまい、今にも気が狂いそうであった。………いや、このまま狂ってしまったほうがどれだけ楽だろう………

 

 

 

「ふ……ふん!どうやら時間切れのようね!調子に乗るからよ!」

 

 

 

 

目の前では女がナイフを構えていた。そうだ、さっさと殺してくれ……………

 

 

 

 

「死ねェェェェェェ!!」

 

 

 

 

────お父様……お母様……………私も今からそちらに………

 

 

 

 

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

 

私が覚悟し、ナイフが私の頭に突き刺さる瞬間、突如上空から緑色の弾丸が降り注いだ。

その弾丸は女の腕に当たり、大火傷を負わせた。

一体何なんだろう?私が上を確認すると裏にガトリングを装着したシールドが浮遊していた。そして更にその上には…………

 

 

 

 

 

 

「…………白と金の………バンシィ!?」

 

 

純白の機体は赤い光を輝かせ、金色の機体は青色の光を煌めかせ、こちらへ降下してきた。

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────

 

 

 

 

 

「か~んちゃん!りんり~ん!武装はこれでいいかな?」

 

 

 

私の専用機『ユニコーン』の専属整備士の本音がタブレット端末を此方に渡し、武装の確認を頼んだ。………どれどれ?

ビームマグナム

シールド

ビーム・ガトリングガン

ハイパー・バズーカ

 

 

「全然大丈夫だよ………鈴は?」

「うーん、大丈夫かな?」

 

 

 

鈴も納得したようだ。実際本音はのほほんとしているように見えるが中学二年生にして世界最高クラスの整備士であり私と鈴の『RXー0』の整備を一手に担っている。というよりの整備が可能な人間─────サイコフレームの秘密を知っている人間は現状鈴の祖父、私の父、そしてあの『バンシィ』の駆り手の家族、そして本音だけである。よって私達と同じ年の本音がメインに整備をしている。

 

 

「じゃあ二人ともハッチに行ってねー!」

「わかったわ!」

「了解。」

 

 

 

 

この飛行船は欲にまみれた汚い人間達から『RXー0』を隠すための目的に更織家が用意した自家用飛行船である。そして本来は荷物倉庫であった場所が非常脱出口兼ISの出撃場所も兼ねている。そして今ISを纏った鈴と私は出撃場所にISのパーツを固定した。

 

 

 

 

 

「準備はいい!?」

「OK!鳳鈴音!フェネクス!出るわ!」

「大丈夫!更織簪!ユニコーン!行きます!」

「パージ!」

 

 

 

私達のISは飛行船の固定パーツから離され、大空へと舞いおら。そして下を見るとNT-Dが解除され、機体から解除されたバンシィの駆り手が前の女に刺し殺されそうであった。

 

 

 

「簪!間に合わないわよ!」

「私のシールドなら間に合う!……………答えなさい!ユニコーン!」

 

ユニコーンは私のその言葉に反応するように機体の各所が展開され、そこから赤い光を発した。そして腕部のシールドとマウントされたビーム・ガトリングガンをパージ、それをビットのように動かし、先に向かわせた。

このシールド、理由は私にもわからないがバーニアなどの推進器がないにもかかわらずサイコフレームによって発生した物理的エネルギーで単独浮遊、ビットのように遠隔操作することが可能である。

 

 

 

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

地上から女の叫ぶ声が聞こえた。おそらくガトリングガンの直撃を受けたのだろう。とりあえずこれであの女は無力化した、さっさとバンシィとその駆り手を保護してここから離脱しよう。

 

 

 

 

 




はい、鈴ちゃんと簪ちゃん、のほほんさんの登場回です。

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