IS学園は普通の高校のカリキュラム+ISに関する授業を行うため非常に授業が多い、なので学校自体も4月1日と言う標準よりも一週間も早く始まる。昨日入学式が終了し今日から授業が始まる。
私と本音さんは一組、鈴さんが二組、簪さんが四組とかなりバラけてしまった。本来私は三組に行くはずだったのだが私達が唯一信頼でき、『RXー0』の秘密を明かした織斑千冬氏が無理矢理私を一組に迎えたそうだ。ただその替わりの条件として簪さんは本音さんと同室に、私は鈴さんと同室にしてもらった。………まあ刀奈さんもチェルシーと同室になっている本当の理由は『国家代表も軽く捻り潰せる4人を纏めて監視する』だと思いますが………
一年一組
キーンコーンカーンコーン………
「む……そういえばクラス代表を決めるのを忘れていたな、今日のホームルームではクラス代表を決定する、自薦他薦は問わない。」
「はい!織斑君を推薦します!」
「私も!」
………やっぱり……
私のクラスには『世界で唯一ISを動かした男』として有名な織斑一夏さんがいた。実はこの人とは一度会っている。……まあ聞きたいことを聞きましょう。
「先生」
「……なんだオルコット。」
「他のクラス代表の名前を教えてください。」
「確か二組はお前のよく知ってる鳳…三組は……忘れた、四組は同じ更織妹だ。」
それを聞いた瞬間教室がざわついた。私達は入試で試験官をノーダメージ。一分未満で倒しているため一部では有名人である。簪さんに至っては刀奈さんとよく雑誌に載っている。日本で言う『シマイドン』だろうか。まあともかく潰し合いは好まないので立候補を止めておこう。
「わ…私はオルコットさんを推薦します!」
え?
「わ…私も……!」
なるほど……確かあの子達は試験の時に同じアリーナにいた人達だ。クラス代表戦の商品は『学食スイーツ半年フリーパス』だったはず……、つまりこの子達の魂胆は『織斑一夏を見せつけるより勝てる私を代表に選び確実にフリーパスを入手する』だろう。
「……オルコットか…、他にはいないの「納得行きませんわ!」
教室に女の声が響いた、………この声は確かイギリスの代表候補生だったはず………
「そのような選出は認められません!大体男がクラス代表なんていい恥曝しですわ!私に、このシンシア・マクドウェルにそのような屈辱を一年間味わえと!?」
そうだ、こいつは典型的な今の風潮に頭がやられた女だった。一夏さんは何が起こったのかわからないような顔でシンシアの方を向いていた。
この話の後、数分間シンシアは一夏さんを悪く言い、さらには日本の事まで悪く言い始めた。
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと時代、私にとっては耐え難い苦痛で「イギリスだって大したお国自慢ないだろ。世界一まずい飯で何年覇者だよ」
おっと、一夏さんが言い返した。当の一夏さんはやってしまった……みたいな顔をしている。
………で、結局言い争いになった。………そろそろ止めるか。
「お二人とも、落ち着いてくださいな。特にシンシアさん、あなたは一国家の代表候補生としてこの場にいるのです、それなのに『極東の島国』などと暴言ばかり……イギリスの品位が疑われる行動はやめたほうがよろしくてよ?」
「……!あっ……すまねぇ、……オルコットさんだっけ……?クラスの皆にも迷惑かけた。」
一夏さんはクラスの皆に謝り、また席に座った。ここまで話のわかる方だったとは………、だがまだ問題が一つ……
「あなたはオルコット……!大体代表候補の候補を辞退したあなたに言われたくありませんわ!更に代表候補を辞退してやっていることは更織とか言う極東の猿と中華民国の猿と戯れて」
────ブチン。
私の中で何かが切れた音がした瞬間、シンシアを転倒させ、『アームドアーマーBS』を展開した。
「鈴さんを馬鹿にしないでください、殺しますわよ?」
「かんちゃん馬鹿にするってことは死にたいってことなのかなー?」
「……ひっ……や…やめなさい!」
私はシンシアの背中にのしかかりにアームドアーマーBSを首元に、本音さんは全身の周りにファンネルを展開した。
流石に恋人をバカにされて怒らない人間はいない。
「オルコット!布仏!止めろ!」
「なら私とISでバトルして止めますか?」
「っ…」
「セッシー、止めよう?こいつは代表決定戦でボッコボコにすればいいだけだよね。」
「それもそうですわね。申し訳有りません、織斑先生。」
私はシンシアの喉元に差し込んでいた銃口を抜き、席に着いた。
織斑先生にISバトルを挑んだ理由は私が『バンシィ』を駆り『打鉄』とは言え織斑先生をユニコーンモードのみでノーダメージで撃破したからだ。織斑先生曰く『全盛期の私でもあの金色の発光を発動されるとまず勝てない』らしい。
「決闘は10日後、アリーナで総当たりで行う。そしてオルコット、お前には三つのハンデを掛ける。」
「はあ……どんなものですか?」
「一つ、五割……いや、三割の力で戦え。二つ『あれ』は発動させるな、わかってると思うが一つ目の三割の力は『あれ』を含めないで考えろ。三つ、武装は二種類だけにしろ。」
「わかりましたわ。あ、シールドは武装に入りますか?」
「更織妹と同じことが可能なら武装だ、できないなら違う」
恐らく『あれ』とはNT-Dのことだろう。当たり前だ、あんなの発動させたら勝負にならない。ただのワンサイドゲームだ。『更織と同じこと』とはシールド・ファンネル。あれが覚醒して以降簪さんの武装はビームサーベル×2、ビームトンファー×2、シールド×3、シールド裏ビームガトリングガンのみである。
「わかりました。」
「……織斑先生にあそこまで言わせるなんて……オルコットさんって一体何者なの……?」「友達から聞いたんだけど入試でノーダメージ、一分未満、更に試験官を気絶させたらしいよ……」「私は試験官を気絶しても攻撃を止めなかったって……」「友達の友達が見たらしいけど深夜のアリーナで織斑先生を一方的に倒していたらしいよ……」
待ってください、最後から二番目は違いますわよ、……ふむ、悪い形で有名になってしまいましたわね……
「待ってくれよ千冬姉!」
「織斑先生と呼べ。」
ゴスン!と音を立て織斑先生の持つ出席簿が一夏さんの頭にクリーンヒットした。……普通あんな音なりませんよ……
「ぐっ………織斑先生、なんでオルコットさんにそんなハンデを掛けるんですか?」
「当たり前だ、こいつは今の国家代表………いや、それ以上の力を持っているんだぞ、そいつが本気を出したら勝負すら成立しないに決まっているだろう。正直一部以外のこの学園の専用機持ちが全力のこいつと闘ってもカタパルトから出た瞬間シールドエネルギーが0になる。つまりそれくらいだ。」
いや、織斑先生、あなたも私を過大評価するのを止めてくれません?一応静かに暮らしたいのに……
「み、認めませんわ!」
「ならシンシア、一度全力のオルコットと闘ってみろ、……そうだな、第1戦はシンシアVS織斑、第2戦はオルコットVSシンシア、第3戦は織斑VSオルコットだ。……オルコット、第2戦のみ『あれ』を使っていいぞ。」
全力ですって!?
ふーむ……やはり瞬光式からの打ち上げ、紅葉おろしが妥当でしょうか……いや、DEも絡めたいし…………、いやいや、簪さんに教えてもらった『トシュクウケン』もやりたいし……、あ!そういえば相手はティアーズ……対本音さんと同じ戦法を使えますわね……、ついでにVNで装甲を破壊して完全勝利を取らせて頂きましょう。
どうでもいいが『トシュクウケン』とはセイケン×2→シュトウ→カンシュ×2の5連撃の後、両手同時に貫手で突き刺し、最後は両方の掌から放出した光を相手の機体に注ぎ込んで吹き飛ばす簪さん曰わく『最強最後の必殺技』らしい。
キーンコーンカーンコーン……
「では選ばれた三人は準備をしておけ。」
おっと……戦闘パターンを突き詰めている間に授業が終わってしまった。
放課後……
「なあオルコットさん……」
一夏さんが私に話しかけてきた。………横で篠ノ之さんが見てますわね……
鈴さんから聞いた話では『キング・オブ・唐変木』らしくあの篠ノ之さんの好意にも恐らく全く気がついていないのだろう。
「なんですの?あとセシリアでよろしくてよ?」
「ああ…セシリア、俺にISを教えてくれないか…?千冬姉があそこまで推すお前は勝てなくて当然なんだが今のままではあのシンシアにもなにも出来ずに負けちまう。」
なる程、確か重度のシスコンだとも聞いている。その姉が認めた私なら信頼できると言うことだろうか?
「セシリアー!一緒に部屋に帰ろー!……って一夏じゃない!」
「おお!鈴じゃねえか!久しぶりだな!」
「ええ、弾は元気?」
「おう、また遊びに行こうぜ。…………お前、その目はどうしたんだ?」
「色々あったのよ。」
話しているところに鈴さんがやってきた。そういえば一緒に部屋に戻る約束をしていたっけ……
「おい一夏、この女は一体誰だ?」
一夏さんと鈴さんが昔話に花を咲かせていると横から篠ノ之さんが来た。……青春ですわねぇ。
「ああ、こいつは鳳鈴音、箒と入れ替わりで転校してきたセカンド幼なじみだ。……それよりもセシリア……」
「……申し訳ございません、私、美術館の経営やオルコット家当主としての事業の運営にとても忙しくて……」
「そうか……こっちこそ悪かったな。」
そうだ……いいこと思いつきましたわ……
「実際ISは基礎の飛行だけ覚えていればあとは生身で行うものと大した差がありませんわ。あとはブレードの使い方さえ覚えればある程度はなんとかなります」
「(あー、そういうことね、了解)一夏、そこの篠ノ之さんに剣道の指導を頼んだらどうなの?確か全国優勝してたはずよ。ついでに飛行訓練とかは暇を見つけて私が見てやるわよ。」
「そうなのか!箒、頼めるか?」
「あ…ああ!しっかり見てやる!」
「じゃあ先に道場に向かってるからな!」
一夏さんはそそくさと荷物を纏め、剣道場へと走り出した。
「オルコット……鳳…」
「あんた一夏の事好きなんでしょ?私は鳳鈴音、鈴でいいわよ。」
「……!!、べ…別にそんなことはない!」
「バレバレよ、さっさと剣道場に向かってやりなさい。」
「………感謝する!」
「いいってことよ。」
箒さんも荷物を纏め教室から出て行き、一夏さんを追いかけた。………箒さん、シスコンと唐変木を相手にするのは大変ですわよ……。
「さて、私達も早めに夜ご飯食べて速く寝ましょ、今日を逃したらあと十日は使えないわよ。」
「そうですね。」
デストロイモードの訓練は他の生徒に見られると一気に騒ぎになるため織斑先生の許可を取り、十日に一度、深夜二時、生徒が全員寝付いた時間から3時間だけ行われる。シンシアとの闘いも織斑先生が『観戦禁止』を言ってくれた。つくづくお世話になっている。
数時間後……食堂
「席取ってるわよー。」
刀奈さん、チェルシー、虚さんが遠くから私達4人を手招きした。時間も早いので余り混んでいなかったのがラッキーだ。だが専用機持ち三人、それも主席レベルの三人が集まっているということで周りの人はざわついている。とりあえず食券を買いましょう。
そして私はうどんを、鈴さんはラーメンを、簪さんが日替わり定食を、本音さんが豚カツ定食を持って席についた。
「ふーん……極東の猿……ね…、で…織斑先生がセシリアに本気でやっていいと……」
「簪ちゃんを極東の猿ですって……!?その一年とちょっと模擬戦してこようかしら………!?」
刀奈さんは顔は笑顔であったが実際にはかなり怒っていた。和解以降は今まで話せなかった反動で恐ろしいほどのシスコンになっておりその妹が猿呼ばわりされたらそりゃ怒る。
「お嬢様……落ち着いてください。」
「落ち着いてるわよー、ちょっと試作の外殻ユニット試したいだけだからー。」
「それだけはやめてください、あれ使われると隠蔽処理が面倒くさいんです。いや、マジで。」
「……話を戻しましょう、これがシンシアの専用機『ブルー・ティアーズ』のスペックデータです。」
私はタブレット型ディスプレイに『ブルー・ティアーズ』のデータを表示した。
ブルー・ティアーズはイギリスの第3世代型ISであり射撃を主体とした機体であり第3世代兵器のデータをサンプリングするために開発された実験・試作機という意味合いが濃い。データのサンプリングが優先としており、ライフルの実弾装備は装備されていない。
最大の特徴としてBT兵器の『ブルー・ティアーズ』があり、相手の死角からの全方位オールレンジ攻撃が可能。機体の名前の由来でもある。装備によっては機体に接続することでスラスターとしても機能可能。装備数は6基で、4基はレーザー、2基はミサイルを撃つことができる。なお、ブルーティアーズにはインターセプターとミサイルビット2機が搭載されており、実弾装備がないわけではない。
「なにこれ、本音の『クシャトリヤ』の完全下位互換じゃん、サイコミュジャック効くしほぼ全部レーザー兵器だからセシリアが攻撃する必要すらなくない?」
「うーん、私達7人の専用機は『第?世代』だから正直比べようがないんだよねー。」
「………私そのシンシアさんと同じ入試会場だった。」
「どうでしたの?」
「………ファンネル……いや、ビット操作中は動いていなかったよ……。」
「………ヌルゲーですわね。」
「まあ真面目な話をするとその子の女尊男卑の考え方は痛い目見てでも捨ててもらわないとその子自身の破滅にも繋がるからね。どうせなら最も屈辱を与えるやり方で倒しなさい。」
「わかりました。まあ鈴さんが馬鹿にされた時点でそうすることは決まっていたので。」
「セシリア……」
「鈴さん……」
「あー痒い痒い、本当に痒いわー。」
「胸焼けがしますね。」
「甘々ですね。」
刀奈さん、チェルシー、虚さんの順番に冷やかされた。仕方ないじゃないですか、大好きなんですから。
そんなこんなしている内に夕飯を食べ終わり、夜8時には床に就いた。普段は鈴さんと愛を確かめ合ってから寝るのですが今日は深夜からISの起動訓練があるので早めに寝ましょう。
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深夜二時のアリーナで織斑先生監視の下、私達はISの訓練を初めた。
「お前たち、ハイパーセンサーはいらないのか?」
「ええ、デストロイモードになればお互いの機体の放つ燐光で丸見えですから。更にあの状態が相手ならハイパーセンサーなどはほぼ意味をなしません。」
「……まあいい、くれぐれもアリーナのシールドを壊すなよ。………む…」
向こう側のカタパルトから青色の燐光を纏ったISが近づいてきた。
瞬間
「っ!いきなりですの!?」
ドォン!と大きな音を立て鈴の放ったビームマグナムはアリーナの地面を抉った。
「サイコフィールドを軽く貼っているからあんたがどこにいるかはお見通しよ!」
「そそっかしいですわね!………バンシィ!私に力を貸しなさい!」
NT-D
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一夏side
「最悪だ…変な時間に目覚めちまった……」
俺は箒に剣道で扱かれた後、夕飯を食べてすぐに眠ってしまった。千冬姉の負担にならないために中学に入って剣道を止めバイトしていたのでかなり鈍っていた。とりあえず明日も早い、今日はもう寝よう……
………ドォン……
………ん?何だ今の音は?何かが爆発したような音だったが……、まあ気にしたら負けだな、もう一回寝るか……
……ドォン…ドォン…キィィィィィン……
あー!気になる!気になって寝れねー!
……行ってみるか……
寮 廊下
まだあの爆発音が続いている、しかも本当に小さい音なので寝ているとまず気付かないし起きていてもよっぽど耳がよくないと聞き取れない程度の音だ。………この方向はアリーナに………
アリーナ前
やっぱり防音装置が作動している……こんな深夜にこんなことをする意味は一体……?
「そこで何をしてるの?」
!!!、気付かれた!?。
後ろを見ると青髪のメガネをかけた女の子がいた。
「男の人の声……織斑一夏君だね?」
「………ああ、あなたは一体誰なんですか?」
「私は更織簪………あ、来たみたい。」
真っ暗闇の中からカツカツと音を立て誰かが近付いて来た。
「何をしているんだ、馬鹿者。」
この声……千冬姉だ、なんで千冬姉がここにいるんだ………?
「こんな時間に何やってんだよ?千冬姉。」
「……とりあえず部屋に戻れ。そして私と更織がこの場にいたことを忘れ…」
千冬姉が言葉を続けようとした瞬間、アリーナから凄まじい閃光が放たれた。
「あいつら……手加減しろとあれほど……、話を続けるがこの場に更織と私がいたことは忘れろ。」 「でも……!」
「これは命令だ、今この場でやっていることは国家機密レベルのもの、お前も停学にはなりたくないだろう?、さっさと帰れ。」
「………わかった……。」
クソ……なんだよ千冬姉……大事なことは教えずに………
その後部屋に戻り、明るくなった時間にもう一度アリーナを訪れたが既に千冬姉と更織さんの姿は存在していなかった。
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束side
「ふふふーん♪今日は何が来るかなー?」
この天才・束さんは新しい装置を開発したのだ。その名も『未来から取り寄せ機』~!、………一見電子レンジのような形をしているが名前の通りで時空間のをワームホール作り、未来から適当に何か取り寄せる機械だ。………来た来た♪
ガシャガシャ…チーン!と電子レンジのような音が鳴り、電子レンジの中から何か現れた。………いっくんの機体に使えるパーツならいいなー……
ピー!ピー!
何だろ……うわぁ!?
電子レンジが大爆発し、中から何かに抉られたような私と同じくらいの大きさのコーン型の何かが出て来た。
「いてて……うーん、いつからだろ……?……西暦2312年?」
割と近未来から来たねー……なんだこれ?…………!!
「………こ…これは!?早速研究を開始しないと!待っててねー!いっくん!」
コーンの端には『GNdrive:Gundam-exia』と彫っていた。
シンシアは原作の時点での『セシリア的な立場』がいないため急遽用意しました。一体彼女の運命はどうなるとこやら……。
で、もう一作コラボレーションとは『機動戦士ガンダムOO』です。このままだとセシリア無双になってしまうので……