この世界のパワーローダーは格好いい。   作:むせる。

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だが、コバトにとっては――。

 

 _人人人人人人人_

> 突然の越前 <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

 はい。越前コバトです……現在我々は、カイザーPMCから強奪(お借り)した武装車両を乗り回して、追いかけてくるカイザーPMCから逃げきった所です。

 

 ちなみに運転は新しく俺側に入ったオートマタのコールサイン『チンチラ』くんがやってくれています。俺もコヨーテもパワーローダーしかマトモに運転出来ないからね、仕方がないね。

 

「なぁ、チンチラお前運転荒くねぇか?」

「そうですか?普通だと思いますけど……」

 

 今チンチラに絡んでいるオートマタがコールサイン『アルシノ』さんです。

 

パワーローダー乗りです、火力支援が特異な方です。俺も殆ど組んだことはないんですけどね。

 

 あとチンチラくん、お前の運転は荒い!見てみなさい!

 

「うぅ……いや、荒いよアンタの運転……」

「姉貴しっかり……」

 

 はい、カイザーPMCのヘイロー持ちの兵士である『イバラちゃん』と『クウちゃん』です。二人ともチンチラの荒い運転で三半規管がやられてます。

 

 いやぁ、始めの頃はカイザーPMCにもヘイロー持ちの兵士居るんだなぁって思いましたよ。因みに俺と同じで学籍なし学無し親無しだそうです。辛いよね。

 

「しっかし、まさか死神さんと組む事になるとはねぇ……アタシも寿命が近いってことかい?」

「姉貴ぃ、そんな煽る事言わないでくださいよ……」

「いや、全くだ。俺もつくづくそう思う。」

「コヨーテ、しばくぞ。」

 

 因みにイバラは18歳らしいのですが覚悟ガンギマリ過ぎてます。マジでカイザーこの娘に何やらせてきたんだよ……

 

 兎にも角にも、一先ずはカイザーPMCから抜け出すことに成功しました。やったね!……さて、問題はここからだな。

 

 取り敢えず、俺の目的そのものは逃走中にみんなにお話しましたよ。みんなマジか……って顔してましたけどね。これからのプランもお話しました。

 

 取り敢えず今の俺達は手に持った銃以外武器を持っていないので、その調達から始めますよ。

 

「さて、一先ず俺達はアビドスの廃墟へと向かう。砂漠化か侵攻して寂れた一角だ……ここに、武器をしまい込んである。」

「……確か、傭兵団を作るって話でしたよね?」

「あぁ。大人も子供も関係ない……ボロクズのような奴らの生きれる道、それを支える居場所を作る。」

「それで?カイザーから抜けさせてやった代わりに俺等にも協力しろって事かい?」

「いや、協力はしなくても良い。」

「なんだって?」

 

 いや、まぁ……無理やり突き合わせるわけにも行かないですし、ここで恩を振りかざして支配しようとしたらそれこそカイザーと同じですからね。

 

「……これは()()()()()()()だ。お前らのやりたい事じゃない。お前らにはお前らの道がある……例えば、ここからカイザーに寝返って俺等を売って武功を挙げるのも道だ。俺は全力で戦うがな。」

「…………。」

「……僕は、付き合いますよ……少なくとも、僕の道を見つけるまでは。」

 

 チンチラくん……!

 

「俺達は兵士だ。傭兵なんてピッタリな仕事はあるめぇよ。」

「……まぁ、そうさね。まだ道が選べるほど贅沢者じゃないよ。あたしらは。」

「わ、私は姉貴についていきますよ!」

 

 ……思ったよりも皆すんなりだな。もっと非難轟々かと思ったけど……まぁ、今のところはそれしか道がないっていうのもあるのか……いつか、皆が自分の道を見つけてくれることを祈ろう。

 

「そんで?大体のプランは聞いたけど……その協力する予定のシャーレの先生とやら、本当に信頼できるのか?」

「…………信頼できる。」

 

 信頼出来ないような先生ならキヴォトスが終わるだけだからへーきへーき!少なくとも俺は信じるよ、財布拾ってくれたからね()

 

 問題はアビドスのみんなが素直に俺たちに協力させてくれるのかだけど……取り敢えず色々仕組んだ俺はボコボコにされるのは当然として、それでも何とか一緒に戦えればいいけど。

 

 なにより、さんざん好き勝手したんだ。カイザーをつぶして、ホシノを助ける手助け位はしてやりたい。

 

「なぜ言い切れるんだい?」

「腐っても先生だからな。生徒の見本が信頼できる大人なのは当たり前だろう?」

「理由になってないような……」

「……まぁ、信頼出来ないようなら見込み違いだっただけの話だしな。」

「俺の目を信じろ。」

「信じたくねえ。」

「コヨーテ、テメェいい加減にしろよ。」

 

 コヨーテほんまこいつほんま……!まぁいいや。

 

 さて、そうこうしてる合間にも砂漠化した街が近づいてきました……いやぁ、変わってるもんかと思ってたけどそうでもないですね。

 

 俺が傭兵団に居た頃使ってたのそのまんまだ。ヘルメット団が占拠してるかと思いましたが、もう撤退した後みたいですね。

 

 そんじゃ、取り敢えず行きますか。

 

「俺は昔に隠しておいた武装を取りに行く。お前らは適当に散策を頼む。もしかしたら使ってない兵器がまだあるかもしれねぇからな。」

「あい分かった。」

「護衛は必要か?」

「一人で良いさ。」

 

 取り敢えず護身用のショットガンを持って、懐かしい場所へ帰りましょう!

 

 

 

 

 

 

 と言うわけでただいまんぼう!!(挨拶)

 現在俺が居るのは、かつて傭兵団の皆で貯蔵庫にしていたとある廃倉庫です!

 

「……懐かしいな。」

 

 本当に懐かしいっすね。他の近くにある倉庫と何ら変わりませんが、ここにいろいろ溜め込んでいたのを思い出します。

 

 まぁ、感傷に浸るよりも先に中へ入っていきましょう……オープンセサミ!

 

「……ふむ。やっぱりか。」

 

 中に入ってみたんですが、やはりと言うかヘルメット団かどこかのチンピラに拠点として使われた後がありますね。

 

 内装が結構変わっています……けど、結構弾薬とかは残ってるみたいですね。回収しておきましょう。

 

 ……あぁ、けどやっぱり貯めてたものよりもだいぶん少ないな。使われちゃったか……まぁ、隠し場所はここだけじゃないので安牌ですね。

 

 使えないやつも多いですけど、パーツとして使えたり直して売ったりできるかもしれませんからね。

 

 さて、まぁ正直ここがこうなっているのは知ってました。この辺チンピラ多いですから、2年も期間が明けば絶対誰かしらが拠点にしてると思ってましたよ。

 

 前にも言った通り、武器を貯蔵している場所は他にもあります。

 

 まだまだ諦めずに探していきましょう。

 

 それと弾薬や武装はなるべく回収して置きましょうか。この調子で、他の貯蔵庫も調べていきまっしょい。

 

「うわっ、懐かしいなこれ、昔集めてた牛乳瓶の蓋だ…………」

 

 こういうくだらない物も回収しておきましょうか。大事なのでね。

 

 

 


 

 

 

 はい、あれから色んな貯蔵庫を回って、回収できるもんはしこたま回収しておきました。

 

 取り敢えず六人で傭兵するなら暫くは困らない程度には集まりました!廃棄されてたジープも拾いましたし、いやあ、ラッキーでしたね!

 

 そして、最後に俺が向かっている場所は……昔俺達の傭兵団が活動拠点にしていた倉庫です。

 

 一応、覗いておくことにします……2年ぶりですかね、帰って来るのは。

 

 正直、あまり来たくはなかったんですけどね……もしかしたら、親父達が拠点で待ってるんじゃないかって思ってしまうんで。

 

 まぁ、普通に考えればとっくに誰かに使われている後だとは思うんですけどね……まぁ、未練たらたらなのが俺なので。

 

 

「……おっ、見えた。」

 

 ……相変わらず寂れたコンクリートで出来たきったない拠点ですね。砂も結構被ってます……誰も手入れしてないのかな?

 

 取り敢えずジープから降りて……拠点の中に入りましょうか。

 

 

「……ただいま。」

 

 ハハハッ。何言ってるんでしょうね……待っている人なんて居ないのになぁ。そんなことを思いながら、俺はシャッターを開けてみる。

 

「……っと…………!?」

 

 すると、待ち構えていたのは……2年前と何一つ変わらない状態で保たれていた、家族と共に過ごした空間だった……

 

 汚いソファに、汚い人数分の敷布団。ちゃぶ台に、昔使ってた武装車両。そして大布をかぶった鉄の塊――どれもが記憶の奥にこびりついている。

 

 俺は、目の前に広がるその布を思いっきり掴み、ゆっくりと退けてみる。

 

「……よぉ、久し振りだな。」

 

 そこに佇んでいたのは……埃被って澄んだ黒いカラーリングをした一機のパワーローダーだった。

 昔親父達が俺用に買ってくれた内の一機だ……懐かしすぎる。よくもまぁこんな機体が使われずに残っていたもんだ。

 

 親父達を一緒に見送った方のパワーローダーはカイザーに接収されてスクラップにされたが……こっちはまだ残ってたんだな。

 

 まさか、全部揃ってるとはな……家族との思い出は、全部ここにある。

 

 そのまんまだ……昔使ってたのとそのまんま……2年間、誰にも使われずに残ってたっていうのか?奇跡かな?奇跡だろう。

 

 あぁ、だけど嬉しいな。心の底から嬉しい。帰るのに2年も掛かったけど……漸く帰れた。

 

 俺の家に……俺は幸運だな。こんな風に帰れる場所があるんだもんな。

 

 そんなことを思いながら、俺は欲望のままに……かつての愛機のハッチを開いて乗り込む……そこは、昔使っていた物そのままだ。

 

 ローテーションで使っていたから、埃被ってる以外は案外綺麗だ……

 

 はじめに目に映るのは、コクピットに置かれた、1枚の写真……その写真だけは、なぜか埃を被らず綺麗なままでいた。

 

 家族との写真だ。あぁ、まだ残っていたのかと嬉しくなる。いや、()()()()()()()()()()()()、この機体が。

 

 ……確かにPMCで使っているのと比べると古い型だ。性能も、きっと大きく劣ることだろう……何せ、2年前でもレトロな機体だったからな。

 

 右腕には標準装備のガトリング、左腕にはどこで使うのかわからないパイルバンカー……

 

 背中には、PMCで使われていたようなミサイルランチャーと共に実体剣が装着されていた。

 

 たしか、この機体は皆で魔改造して……ブースターの出力が上がっていたりと、近接に特化した機体になっていたはずだ。

 

 魔改造とはいっても、ジャンク品で拙い腕の奴らでやったお粗末な改造品だ……だが、俺にとっては――――。

 

 

「……2年間、待っててくれてありがとな。」

 

 そんな風にお礼を述べて、俺はその機体の操縦桿を軽く撫でる……さてと、仲間達と合流しますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんでまぁ、旧式使うって話ではコヨーテとはだいぶ揉めましたが……

 

 

「えっ?越前……お前そんな旧式使う気なのか?」

「使う。」

「いや……ヘルメット団に送られてたパワーローダーあるからそっちのほうが……」

「使う。」

「……お前俺等やヘイロー持ちほど丈夫じゃないからこっちのほうが安全……」

「使う。」

「あっ……はい。」

 

 なんとか丸め込みました。やったぜ。




脱カイザーした人達。

チンチラくん:オートマタ、車とか戦車とかヘリの運転が得意な人。兵士にしては物腰が丁寧。
アルシノさん:オートマタ、パワーローダーの使い手、火力支援が本領。
イバラちゃん:ヘイロー持ち、女傑。上司に歯向かって営倉入りしたらしい。白兵戦が得意。
クウちゃん:ヘイロー持ち、イバラと姉妹同然で共に育ってきた娘。メカニックとしての腕がある。

 



パワーローダー越前機:2年間主が帰るのを待っていた。

越前くんに専用機っている?

  • いる!ワンオフ機でかっとばせ!
  • いらん!量産機のまま頑張れ!
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