無双†転生   作:所長

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7-2 危険人物たち

「ある意味で()()()()()()()()()()ね」

 

 空海は笑う。報告された曹操の動きは『予想通りに』『想定を上回って』いた。いつも通りの、合理性を追求しすぎて不合理を感じるほどに過激な発想。

 

「全土からかき集めた兵を、決戦に間に合う分だけ引き連れて行くとは……」

「その拙速を必要としたのでしょう。最速最少の予想よりは遅かったものの……」

「この時期に連れ出せるだろう最大の予想よりも1万は多く捻出しましたね」

 

 事前に戦略から行動を予想をしていた周瑜、戦術から推測していた鳳統、動員兵数から予測していた孔明が、それぞれの推察との齟齬を明かす。思いつかないような手ではないのに、曹操の苛烈さはいつも無謀の一歩手前まで踏み込んでいる。

 やや悔しさを滲ませた賈駆が、半端な情報で悪いけど、と前置きして続く。

 

「どれが間に合っていないのかもわからないけど、たぶん陳留郡からの援軍を待ってから軍をまとめてるだろうから、総数は5万を超えてると思うわ」

「これが私の全力全開、といった様相ですねー。よくもまぁこれだけの兵士を隠していたものだとは思いますがー。荊州寄りに2万しか出せないというのは少々苦しいですねー」

 

 飢饉の後、曹操が各地に屯田兵を置いていることは知られていた。しかし、この時代の兵士というのは悪く言えば国家の奴隷であり、食事と武器くらいしか面倒を見て貰えず、特に屯田兵は農民にとって『これまで通り農作業をして出来た作物は全部納めて有事には戦って貰う』という悪夢だ。施政者としても、余程に追い詰められるか上手く折り合いを付けられるというのでなければ、反発が恐ろしくて使える手ではない。

 ちなみに江陵の屯田兵は単純な兵役ではなく選択可能な職業という側面が強いため前提からして異なる。

 ともかく、そんなリスクの大きなものを領内人口の百分の一近くまで、他勢力に知られることなく配備していた曹操の手腕は凄まじい。そしてそのことが明らかになったということは、蓄えを使い切るほどの死闘にもつれ込んでいることも意味していた。

 

「2万とちょっとを劉景升が黙って逃すとは思えないねぇ。でも豫州から向こうの情報はだいぶ遅れてきてるみたいだから、運が良ければあいつも決着まで様子見する、かも?」

「それなのですが……。実は劉備が劉大将軍に曹操への助力を願ったのだとか」

 

 劉表の行動を予想する空海に、周瑜が控えめに情報を付け加える。空海は劉備の純心に一瞬だけ驚いた表情を見せ、すぐに笑い出した。

 

「ぷっ、あはは! ――劉景升は政治家としてはお人好しではないんだけどなー。劉備はなんていうか、田舎娘みたいなことを言うね」

「二人の直接の面会は明日以降の見込みですが、おそらくは繰り返すものかと」

 

 空海の感想は江陵幹部の総意に近い。曹操に対する劉備の言動は、攻められたとき盾になってくれたから味方であり、その味方を勝たせるか有利にすれば自分や国の利益になると短絡的に考えているように感じられた。もちろん、自身の保身や売り込みのためにそう言っている可能性もあるが、これまでの言動や伝え聞く人柄から考えれば、短絡的な考えという推測が正しいのだろう。

 空海は竜騒動の際に洛陽で会った胸の大きな女性を思い出す。顔も覚えては居るが胸が大きかったことの方が印象が強い。洛陽の民の安寧を第一に考えていたあの物理的圧力を伴うかのような威圧感のある胸。袁紹の本拠近くにありながら情報に疎かった巨大な胸。

 空海の頭がオッパイお化けに埋め尽くされつつある中、大きな帽子を被った小さい乳の少女が真剣な顔で空海を見つめる。

 

「袁紹さん側はこれでも全力ではありません。ここでの負け方次第では、すぐにでも次の決戦を仕掛けるでしょう」

「青州にも兵を残していますし、領地の様子から考えて、最大で20万は追加できるはずでしゅっ」

「幽州の騎兵5万は劉備さんに移ったようですから、流石に20万を最大限使い切るのは難しいと思いますがー」

 

 鳳統(小さい胸)孔明(小さい胸)程昱(小さい胸)と説明が続き、さらに賈駆(小さい胸)が空海の邪念を消し飛ばすように睨み付ける。鼻で笑い掛けた空海は慌てて背筋を伸ばした。

 

「袁紹と曹操の争いが長引けば、背後から劉表が仕掛けて弱った連中から全部持って行くのは目に見えてるわ。……ここで曹操が潰れるのは面白くないわよ?」

「はい」

 

 空海や江陵幹部の読みでは、劉表自身は天下を統治できる器量を持つが、続く娘たちや外戚にはその器量がない。

 娘たちはせいぜい秀才止まりの才であり、過分な出世は望まず外戚に怯えている。

 外戚は地方豪族上がりの野心家ばかりであり、劉表との関係は良好だが彼の娘を支えていくことはしないだろう。

 おまけに劉表は諸侯のうちでも頭一つ抜けた高齢なのだ。

 劉表が気付いていないのか気付いていて手が出せないのかはわからないが、外戚は既に劉表の死後に焦点を合わせている。劉表陣営は、江陵の存在を含めて内紛の危険を抱えたまま、内側と外側から火であぶられているような状況にあった。

 故に、江陵の方針もまた決まっているのだ。空海以外の江陵幹部が劉表をのさばらせておくことに反対しているのも大きい。

 

「少々早いですが、南部の動きを匂わせるべきでしょうか」

 

 鳳統は1年半ほど前から荊州南部に向けて行っている調略で劉表の動きを封じることを提案する。南部が不安定になれば過去の例から派兵は必至であり、懐に劉備を抱え込んだ今、領内を空けることは出来ないため、北方への遠征能力も制限されるはずだと。

 劉表が奇策を許容できる人間であれば劉備を使うことも考えるだろうが、劉表が知るであろう彼女の姿は、董卓騒動の際に見せた卑しいと言って良い従軍の態度だけだ。劉備が実際にどんな人物であろうと、信頼を勝ち取るまでにはいくらかの時が必要だろう。

 

「南陽か江夏から揚州に使()()()()()難民を動かすのはどうかしら?」

 

 賈駆の意見は、飢饉によって荊州へ避難してきた難民のうち、かねてから接触を持っていたまとめ役を通して目につきそうな人材を揚州へ送り込んで、荊州を弱体化すると共に揚州を強化することで劉表の関心を逸らそうというもの。

 荊州北部に位置する国家最大級の都市にして北部からの移民を最も多く受け入れている南陽と、荊州東部の主要都市で袁術勢力が根付く揚州に隣接する江夏。そして、陸続きで長江も繋がる揚州。揚州から荊州というのはそれほど攻めやすくもないが、逆に荊州から揚州を攻めることはそれほど難しくはないのだ。視界に入れば興味を引かれるだろう。

 

「荊州北部に残る物資を各地へ移してしまえば、準備が整わず開戦も遅れるはずです」

 

 賈駆の発言に乗るようにして孔明も考えを述べる。軍を動かすためにはそれなり以上に多くの物資がいるため、常備している糧食の他にも物資を買い集める必要がある。特に、今回のように相手が想定を超える規模であるときには遠征軍の規模も応じて増加せざるを得ず、追加で必要になる物資も大幅に増加するのだ。

 さらに、賈駆の策に乗じれば「揚州には人と物が集まっている」という事実が生まれることになる。それが劉表の耳に届く頃には「揚州は人と物を集めている」になってしまうかもしれない。(揚州)だけではなく南北についても同じ手法が採れることも大きい。

 

「ひとまず劉将軍の耳に届く話を大きくして時間を稼ぎ、并州牧の人事か、いっそのこと鎮北将軍を置いて人事を劉将軍に委ね、時間差で曹操とにらみ合わせてはどうだ?」

 

 周瑜が提言するのは、曹操が勝利した際に得るだろう領分に先立って劉表を割り込ませ不和を呼び込もうという、中長期を見越した離間の策である。短期には情報を錯綜させるだけでも曹操の動きは不気味に映り、劉表も反応を遅らせると見込んでいるようだ。

 鎮北将軍は并州と幽州、冀州の刺史を統括して北方異民族からの防衛を行う役職で、非常設の役職であるため設置にはそれなりの理由が必要だが、北方の兵力がすり減っている現状であれば言い訳が立つ。劉表が()()()()()()()積極的に動き、宮中に影響力を持つ江陵がそれを助ける形にすれば信を得られて恩も売れる。

 

「徐州の民を逃がした曹操さんの判断を支持する、と表明するだけでも十分ではー」

 

 程昱の案は、敵するでもないまま袁紹を批難し、味方するでもなく曹操を守り、劉備を守るでもないのに許し、劉表を止めないままに動きを縛るものだ。江陵の意志を明らかにしながらどことも敵対せず、しかし江陵を味方だと考えている勢力には釘を刺す声明。

 これを聞いた者が江陵の立場を『勝手に』想像することまでを計算に入れた、一見して無害な――江陵らしい――やり口だが、あえて言うなら民の味方であるということ以外、誰の敵だとも味方だとも言わずに介入の余地を残している。有能な者は裏を読み、無能な者は受け止めやすい形で理解する、実に意地の悪い表現だった。

 

「北も南も東も騒がしいし、どうせだから()()()の前まで散歩にでも行こうか?」

 

 最後に、ふざけた調子で告げられた空海の言葉に、一同が顔を見合わせる。

 劉表が直接対峙する北方、既にある程度落ち着きが見られる南方、内輪もめに終始している東の豫州に対して、西の益州は江陵の手で艦船という機動力を削がれた上に上層部が日和見主義に徹しており劉表からも信を得られていない。

 現状の益州に価値を感じていなかった軍師たちだったが、必要な手間、益州がもたらす損得、劉表の反応と今後への影響、稼げる日数、手元から失う札の価値――それを一瞬で検討し、空海や直属の将軍ほどの大物が動くのなら安全で費用対効果の大きな方法になることを認めて目を合わせた。

 荊州の劉表を目標にしながら、益州はもちろんその他の諸侯への牽制にもなる。軍師を代表し、一般人が見たら色々漏らしそうな笑みを浮かべた周瑜が答えた。

 

「悪くはありませんな。三峡(接続路)方面での思わせぶりな動きだけでも十分でしょう」

 

 益州は、仮に江陵が動いて刺激したとしても「不審な動きを牽制した」と簡単に理由をつけられる相手なのだ。その上、地理的な要因から艦船を用いずに大軍を展開するのには向かないため、現状からはどれほど悪く転がり後手に回っても後出しで抑え込める。

 そして何より、江陵に取って価値のない益州が、かつて秦の張儀が楚王に述べたように荊州と揚州の喉元に突きつけられた刃物であることを思い出させ、誰も傷つけないままに諸侯を振り回せるという十重二十重にも意地の悪い牽制方法は、心優しい軍師達の好みに見事に合致していた。

 

「よし決定! ――じゃ公覆と漢升を連れて遊びに行く系の仕事があるからこれで」

「では我々は先ほど出た案を検討しておきます。お気を付けて行ってらっしゃいませ」

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

「左翼は東門に回り込め! 本隊はこのまま北門を抜くぞ!! 右翼、援護しろ!」

 

 長い髪を振り乱し、夏侯惇が馬を進めながら叫ぶ。北西から(たん)城に急接近した曹操軍の別働隊6万は勢いそのままに北門に突撃を仕掛け、比較的に小さな東門も封鎖するように包み込み、あっという間に城壁に取り付いていた。

 

「みんなー。郯城に乗り込めー」

(おー^^)!』

 

 巨大鉄球を振り回し、乙女の発する音としてはあってはならない類の力強すぎる轟音をまき散らしながら郯城の北門を元気よくノックする許緒。勝ち戦ということもあってか、部隊の兵士たちもどこか和やかに攻め立てている。

 この戦闘を圧勝で終わらせれば、味方部隊を鼓舞するのと同時に、郯城から逃げ出した袁紹軍の兵がこの別働隊の兵力を多い方に誤認してくれる可能性もある。そのため、手を抜くようなことはしていないが。

 さらに、()()城に近づきつつある袁紹軍の物資が最寄りの郯城に集められていることは明白であるため、補給の心配がないことも余裕を生んでいた。物資というのは廃棄しようと思ってその場ですぐ廃棄できるものではない。多量の物資、少数の兵、郯城陥落までの時間的余裕、それら全てが曹操軍に味方している。

 

 郯城の戦いは、僅か数刻で決した。

 

 

 

 郯城での戦いから数え、二回目の朝日が徐州を照らし始める。

 

「昨日に比べ、城の前に展開している兵が明らかに減っていますね」

「ええ、どうやら春蘭たちは上手く(たん)城を落としたようね」

「袁紹が陣替えまでしたのであれば、間もなく姉者たちの姿を見られるということかと」

 

 下邳の城壁から門前を見下ろしながら、関羽がその黒髪を早朝の風になびかせ、曹操が覇気を滲ませて微笑み、薄闇に包まれる袁紹陣地を見定めるように夏候淵が目を細めた。

 

「しかし、隘路での挟み撃ちを恐れて袁紹が退いてしまうことはないのでしょうか?」

「今さら退けないはずよ。そのためにここまで勝たせてあげたのだから」

「袁紹の性格もある。()()()を落としてしまえばいいと考える可能性はあるだろう」

 

 袁紹は現在、下邳城の前の比較的狭い土地に陣を展開している。南西を下邳城、北東を良成県にふさがれるような形の一本道だ。少し下がれば数万を展開することも可能だろうが、20万に迫る袁紹軍全てを使い切れるほどの土地はない。

 

「これまでより必死になる可能性もある……思惑通りに運んでいても油断は出来ない、ということか……」

「そうね。けれど、不安を抱く必要はないわ」

 

 曹操は不敵に笑う。反撃の初手で痛打を与えれば、袁紹に抵抗を許さず一気に片付けるだけの算段はある。既に勝ちはほぼ決まったが、終戦の形は定まっていないのだ。

 故に覇者たる曹操は、ここから先、運ではなく実力で栄冠を勝ち取る。

 

「――私がいて、貴女たちがいるのだから。期待しているわ、秋蘭、愛紗」

「はっ!」「お任せ下さい」

 

 いずれ劣らぬ闘志をみなぎらせながら、曹操たちは来たる反撃の時を思い描く。

 

 

 

「――戻る必要などありませんわ。下邳を落とせば良いだけでしょう?」

「そーだぜー、斗詩! あとちょっとで落とせるんだし、敵は強い方が燃えるって!」

「ふぇーん、誰もわかってくれないー」

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

「実に12年ぶりだ。前にみんなで来たときは巫峡(ふきょう)の方までは踏み込んでなかったから、ここまで二人と一緒に来るのは初めてだね」

 

 空海が黄忠と黄蓋を引き連れて遠征軍を編制し、それが江陵を出るまでに掛かったのは僅か1日。軍議を離れて昼に近い時間から巨大すぎる江陵を移動し、黄忠や黄蓋を捕まえ編制を指示し、翌朝の出立に合わせて十分な休養を取っているのだから、実際に遠征軍が準備に使えた時間は本当に僅かだろう。

 しかし、元帥は文武の高官。忘れがちだが江陵軍は空海元帥自前の軍隊だ。近隣の治安維持を行うため、数千人程度なら即日で送り出せる体制は整っている。

 かつて河賊の拠点となっていた空海の秘密基地跡地は江陵から出たその日に通り過ぎ、巫峡までの道の中間地点で一泊。翌朝、朝靄に霞む景色の中で黄忠と黄蓋に捕まり両脇を抱え上げられた空海は、そのまま拉致される子供のように馬車に連行された。

 

「儂らは見回りのために何度か来ておりますが、この顔が揃うのは久々ですのぉ」

「もうそんなになるんですね……。今回は河賊が居なければいいんですけど」

 

 黄忠の冗談に黄蓋が大きく吹き出す。ここからは集落もない一本道が巫峡まで続くだけだ。こんな場所で賊が待ち構えていたら警備隊の特別手当に早変わりするだろう。

 そうでなくても、江陵から北の襄陽へ続く道や南の漢寿へ続く道、西の益州に続く道は荊州でも有数の交通量を誇る幹線道路なのだ。定期的な手入れや補修はもちろん、警邏や山狩りで猛獣一匹見当たらない安全な街道が維持されていた。

 

「昨今の江陵の周りには、相当根性のある河賊でも出てこられないと思うけど。……まぁこういうこと話してると湧いて出ることもあるらしいし、お楽しみにってとこかな」

「ははは、またまたご冗談を」

 

 空海たちは今、荊州に向かう通行人を例外なくビビらせひれ伏せさせ、益州行きの民や空海のファンを何千人と引き連れながら荊州と益州の境、巫峡白帝城に迫っていた。

 やはり忘れがちだが、空海や二黄は黄巾討伐の英雄であり、江陵には黄巾賊から逃れてきた数十万の民が住み着いているのだ。黄忠と黄蓋が強引に馬車に乗せなければ、三人は今頃まだ街で無数の民に取り囲まれていただろう。

 

 白帝城が見えたのは昼を大きく回ってからだった。

 

 長屋のような、小さな街のような建物が続く風景は、しかしその全てが荊州と荊州南郡のものであり、大半が関を利用する民のために解放されている宿泊施設だ。益州白帝城の向こう側にも同じような光景が広がっている。

 

「河賊ではないが、(げん)(がん)の旗が見えるのぉ。何じゃろ、儂の発言が悪かったのか?」

「またしても邪魔が……。口に出さない方が良かったのかしら?」

「うーむ、運がいいのか悪いのか。……まぁ、いずれであっても動かしやすくなったな」

 

 黄蓋と黄忠と空海は揃って首をかしげ、恐縮した様子の関の監督役に連れられ、巫峡に作られた小さな砦へと向かった。

 

 

「おー、やっぱり白帝城はデカいなー」

 

 荊州の砦と益州の砦は別の建物だ。経済力や政治力で益州を大きく上回ってる荊州ではあるが、意外なことに州境に持つ砦は益州の白帝城(それ)を下回る。

 主な理由は三つ。

 一つは、荊州が注意するべき進入路の多さと益州への進入路の少なさ。一つは、益州の陸戦能力の小ささ。一つは、益州から荊州に入ったところにある水陸の巨人、江陵による防衛力の高さだ。

 このような事情から、益州は防衛を考えた砦を置き、荊州は関としての能力を重視した作りになっている。

 

「空海様、あまり前に出ないで下さい」

「そうですぞ。儂らの姿を見れば民が混乱するじゃろう」

 

 空海は「やっちまったー」という表情で恐る恐る二人を振り返る。

 

「……もう()()()の兵士に手を振っちゃったんだけど……」

「……慌ててますね」

「……大事にならねばいいんじゃが」

 

 黄蓋の願いむなしく、武装を解いた益州の兵士が真っ青な顔で伝令にきたのは、およそ半刻(7分)後のことだった。

 

 

「益州側の責任者が、白帝城にお招きしたいと――」

 

 空海の前で跪き、益州側の要求を伝えているのは荊州側の関の監督役だ。黄蓋が言葉を遮って大声を上げる。

 

「呼びつけられて行くかッ、馬鹿者が! そのくらい空海様に伝える前に判断せんか!」

「そうです。まずはあちらから挨拶に来るのが筋というものですよ」

「厳顔みたいな武芸者にその辺強く求めるのもおかしな話だけどね。向こうが挨拶に来た上で招待するっていうのが礼儀かな。俺に挨拶するのに相応しい場所が、ここではなくて白帝城だぞって言ってるようなものなんだよ?」

 

 空海の言葉に監督役の顔から血の気が引いていく。彼自身に益州を悪く思う気持ちなどないが、荊州にとって益州とは全く格下の相手である。地理的にも経済的にも軍事的にも文化的にも政治的にもだ。

 格上の相手に敬意を払うべきであるという考え方はこの時代に限ったものではないが、格下の相手にはいくらか尊大に振る舞うのがこの時代の正しい作法だった。無論、賢人に知恵を借りようという時には相手の地位がどんなに低かろうと格上として扱う、といった考えも存在していたが。

 だからこそ、謙って「招かせて戴きたい」と告げた益州からの使者に気をよくしていた()だったが、それが『荊州の用意した関』が『益州の白帝城』に劣ると内外に認める形になっていたことに、遅ればせながら気付いたのだ。

 

「相手に舐められておることにも気付かぬとは……これが荊州の門番じゃと?」

「落ちついて公覆。平時はこのくらい穏やかな気質の者の方が問題が少ないんだよ」

「仰る通りですわ、空海様。しかしそれをそのまま空海様の前にまで持ち込むのは、少々たるみ過ぎではないでしょうか?」

「おまけにこの関をどう思っておるのかもはっきりとしたからのぉ。白帝城が羨ましいのなら益州に身売りでもすれば良いじゃろうに」

「そうですわね。私からも、荊州の門番には相応しくないから益州に下げ渡すと推薦状を書きましょうか」

「た、多分これを機に改善できるだろうから、もうちょっと様子を見てあげようよ……」

 

 黄蓋も黄忠も、空海が絡んだ事案にブチ切れ気味だ。普段大らかな彼女たちを見ている空海は彼女たちの豹変に腰が引けてしまい抑え役にもなれない。

 些細なミスから江陵の、ひいては荊州に実力者二人に睨まれた関の監督役は、マジ泣きするまで一人いびられ続けた。

 

 

 泣いて謝る監督役に名誉挽回の機会を与えるため、空海が使者として厳顔を呼びつける役を言い渡したのが半刻ほど前。

 監督役当人としては「一つでも間違いがあれば殺す」と告げられたも同然の追い打ちであったが、泣きながらも任務を遂行して、吐き気を覚えながらも空海に報告して、部下に後を任せてなんとか無事に部屋に戻ることができた。

 監督役はその日からしばらく起きてこなかった。

 

 関の次席責任者という肩書きの男が、生まれたての子鹿のように震えながら益州の将の来訪を告げる。それを複雑な表情で眺めながら、空海が入室の許可を出す。

 

「……まあ、いいか。二人とも、先制はするな。挑発も避けろ」

『御意』

 

 部屋に招き入れられたのは二人だった。

 始めに目についたのは妖艶とも言えるような容貌の女性だ。出るところが出た、とても艶めかしい体つきと、それを活かすような露出の多い青紫色の服を纏っている。

 勝ち気そうな目と眉と唇、銀に品の良い紫色を混ぜたような色味の緩やかなウェーブのかかった髪。おそらくは武装を解いていることを強くアピールしたいのだろう、表情にもやや媚びるような色合いが見て取れた。

 

「空海元帥様とお見受けします。儂は益州の将、(げん)(がん)。こちらの者は白帝城の警邏担当の屯長で()(えん)と申します」

「……魏延でございます」

 

 入室した二人が空海の前で跪き、先に入った女性が一歩前に出て顔を伏せたまま挨拶をし、厳顔の斜め後ろで、きまりの悪そうな顔をしながら魏延が頭を下げる。

 魏延は黒髪の一部に白くメッシュの入った特徴的な髪をざっくりとショートカットにしており、それだけで性格の一部が垣間見られるような姿だ。出るところが出たという意味では厳顔に似た体型かもしれないが、その身を包む服は黒と白とオレンジの色合いが強い攻撃的な雰囲気のものだった。

 

「俺は空海、よろしくね。こっちの凛々しいのは黄蓋、こっちの可愛いのは黄忠だよ」

「黄公覆じゃ」

「黄漢升ですわ」

 

 州牧が指名する将軍の職にある厳顔、部隊長である屯長の職である魏延に対し、黄忠は州牧に並ぶ高官である勁弓(けいきゅう)将軍、黄蓋の鎮江(ちんごう)将軍に至っては席次で州牧を上回るどころか功績を挙げれば国家閣僚である九卿への就任もあり得るという大臣候補だ。

 最ものんびりしている元帥など、地位が高すぎてもはや災害と変わらない。

 顔を上げていいという空海の発言に従い、厳顔は黄蓋と黄忠に丁寧に礼を向けたあと、どこか媚びるような表情を崩さないまま改めて空海を見上げて問いかけた。

 

「失礼ですが、何故こちらにいらしたのか、益州巴郡の守護を司る者として行啓の目的を伺いたく存じます」

「それはこちらの台詞だ。お嬢さんは巴郡江州県の守備をしていたんじゃなかったか?」

 

 空海の問いかけに対して厳顔は器用にも顔を青ざめさせながら照れたように笑い。

 

「――いえ、儂は元帥殿にお嬢さんと言われるような年ではないと思いますがの」

「ははは。そんなことないって。お嬢さんはまだまだ若いさ」

「ふ、ふふふっ……そうですかの?」「(えー、そうかなぁ……)」

 

 少しばかり血の気が戻って来たらしい厳顔と、かなり否定的な疑問顔の魏延に、空海は一層笑みを深めて頷く。

 

「ちなみに俺が江陵で確かめたところによると『お嬢さん、若い』って言われて喜ぶのは三十代後半からの女性で子持ちの既婚者に多い」

「――ごっはぁッ」

 

 その、あまりの衝撃に、厳顔が白目をむいて倒れた。

 

「桔梗様ぁー!? な、なんてやつだ……油断させておいてからこんな、酷い……っ!」

 

 不気味に痙攣する厳顔を助け起こした魏延が、怯みながらも空海を睨む。空海はそれを見下ろしながら満足げに目を細めて笑い返した。

 

「兵は詭道なり……」

「したり顔で言っても失礼は変わりませんぞ、空海様」

「ちゃんと謝って下さい、空海様!」

「はい、すいません」

 

 空海は素直に頭を下げた。

 

 魏延に支えられながら厳顔がふらつく体をかろうじて起こし、震えながらも空海を強く見据える。それは『この鬼畜外道』という恐怖であり『これ以上つつかれたら泣くぞ』という脅しであり『世の女性全てに弓引く行為』という怒りを込めた視線だった。

 

「はぁっ、はぁっ……わ、儂はまだ、まだっ、三十路を数えたばかりですぞ……!」

 

 ただ、その口から漏れた言葉は泣きそうに震えていた。色々ショックだったので。

 

「へー、やっぱり若いじゃん。ウチだと確か公覆は33、4歳だったよね」

「はあっ!?」「うぇえっ!?」

 

 十代後半からよくて二十代前半にしか見えない黄蓋の容姿を見て、厳顔と魏延が驚きに声を上げる。先ほど空海が口にした世代に近いこともあってか、黄蓋は困ったように笑いながら頷いた。

 

「近頃は年を気にしなくなりましたが、確かにそのくらいですのぉ」

「儂より年上……!?」「さ、33対4……!?」

「あっ、(わたくし)は祭さんより3、4歳年下ですよ」

『ええーっ!?』

 

 補足するように黄忠が告げるが、彼女に至っては十代前半と言っても通じる程に若く、しかし二十代後半と言われてもそのような気がする、むしろ年がわからない美人だった。

 それもこれも空海のパワーを身近で受けて起きた奇跡やら管理者たちから指導を受けて鍛錬した結果だったりするのだが、余り気にする人間がいないため誰も気付かない。

 

「いやいや、1つ2つじゃろう? 紫苑は字を付けるのが遅かったとはいえ、年は儂ともそう離れておらんはずじゃ」

「そうだねぇ。俺も公覆の1つか2つ下だと思うな」

「じゃあそうです!」

 

 じゃあじゃねぇだろと魏延は思ったが、改めて見れば幼さや無邪気さを感じさせていた風貌は優しげな女性のものであるようにも見えるし、表情の豊かさに隠れているが姿勢の良さとそこから感じる落ちつきや錬磨された武は若輩のそれではない。

 厳顔も黄忠を見て、自分を見て、黄蓋を見て、もう一度自分を見つめ直して蹲った。

 益州の二人を気にすることなく、空海は思案顔で言う。

 

「うーん、そういえば年の話をしたのって初めてじゃない?」

「そう言われればそんな気もしますな。儂としては年に頓着しなくなったことには、逆に年を感じてしまうゆえ、妙な気分なんじゃが……」

「うふふ、祭さんは若いですよ? それより(わたくし)は空海様のお年が気になりますっ」

「俺かー。俺は、公覆より13、4歳年上のはず」

『ええええええっ!?』

 

 日頃から子供に間違われることが多い空海は益州組二人の反応を予想しており、しっかり耳をふさいでも居たのだが。

 

「って、公覆と漢升と幼平までそんなに驚かなくても……」

 

 予想を上回る五人の叫び声が響いたせいで若干身を竦ませていた。長江に面した窓から身を乗り出した周泰に目を向ける空海を見て、魏延は思わず立ち上がった。

 

「どっからどう見てもこの中であんたが一番年下だからだよ!」

「こっ、これ焔耶! 黙らんか、阿呆!!」

 

 バキッ。グシャッ。ボキッ。ぎゃぁー

 

「あー、すまんがお嬢さん。猟奇事件を起こすなら別の場所でやってくれないか?」

 

 失礼をぶっちぎっている魏延の態度に慌てた厳顔が激しい折檻を加える。途中、厳顔の着物がはだけたりしたのだが、色っぽさではなく力強さが強調されただけだったので誰も指摘しなかった。

 

 

「――それにしても、空海様がそんなにお年を召してらしたとは存じませんでした」

 

 気を取り直し――この時一番最初に復帰したのが折檻されたはずの魏延だった――場の空気を入れ換えるように黄忠が明るい声で尋ねる。

 

「公覆や漢升に初めて会った時で、もう三十くらいだったからねぇ」

「あれで……いや、よう考えてみるとあの頃から全く老いた様子がありませんな」

「せ、仙人? ですか?」

 

 明らかに慣れていない敬語で尋ねるのは魏延だ。もし本当に仙人かそれに準ずる存在であったとしたら、いやそうでなくとも、是非、若さを保つ秘訣を教えて貰いたい。周囲の人間の若さを保つ方法でもいい。むしろ秘術とか教えてくれなくてもいいから若いままにしてくれないかなーなどとぶしつけなことを考えていたのだが、そんなことは()()に睨まれた瞬間に忘れた。

 

「俺が仙人ってことはないと思うけど……ああ、でも左慈や于吉は仙人の仲間だった気がするし、貂蝉や卑弥呼もなんか気を色々扱えるって言ってたな」

「そ、そんな、あの方たちが……仙人を従えるなんて流石は空海様です!」

「うむうむ」

 

 そういうことじゃないだろうがと厳顔は思った。

 最初から左慈たちを超常の存在だと認識している江陵組の意識とは、隔たりがある。

 

 

 厳顔たちが落ちついてきたと見た空海は、部屋に控えていた兵たちを下げる。

 厳顔が本題から逃げるのは話しづらい事情を抱えているためだろうと考えたからだ。他にもいくつか狙いはあったが、それらは内心に留めたまま。

 

「まぁ話を戻すと、俺らは南郡の治安維持と視察のために来てるんだよ」

「空海元帥様ともあろうお方がそのような目的のために御自ら、というのは流石に……」

 

 瞬間、絶大な威圧が厳顔たちを襲った。

 

「――――口が過ぎるぞ、小役人風情がッ」

「空海様に先に告げさせておいて――それを疑うのですか?」

「ひぃ」

 

 魏延の口から情けない声が漏れる。厳顔も思わず身構えそうになり、益州という特大の鎖に縛り上げられていることを思いだし、その顔から血の気が失せた。

 

 ――対応を誤った……!

 

 厳顔は自らの失言を悔やむ。少なくとも今この瞬間まで敵対的ではなかったはずの彼らが怒りを顕わにしたのは、厳顔の迂闊な一言があったせいだ。聞き出すにしても、もっと上手いやり方があったはずだろうと。

 しかし、いきなり斬られない程度には許されうる失態だったらしい。厳顔は挽回のため必死に打開策を模索する。

 もしここで本当に敵対してしまったら少なくとも益州上層部は終わりだ。劉表や空海の手で彼らに近しい役人が送り込まれ上層部は入れ替えられることになるだろう。圧倒的な戦力差を考えれば、抵抗すればしただけ手酷く蹂躙されることも想像に難くない。

 そうして生まれ変わった新しい益州には、厳顔や魏延の名前はないに違いなく――だから厳顔は、ここで許しを請うしかない。気付いた瞬間には頭を下げていた。

 

「も、申し訳ありませんでした! 今少し詳しい話をお聞かせ願えればと考えた次第で、そのっ、言葉が過ぎましたこと、深く謝罪いたします!」

「二人とも、あんまり怒らなくていいからね? ホントに。うん」

 

 威圧にビビっていたのは厳顔と魏延だけではなかった。

 

「よ、よし。えーと、それで?」

「はっ……、は?」

 

 次の瞬間、備え付けの机の天板に黄蓋の()()()()()()()()

 

「空海様はお主らの目的が何であるかと尋ねておられるんじゃ!

 何故その程度のことを察しない? 察せないのか? 察したくないのか! 察する頭もないのか! 空海様の御下問に答えられぬのなら、そのまま荷物を纏めて交州(ど田舎)にでも行けと言われても仕方ないわ!」

「わっ、儂らは巴郡の見回りの一環でここに来ておるのですっ! 諷陵(ふうりょう)とこの地と江州を回り番の拠点に据えて詰めておりましてっ」

 

 天板から再び、今度はやけに硬質なコツンという音が響く。

 

「――目と鼻の先に江陵があるのですが、そんな話は聞き及んでいませんね」

 

 黄忠が低い声で問う。その態度と口調は、何を勝手なことをしているのか、と糾弾するようなものであり、もう厳顔と空海は今すぐ逃げ出したくなった。

 

「此度のっ、此度の駐屯がまだ二度目なのです! 治安の維持に効果があれば劉益州様に裁可を戴き継続するつもりでございました故……っ」

「お、おお。本拠を守るために本拠を離れるとは、なかなか柔軟だね。うんうん」

 

 空海は目の前で怯える厳顔たちを江陵組から助けてあげるつもりで優しく声をかけた。

 それが悪手であると気付かずに。

 

「――その、お許しいただけるのですか……?」

「また疑問を投げた! 何故頭を使わない? 何故そんなに軽々しく口を開くのか、小役人! ここが江陵なら御前の役など即解任じゃわ! お主には何のために口がついているのかと言われても、誰も同情せぬわ!」

「ひぃ!」

 

 魏延はもう江陵だけには仕官しないと心に誓った。隣で震える厳顔も似たようなものである。今日は人生で一番きつくなじられた日と言って良かった。

 厳顔が再び口にしようとした謝罪を、怒る二人に怯えていたはずの空海が遮った。

 

「――ねえ、厳顔。お前、荊州に来てその力を役立てない? そしたら無礼も許すけど」

 

 黄蓋と黄忠が空海に目を向ける。生かしておくだけでも不快な無礼者を荊州に招くとは何を考えているのかと詰め寄ろうとし、空海の手がそれを制した。

 

「き、桔梗様……」

 

 魏延は、絶対に断ってくれという懇願の視線を厳顔にぶつける。

 短い沈黙の後、顔をこわばらせた厳顔は深く頭を垂れた。

 

「益州には主のため戦い抜く将はおりましても、主を置いて他になびくような将はおりませぬ。……無礼の儀、謝罪で足りぬのであればこの首を斬って戴いて結構です」

「ほぉ」「あら」

 

 黄蓋と黄忠は感心したように息を漏らす。空海も笑みを浮かべて身を乗り出した。

 

「これはふられちゃったなー」

 

 楽しげな空海の様子に、黄蓋と黄忠も笑みを浮かべて側に近寄る。

 

「ご安心くだされ。このような者に頼らずとも儂らがこれまで以上に支えますでの」

「そうです。もっと(わたくし)たちを頼って下さい、空海様! ここで断ったことを後悔させるくらい良い街に致しましょう」

 

 どうやら二人は厳顔を許したらしい、と判断した空海は更に笑みを深めた。

 

「ふふ、そうだね。それじゃ今後に期待しようかな。……厳顔、お前のおかげで二人から一層の忠誠を得られた。礼を言わない代わりに、無礼は許そう」

「――はっ」

 

 言葉とは裏腹に目で礼を伝える空海は、やはり背伸びした子供にしか見えなかった。

 




 今回は会談風味でしたね。無駄に長かった。削ろうかとも思ったのですが、続きがまだ書けてないので代わりの文章がなかったという。今のところ7章は4話の予定でいます。

>オッパイお化け
 怪奇『喋るオッパイ』。胸ではなく、オッパイです。

>限界ギリギリ謀略、後漢で一番ひでぇ策士<ヤツ>
 鳳統すこし 賈駆かなり 孔明わりと 周瑜すごく 程昱ひどい 空海こども
 空海「オラなんだかすげぇガクブルしてきたぞ!」ジョバー

>みんなー。乗り込めー
 おー^^ 端的に言えば後方遮断の戦法です。

>33対4
 アカン

>何故そこでインコースのストレートを使わない? 使えないのか? 使いたく(以下略)
 椎野四段活用。毒舌実況なので検索には注意。
 江陵の方言で「大きな声でハキハキと返事をしましょう」の意味。

>空海もビビる
 クワガタの威嚇を思い出して下さい。あいつら人間様をどうこうできるわけがないのに何故あんなに果敢に威嚇してくるのでしょうか? 腹立たしいのですが、怖かったです。

>厳顔は将軍
 『華陽国志』では「巴郡太守の趙筰の元で将軍を務めていた」と書かれており、一方で『蜀志』張飛伝では「巴郡太守の厳顔」とされています。Wikipediaでは後者を元に記述しているようですが、『華陽国志』では正しくは前者であるとされています。
 それなりに活躍もしているのですが、歴史書でも字が伝わらない程度の記述しかありません。しかし、張飛に対して言い放った「誰が降伏するかボケ」と「斬るなら斬れ」という言葉が正史として伝わり、後世でも著名人に引用されるなどして広まった結果、創作でも比較的扱いの良い有名武将として現代に伝わっています。
 ちなみに魏延の方は蜀で大活躍してるので、字までしっかり伝わっていたり。
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