ちょっと待って! 私の下の階級に猪熊柔がいるんだけど……!   作:怪盗218

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73話 男女国別団体戦 5回戦 決勝 代表戦①

互いにいい所を取り合う。嬉しくもないが、もう阿吽の呼吸だ。くっ、圧が強い。テレシコワは、がしがしと足を出しながら私を押し込んで来る。ちょっと意外だ。テレシコワは普通に4分間を見据えて戦えば良いのに、このペース配分は彼女もまるで短期決戦を望んでいるかのようだ。

 

真っすぐ後ろには下がらない。私は、テレシコワの圧をいなすように弧を描きながら下がる。鍵は足技だ。テレシコワの足技をひょいっと躱し、反対にかけ返す。燕返し。彼女がぐらっと崩れた隙に、私は彼女から見て左へ左へと回り始める。別に右に回ってもいいのだが、左に回った方が釣り手を効かせやすい。

 

側面に回った私を再び正面に捉えようとテレシコワが右手を伸ばして来る。その瞬間私は、一足飛びに彼女の懐に飛び込んだ。背負いではない。これは、腰技10本の内の一つ、『腰車』。平成の三四郎と呼ばれた古河先輩が背負い投げと同じほどに得意とした技で、レスリングや相撲で言う所の首投げに近い技。背負わず腰で投げると言う点は袖釣り込み腰と似ているが、手の動きが違う。私は長身のテレシコワの首の後襟を取る様に彼女の首に右手を回して、腰で彼女を浮かせる。

 

しかし、さすがはテレシコワ。彼女の身体が浮いたのは一瞬だった。直ぐに、畳に根が生えたかのように私の突き上げが止められる。私が止められる――、と感じるのと、反対に私の身体がぐわっと持ち上げられるのに、ほとんどタイムラグは無かった。

 

――いつの間にっ! テレシコワは巨体を沈み込ませ私の懐に回り込んでいた。やはりこれで来るかっ! 当然よね、弱点を知ったからには、それを最大限生かして来る。私でもそうする。

 

くはっ! 肩車は、首から回した手と股の間に差し込まれた手で相手の身体をすくいあげ背中から畳に叩きつける、裏投げと並ぶパワー柔道の代表格。これはきついっ!

 

ズダーーーン!

 

痛っうー! 完全に背中から落ちなかった分、受け身が十分に取れなかった。あまりの衝撃に、肺の中の空気が全部口から飛び出したかのようだ。だけど、その甲斐は十分にあった。肩車の間合いに引き付けられるまでの間に、私はかろうじて肩車に最適なポジション取りから逃れていた。それが、宙でかろうじて私が身体を捩る余裕を生んだ。

 

おかげで――

 

「技有ぃっ!」

 

――で済ます事が出来た。

 

横倒しになった体勢から、即座に立ち上がる。寝技は仕掛けないし、させないと、この試合が始まる前から決めていた。テレシコワも同じ考えのようだ。私達は、まるで少しの間も離れるのを厭う恋人同士のように(いないけど)、再び畳の中央でがっしりと組み合う。

 

 

「――有効っ」

 

組み合って直ぐの私の足払いがタイミングよく決まり、テレシコワの身体が崩れた。技有とはいかなかったが、私がポイントを取った事で希望が生まれたのだろう。日本の応援席で、激しく日の丸が左右に振られる様子が一瞬視界に入る。

 

――!

 

ここで仕掛けてくるっ!? 私の支え釣り込み足を躱したテレシコワが再び私の懐に低空姿勢で潜り込んでくる。当然仕掛けてくるのは、肩車。徹底している。尊敬するよ、テレシコワ。

 

再び私の身体が宙を舞った。ばたばたばた、と私の道着の裾が風を切るようにはためく。痛っ――! 肩車の衝撃を受け流すように畳の上を転がった後、私はすっくと立ちあがる。凝りもせずテレシコワに組み付いて行く私の背後から主審の「有効」の宣告が追いついて来る。再び静まり返る日本の応援団。反対にソビエトの民族舞踊の調が勢いを増す。

 

「――はぁ、はぁっ!」

 

テレシコワが技有一つ分優位な状態で、試合経過時間は54秒。4分という試合時間を考えるとまだ序盤と言えるが、この試合を2分と考えると、もう中盤だ。まだ少し心もとないが、そろそろ反撃していくとしよう。

 

テレシコワ、本当の桐生茜の姿が見られるのは、ここからだよ。覚悟しなっ!

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

これまでと変わらず会場内の柱の陰で代表戦を見守る虎滋郎と松田。無言のまま両者の試合を見つめていた虎滋郎が呟く。

 

「……凄まじいな」

 

有効を一つ取られたとはいえ、テレシコワは桐生から肩車で技有と有効を立て続けに奪取した。今もポイントはつかなかったものの桐生を際どい所まで追い詰めた。その一部始終を観戦していた松田も虎滋郎の言葉に頷く。

 

「ええ、ここまでの所はテレシコワ選手の良い所が目立ちますね。桐生さん、苦しい所だな……」

 

松田が見たところ、テレシコワの肩車がやっかいだった。桐生もあれがある関係で、思い切った踏み込みが出来ずにいるように見える。

 

「……いや、彼女ではない」

 

「え……?」

 

松田が虎滋郎に顔を向けた瞬間、会場内から歓声が沸き起こり、興奮した観客の一部ががたっと席を立った。

 

 

 

桐生の背負い投げをテレシコワが堪える。もちろん堪えるだけではない。テレシコワの手が桐生の足に伸び、同時にテレシコワが体格の劣る桐生の下に潜り込む様にして飛び込んで行く。

自身より体格の劣る相手の懐に潜り込む事は、決して簡単な事ではない。しかしテレシコワはそれを難なくやってのける。パワー柔道と言ってしまうのは簡単だが、決してそれだけではない、まさに一流の選手による一流の技。

 

しかし、次の瞬間、テレシコワもまた自身と相対していた選手が一流である事を再確認する。

 

「――何ッ!?」

 

低空姿勢で飛び込んだテレシコワの身体を桐生がぎりぎりで躱す。躱しながら桐生がそのテレシコワより更に低空姿勢でテレシコワの懐に潜り込む。もはや桐生の膝は、畳と接する程の低さ。彼女の両手はそれぞれテレシコワの股と襟元に伸びていた。

 

「――肩車をあんただけの専売特許だとでも思ったかっ! どっせーーーいっ!!」

 

テレシコワの巨体を両肩に抱えて桐生が一気に立ち上がる。凄まじい体格差であるにもかかわらずそれが可能なのは、絶妙のタイミングに加えて桐生の両膝のバネが一級品である証だった。受け手と攻め手を入れ替えて行われる肩車の応酬に、国籍を問わず奨忠(チャンチュン)体育館に詰めかけた観客がスタンディングオベーションで迎える。

 

テレシコワも堪える。低空姿勢で放たれた肩車だけに、テレシコワは両手を頭上に伸ばす事で畳との支えに出来た。そのまま逆立ちの態勢で手をケンケンするように付く事で肩車の回転から逃れようとするテレシコワだが、とうとう桐生の執念がテレシコワのそれを上回った。

 

ズーンという大きな音と共に、テレシコワが崩れる。

 

 

「――一本っ!」

 

主審の声が高らかに奨忠(チャンチュン)体育館に響き、爆発する大歓声。茫然とした表情で主審を仰ぎ見るテレシコワ。

 

 

 

だが、不意に主審は何かに気づいたのか、即座に天井を指していた自身の手を訂正するかのように左右に振った。

 

その素振りに会場内がざわめくが、皆が直ぐに気づいた。1人の線審が、場外を示すジェスチャーをしている事に。どおおっという溜息が波形となって会場内を伝播していく。テレシコワの抵抗は無駄ではなかったのだ。彼女が肩車を手で支える様にしながら防いだことで、一歩、いや、半歩だけ桐生の足が場外を示す赤い畳の外に出てしまっていた。

 

 

 

「場外……か。くー、悔しいなぁっ! もう少しだったのに、桐生さん!」

 

「だが、あれでもうテレシコワはうかつに肩車を仕掛ける事が出来なくなった。それが試合にどう影響してくるかは分からんがな……」

 

松田と虎滋郎の見つめる先では、激しい攻防を裏付ける様に道着が乱れてしまった二人に、主審が道着を整える様に指示する所だった。

 

「あ、そうです、そうです。桐生さん、あれだけ肩車を苦手にしていたのに、どうして急に……」

 

「急では無いよ。あの娘は今日だけで何度も肩車を受けている。いや、この試合に限っては、自ら進んで肩車を誘引していた素振りすらあるな……」

 

「何度も受けているって、でも、たかだが1試合か2試合。時間にして4,5分って所ですよ? たったそれだけの時間で、肩車を克服したばかりか、あれほど完璧な肩車を放てるようになったって言うんですか?」

 

その松田の問いかけに虎滋郎は、畳の上の二人から視線を剥がし、日本チームのメンバーの一人に視線を固定しながら応える。

 

「時間は問題では無い。どれだけその時間を濃密なものにしたかが重要なのだ。オリンピックと言うこの上ないほどの真剣勝負の場で、一流の選手が使う一流の技を、一流の選手が受ける。僅か1試合で、数年分の修業に勝る経験値を得るというのは、何も本阿弥さやかに限った話ではないのだよ」

 

松田は、虎滋郎の視線の先にいる女性を目にし、なるほど、と幾分興奮した様子で頷く。

 

「でも、それなら尚更、先ほどの肩車は惜しかったですね。一本とは言わなくても、せめて技有、いやいや、有効だけでも取れていたら……。桐生さん、悔しいだろうなぁ」

 

その松田の独白に、虎滋郎は彼にしては珍しく口角を上げて桐生を見つめる。

 

「さて、本人はさほど悔しがっていないのかもしれんよ。松田君、私はあの娘と初めて秋田で出会った時、底が見えない柔道家という印象を受けた」

 

「……」

 

猪熊滋悟郎の息子にして猪熊柔の父である稀代の柔道家 猪熊虎滋郎。その彼が今や『講道館柔道の完成形』とまで謳われる桐生茜をどう評価したかに興味を覚えた松田は、沈黙する事でその先を促す。

 

「あれから彼女の試合は全て見ている。もちろんこのソウルに来てからもだ。その上で告白しよう。私は、未だに彼女の柔道の底が見えていない、と……」

 

「底が見えていない……。――という事は、まだ桐生さんは……」

 

虎滋郎の言葉の意味を正しく理解した松田は、息を整えながら道着の乱れを直している桐生を見つめた。

 

桐生さん、頑張れっ! 日本中が君を応援しているよっ! 君の柔道を世界の柔道ファンに見せつけてやってくれっ!

 

松田のそんな熱のこもった視線を受けながら、桐生茜は最後の大一番に向かって行くのだった。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

これでよしっと! 整えた道着をほつれの目立つ黒帯でびしっと締め直した私は、深く深呼吸しながらいまだ道着を整えているテレシコワに視線を投げる。肩車はもう大丈夫。時間は……ちろっと電光掲示板を確認する。経過時間は、1分18秒。もう折り返し地点は過ぎているが、肩車対応はこれで十分。

 

もちろん一度技を返したら、2度とその技は喰らわないなどと言う、ゲームのような世界に私は生きているわけでは無い。心技体の整った相手に、完璧なタイミングで完璧な技を放たれれば、また一本負けを喫する事はあるだろう。それでも、相手選手の心技体を崩し、完璧なタイミングで放たせず、完璧な技をどれほど妨害できるか、それが柔道における攻防の醍醐味なのだ。良いよね、楽しいよね、柔道。この試合を見て柔道を始めて見ようって思ってくれる子供がいてくれたら飛び上がるほど嬉しいな。国籍は何でもいい。日本でもソビエトでも、ブラジルでも韓国でも。少しでも柔道に興味を持ってくれる人が増えると、それだけで十分。いつか柔道の普及(ついでに料理のレパートリーを増強する事)を目的に世界を巡ってみたいものだわ。

 

とっ、そろそろテレシコワの道着の乱れも整ったみたい。経過時間を確認した際に、互いが取り合ったポイントは目に入っていた。私の名前の隣に、一瞬だけ一本勝ちを示すランプが点灯したが、今は有効一つが点灯しているのみ。

 

……点灯しているのみなんだけど、先ほど私が繰り出した肩車で、テレシコワから一本はもちろん、何のポイントも奪えなかった事には、それほど動揺していない。それほど、というか、全く。

 

むしろ、次はどの引き出しを開けようかとワクワクしている自分がいる。さあ、行くよぉ、テレシコワ。最後まで私に付き合ってもらうからね!

 

そして私とテレシコワの試合が再開された。

 

 

 

~~~~同時刻 秋田東工業高等学校 柔道部~~~~

 

「桐生先輩っ、頑張れっ!」

 

「そこですっ!」

 

「あ、危ないっ! 逃げて、先輩!」

 

ソウルから遠く離れた桐生の母校では、彼女の後輩達が部室に備え付けられている小さなテレビの前に陣取り、声を張り上げていた。

 

「なんだよ、あの線審っ! 贔屓しているんじゃないのかっ!? 絶対に枠内だっただろう!?」

 

一人の部員が先ほど惜しくも場外と判定されたシーンを指して声を荒げるが、3年生の元キャプテン小田がそれをなだめる。

 

「よせ、成瀬。確かに微妙な判定だったが、肝心の桐生先輩が判定を受け入れているんだ。外野がとやかく言うんじゃない」

 

小田の言葉どおり、モニターに移る桐生は、会場のどよめき、日の丸を振う観客席からのおそらく審判に対すると思われるブーイングを気にもせず一人開始線に戻っている。

 

かつて彼女と共に武道場の畳の上で汗を流した部員が桐生のその様子を見て笑みを浮かべる。

 

「桐生先輩、何も変わってませんね。僕達とこの道場で一緒に稽古をしていた時と全く同じです」

 

その部員は、かつて制服姿に着替えた桐生に技の指南を依頼し、あわや下着が見えそうになるほど熱の入った指導を受けた部員だった。

 

「僕、桐生先輩の、あの柔道を心から好きでたまらないって語っている目が大好きだったんです」

 

入部初日。初めて桐生に言葉をかけられた時の事を、その部員は脳裏に思い起こす。

 

『君、柔道は初めて?』

『は、はいっ! 初めてですっ! えっと、よろしくご指導願います、先輩っ!』

『あはは、硬い硬い。もっと気楽にいこうよ。でも、数ある部活の中からうちの柔道部を選んだのは間違いじゃ無かったね。柔道、楽しいから絶対に後悔はさせないよ。一緒に楽しもうっ!』

『はいっ!』

 

そして、今、遠い異国の地で日本柔道界に団体戦初の金メダルをもたらすために戦っている彼女との記憶を思い起こしているのは、何も彼一人に限った話では無かった。その場にいる皆が、かつて共に汗水を流し、時に同じ場所で寝食を共にした彼女の姿を脳裏に思い描いていた。

 

「……俺、桐生先輩とこの学校で稽古が出来た事、生涯自慢にします」

「……俺も。俺、桐生先輩にいつか再会した時に、胸を張って挨拶できるように生きようって決めてんだ」

 

そんな部員達のしおらしい様子に、その桐生からキャプテンを引き継ぎ、今また後輩の一人にその座を譲った小田が苦笑交じりに「お前達、本当に桐生先輩の事が好きだな」と皮肉る。しかし、その皮肉られた後輩が「小田先輩だって……」と反論する。

 

「小田先輩だって、もう引退したのにいつまでも五分刈りのままじゃないですか。それって、桐生先輩にいつ再会しても頭を撫でてもらえやすい様にしているからでしょ?」

 

その言葉に小田は顔を赤くしながら「ば、馬鹿ッ! これは五分刈りが慣れているからってだけだよっ!」と声を荒げるが、後輩達の突っ込みが図星を付いていた事は、彼の様子から明らかだった。

 

「あっ、試合が再開しますよっ!」

 

その言葉に皆は再びTVのモニターに意識を集中するのだった。

 

 

~~~~同時刻 スイス 某時計メーカー製造工場~~~~

 

 

「おい、サナダ。そろそろ休憩したらどうだ? 根を詰め込み過ぎだぞ……サナダ?」

 

油汚れに備えたつなぎ服を着た青い目の青年が、半年前に日本から渡って来た一人の青年に声をかけるが、いつもは快活に返事を返す彼からの反応が無い事に訝し気な表情を顔に浮かべる。

 

そのやり取りを見ていたベテランの職工が、自身の耳を指しながら不審な表情を浮かべた青年に向かって口を開いた。

 

「無駄だよ、メイヤー。サナダは今ジャポンのラジオを聴いているから。4日前と同じさ」

 

「4日前……? ああ、そうか。オリンピックか? は、オリンピックの何が楽しいのやら」

 

そう言えば4日前もサナダはラジオの音声をイヤホンで聞きながら仕事をしていた。

 

「何でも、ハイスクールの同級生がオリンピックに出場しているらしい。いつもはこっちが心配になるほど仕事に根を詰めすぎるサナダの滅多に言わないわがままなんだ。工場長も許可しているんだから、そっとしておいてやれ」

 

その言葉にメイヤーと呼ばれた青年は「へえ……」と呟いた。ハイスクールの同級生がそんな大舞台に出ているとなればそれは気になるだろう。根っからのスイス育ちであるメイヤーも、少なからずハイスクール時代の友人は存在する。ましてやサナダは単身スイスにやって来ていて、故郷に対する望郷の念もあるだろう。

 

「なるほどね。ちなみにその同級生とやらはボーイなのかい? それともレディ?」

 

その問いかけに、先ほど仲を取り持ったベテランの職工が「くくっ」と笑みを浮かべて応える。

 

「こっちに来てからというもの、スイスのレディ達にどれだけ誘われても一向になびかなかったサナダがこんなに夢中になってるんだぜ。それを聞くのは野暮と言うものさ」

 

「なるほど、理解した。こいつは良い事を聞いた。後でサナダをからかう良いネタだぜ。それじゃあ、俺は一人寂しく休憩してくるとするか」

 

そう言ってメイヤーは、大きな身体を縮こませて機械式時計の部品の研磨をしているサナダの背後を通る。その時、不意にメイヤーの耳にサナダが呟いた言葉が届いた。

 

「頑張れ、桐生。秋田東工の主将(キャプテン)から日本女子柔道の主将(キャプテン)になっても、お前はお前だ。お前の中の柔道は、お前を決して裏切りはしない。……それは、元副主将(キャプテン)の俺が保証するよ」

 

日本語で呟かれた言葉だったためメイヤーには意味を持った言葉として届かなかったが、その言葉の裏に隠された彼の想いを察する事は容易に出来た。

 

「くっくっく。どうやらそのレディは、お前にとってただのレディでは無さそうだな。これもまた、お前をからかう二つ目のネタになりそうだ」

 

実に楽しそうに含み笑いをしながら休憩に入っていくメイヤーだった。

 

 

 

 

 

 

 




次回、決着。
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