IS~貴婦人と黒獅子   作:茶々円

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プロローグ終了です。
鈴の設定が少し変わっています


別れ

「ふー………、疲れた……」

 

 

 

私はバンシィのデストロイモードの連続使用で非常に疲れが来ており、飛行機のベッドで寝ころんでいると本音さんがやってきた。

 

 

「セッシーのお家ってこの飛行機止められるスペースはある?滑走路とかなしで大丈夫だから!」

「ええ……敷地面積的には余裕ですわ。」

 

 

 

 

 

この小型飛行機程度なら余裕で止められるだろう。それにお父様の言っていたオルコット家の地下も見てみたい。

 

 

 

オルコット家に到着するまで私達はそれぞれ自分のことを話し合った。

3人がイギリスに訪れた目的は黒獅子の一族………お父様が私に『バンシィ』を託すことを放棄したので『バンシィ』回収に訪れ、そこで暴走している私を見つけ、保護したとのこと。………回収したバンシィは代わりのものが搭乗する予定だったらしい。

そして鈴さんが先程焦っていた理由は一夏さんは1ヶ月前まで同じ学校であり、五反田弾さんと共に仲の良い友人であったと言う、再び会える日を楽しみにしていた所誘拐事件と………、私が言えませんが一夏さん、確実に鈴さんに一目惚れしてましたよね………

 

 

 

おや、そろそろオルコット家に着きますわね………どうやって止めるのでしょう?ってえぇぇぇぇぇぇ!?

 

 

 

 

飛行機はその場に停滞し、ゆっくりと降りていった。これも現代の技術では有り得ないものだ。………『RXー0』といいオーバーテクノロジーのオンパレードである。

 

 

ふと降り立ち、横を見ると簪さんが誰かに電話していた。

 

 

 

 

 

『うん、じゃあ………、え?セシリアと話したい?うん、変わるね。』「セシリア、私のお父さんが話したいって。」

「わかりました。………はい、お電話変わりました、セシリア・オルコットですわ。」

『……こんにちは、簪の父です。この度はすまない……、私がもっと早く危険を感知していれば………』

『いえ、あれは欲望に目がくらんだ馬鹿のせいです、誰の責任でもないと私は思います………』

『そうか……………

私と君のお父さんは友人でね。君のお父さんは武装の面では凄まじく、その『ビームマグナム』も君のお父さんが作ったんだよ。』

「まあ!」

『………それでセシリア、君さえ良ければ二年後、簪と鈴と一緒にIS学園に入学してくれないか?費用は私が持つ。』

「………いえ、学費は自分で払います。そんな面までお世話になるときっと天国のお母様に怒られますわ。」

『ははは、その芯の強さは君の母さんにそっくりだな。また更織家に来なさい、歓迎するよ。』

『はい、ありがとうございます。』

 

 

 

私は簪さんのお父様との話を終え、簪さんに電話を返した。……まさかお父様がここまで優れた武装を作ることができたなんて……

まあさっさとオルコット家に入りましょう。

 

 

 

 

 

オルコット家・父親の部屋

 

 

 

 

「ふむ……ここですわね……」

「何かあるの?………それにしてもこの部屋………本が乱れてる……激しく動いた跡が………」

「確かここに私達のISの待機形態をはめると………きゃぁ!?」

 

 

 

 

 

 

私達が机の窪みに指輪とネックレスを置くと、なんと部屋の床自体がスライドし、地下への道が現れた。

 

 

「なるほどね、激しく動いた跡はこの移動のことだったのね……………」

 

簪さんは1人で納得していた。…………いや、お父様の部屋には三日前に入ったがこのように動いた跡はなかった…………つまり………

 

 

 

 

 

 

 

 

「広いわねー。……………誰!?」

 

 

部屋の奥ではメイド服の女性が立っていた。私はその姿に見覚えが………いや、見覚えがあるというレベルではない。

 

 

 

 

「……………チェルシー……?」

「お嬢様……」

 

 

そう、私の幼なじみでありメイドであるチェルシーが部屋の整理をしていた。………もしかしてチェルシーはすべて知っていたのか?………とりあえず本人に聞いてみよう。

 

 

 

「チェルシー…、あなたは全て知っていたのですか?」

「………ええ、ですかご当主……お嬢様のお父様のご意向であなたにはなにも知らずに生きていてほしいとのことだったので………申し訳ありませんでした。」

「そう………ですか………」

 

 

 

色々話を聞いている内に飛行機の燃料補給が終了した本音がやってきた。

 

 

 

「あ!チェルるんだ~!おひさ~!」

「あら本音!久しぶり!」

「え!?チェルシーは本音さんのことを知っていますの!?」

「ええ、………鳳凰の一族の守り人は全滅しましたが黒獅子・オルコット家と一角獣・更織家には神獣を守るための一族が存在します。………それが私達ブランケット家と布仏家なんです。」

「まあ………」

「………とりあえず更織様、鳳様、お嬢様。こちらに来て下さい。」

 

 

 

 

 

私達はチェルシーに連れられ、さらに奥に向かった。

 

 

 

 

 

「広………」

 

 

 

 

狭い通路を抜けると、そこには広々とした空間が広がっており、そこには大量の武装の数々が存在した。

 

 

 

「ここはあなたのお父様が一角獣と鳳凰の一族に託すために生涯を賭けて集めたサイコフレームの鉱石、そしてそれを加工したアームドアーマー、さらにその他の武装の格納庫です。」

「チェルシーさん………だっけ?」

「ええ、どうかなされましたか更織様?」

「私達はバンシィの回収にここまで来たわけだけどもし全て上手く行って回収出来た場合は誰がバンシィに乗っていたの?」

「………先ほどの守り人の一族にはもう一つの役割が存在します、その役割とは『何らかの理由でRXー0が放棄された場合、その乗っていた者に変わり守り人の一族の人間が搭乗する』と言うルールです。………そのルールにより私が搭乗することになってました。

例えば更織様が放棄していた場合は本音が乗ることになりますね。」

「ならチェルシーもISの訓練を?」

「ええ。このカチューシャが待機形態です。」

 

 

 

 

チェルシーはそう言ってカチューシャを外し、白色を基調としたISを展開した。

 

 

 

「これがご当主からISに関する様々な知識、整備方法を教えていただき、私が1から組み立てた専用機『シルヴァ・バレト』です。…………そういえば本音、あなたにご当主からのプレゼントがあるわよ。私も製作に参加しているから詳しいことは私に聞いてね。」

 

 

 

 

チェルシーは指輪のようなものを取り出し、本音に渡した。………あれは、IS……ですかね?

 

 

 

本音さんがその指輪をはめ、ISを展開した、緑色のボディで特徴的な四枚の羽のようなものが特徴だ。

 

 

 

 

「うーん、メインはビット兵器、それに羽の裏にはメガ粒子砲があるの。」

「大正解よ、その『クシャトリヤ』だけど武装に不満とかある?変えられるものなら変えるわよ。」

「あー、特にないかな。」

「わかったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから私達は色々なことをした。チェルシーと戦ったり、鈴さんの装備を変更したり………

 

 

 

 

そんなこんなしているうちに夜になった。

 

鈴さんと簪さんは明日飛行機で日本に帰るらしい。皆さんも一応学生で学校があるのでやはり次に次に会えるのは長期休みの時らしい。

そしてチェルシーも来年からIS学園に入学するらしいので私も来年から鈴さん同様更織家に居候させてもらうことになった。

 

 

 

 

「ごちそーさまー!いやー、チェルシーさん流石ね!もう最高!」

 

 

 

鈴さんはチェルシーの料理を大絶賛していた。

 

 

 

………それにしても鈴さん……かわいいですわね……、いけないいけない、女性が女性に恋をするなど……

 

 

 

「あっ…」

「どうしましたのチェルシー?」

「布団がお嬢様のベッドと合わせても二組しか………」

「別に一つのベッドで2人か3人寝ればいーんじゃないの?」

「いえ、私は今日の出来事の報告にブランケット家に戻ります。よろしいでしょうか?」

 

 

 

 

「鈴さん、簪さん、本音さんはそれでよろしいですか?」

「いいわよ、じゃ、セシリア、一緒に寝よっか?」

「わかりました、なら簪さんと本音さんでよろしいでしょうか?」

「うん。」

「わーい!かんちゃんとお泊まりー!」

「一応ベッドメイキングは済ませています、では私はここで失礼しますね。」

 

 

 

 

そういってチェルシーは去っていった。

………思い返せば悪夢のような1日だった。…………ただ皆さんと出会えたのは本当に嬉しい。それにお父様の真意も知ることができた。とりあえず今日は寝ましょう……

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

セシリアの部屋

 

 

「ひっろ!ベッドでかっ!?」

 

 

 

鈴さんは私のベッドに思いっきりダイブした。

………鈴さんを見てると胸がドキドキする……、私にない活発さを持っていてそれでいて私と同じ運命を辿っている……

 

 

 

「セシリアー、顔真っ赤よ?どうしたの?熱でもあるんじゃないの?ちょっと失礼するわね。」

 「ち…近い!近いですわ!」

 

 

 

鈴さんは私のでこに自らのでこを当てた。……………この気持ち………もしかして………いや……そんな……

 

 

 

 

 

「は、早く寝ましょう!」

「え…ええ。」

 

 

 

 

私は部屋の電気を消し、鈴さんを放って眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

「……ここは…?」

 

 

 

起きると私は謎の場所に立っていた。周りは金色で何かが蠢いている、そして向こうから3つの足跡が聞こえてきた。

 

 

 

「だ、誰ですの!?………ひっ……!」

 

 

 

 

目の前には足がなく顔が潰れた女、右腕がなく胸に穴が開いた女、最早人であったかもわからないレベルに何かを打ち込まれ蜂の巣になった女、そして右腕が骨ごとむしり取られた女の4人………私が暴走し、殺めてしまった四人だ……

 

 

 

 

イタイ………イタイ………

 

 

 

その女達は何かを言いながらこちらにゆっくりゆっくりと向かってきた。そしてその手にはナイフが握られていた。

 

 

 

「嫌………やめて……」

 

 

 

私は逃げようとしたが金色の何かが絡まり足が動かなかった。足掻いている間に女達はこちらに近付き、ナイフを上にして、私を刺そうとした。

 

 

 

そしてナイフが振り下ろされ─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌ァァァァァァァァァ!!…………はっ………」

「どうしたの!?」

 

 

 

 

……………どうやら先程までの光景は夢だったようだ…………、

時刻は午前3時を示しており明け方にはまだ遠い時間だ。私があまりに大きな声を出してしまった為隣で寝ていた鈴さんが起きてしまった

 

 

 

「ハァ……!ハァ……!……私は大丈夫ですわ……起こして申し訳「殺した奴らが夢に出てきたのね?」

「え?……ええ…。」

「私も何度もその手の夢にうなされたわ………。」

「やっぱりですか……」

「起きちゃったものは仕方ないし朝まで話さない?」

「ええ。」

 

 

 

 

 

 

それから私達は家族のこと、友人のこと、ISのことなど様々なことを語り合った。そしてもう少しで夜が明けるころには恋の話になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「セ…セシリア……一目惚れって信じる……?」

「………ええ。」

 

 

 

 

 

 

事実私も鈴さんと話してこのドキドキの正体がわかった。

 

 

 

………私は鈴さんに一目惚れしてしまった。女性が女性を好きになると言うのもおかしな話だろう。

 

 

 

 

 

「わ…私、あんたに一目惚れしちゃったかも………」

 

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

 

「あはは………変よね……女が女に恋……それも一目惚れなんて…………えっ、ちょ……セシリア……?」

 

 

私は鈴さんに思いっきり抱きついた。鈴さんは戸惑って顔を真っ赤にしていたがそれもかわいかった。

鈴さんも自分の思いを打ち明けてくれたんだから私も覚悟を決めて言ってしまおう。

 

 

 

「私も………鈴さんに………一目惚れしましたの………」

「え?」

「もう一度言いますわ、私は鈴さんに一目惚れしました………」

「……………私なんかのどこに好きになる要素があったの?私はバカだしセシリアみたいにスタイルもよくない……こんな私になんで……?」

「ええ、でも私はそんな鈴さんに惚れてしまいました、………ほぼ同じ境遇でありながらある意味で対極にあって私にないものを全て持っている、だからこそ惹かれ合ったのかもしれませんね………」

 

 

 

 

 

「………セシリアぁ!」

 

 

鈴さんは私を押し倒しそのままキスをした、………まさかファーストキスが女性とは………

 

 

 

「んむ……!……ハァ…ハァ…」

 

 

 

 

それから私達は火のついたように何度も何度も繰り返した。

 

 

 

そして夜も更け、朝日が上ってきた。

 

 

 

 

「鈴さん……」

「セシリア………」

「お嬢様、朝食の準備が…………」

 

 

 

私達は朝になっても抱き合っていたところ、チェルシーが部屋に入ってきて見事に見られてしまった………

 

 

 

「すいません、間違えました………」

「あー…すぐに行きますわ………」

 

 

 

 

死にたい

 

 

 

 

 

 

この時私と鈴さんが思った言葉は一つだった。

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

私達が朝食を食べに行くと既に簪さんと本音さんがいた。………二人はやけにニヤニヤしている……

 

 

 

「おはよー、りんりん、セッシー!ふふふ……」

「おはよう………うふふ………」

「どうしたのよ?ニヤニヤして。」

「いやー、同じ境遇の二人が部屋を共にしたらまさかあそこまで進むなんて「ストーップ!ストーップ!」

「な…なんで知ってますの!?」

「ユニコーンのサイコフレームがそんな雰囲気を感じ取ってね、見に行ったら……」

「なんとなんと抱き合ってるセッシーとりんりんの姿が!」

 

 

見られていたなんて……… 

 

 

「まあ私もかんちゃんとそんな関係だし全然問題ないと思うよ!」

「まあ……!」

 

 

 

 

 

そんなこんな話しているうちに3人は日本に帰る時間になった。

 

 

 

 

 

 

「では………昨日は改めてありがとうございました。」

「また冬休みに会いましょ。」

「ええ……」

 

 

 

そのまま飛行機は飛び立ち、見えなくなった。

 

 

 

 

 

………お父様……お母様……申し訳ありません……私はあなた方の『何も知らずに生きていてほしい』の願望にそうことができませんでした………ですが私は止まりません………私は、行きますわ!

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

日本 深夜のアリーナ、そこでは白色のISと紫色のISが機動のチェックを行っていた。

 

 

 

 

「どうですか?××お嬢様?ご当主から頂いた素材をムルーバルフレームに採用してみたのですが……」

「あん、お嬢様なんて止めてよね。………冗談はともかくこの機体は試験機なだけあって操作系が硬いわ、さしずめ磨く前の原石のようなものかな。

改良すればもう×ちゃんに苦労をかけることはないかもね。それよりも×ちゃんの機体も変わったわねぇ」

「ええ、この素材が私のプランを完璧にしてくれました。」

「………私はもう逃げない……次に簪ちゃんが暴走した時は絶対に私が止める……!」

 

 

 

 

 




セ シ 鈴 大 勝 利


追記
本音のISをデルタプラス→クシャトリヤに変更しました。
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