破滅竜が美少女と化した遊戯王GX   作:SOD

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学園モノストーリーのムービングポイントは、大体生徒会か風紀委員かクラス委員長か不良が作る。


今、オレを笑ったか?

 

 「おー……」

 

 デュエルアカデミアの授業初日。

 高校の勉強とか何すんのかなーとか、デュエルの授業ってどんなことするのかなーとか。高校生活と言うまったく未知の体験に心躍らせながら、友達と騒いで先生が来るのを待っていた俺たちの前に現れたのは『ゴツい』という言葉がピッタリとハマるオッサン顔のゴリラだった。

 

 

 「1年共。オレ様たちは、デュエルアカデミア生徒会。つまり、この学園の支配者でありルールそのものだ!

 

 逆らう奴は地獄を見る。今からしっかり媚び売れるよう練習しておけや!!」

 

 

 金髪に褐色の肌。人の頭一個分位の筋肉が山盛りになっている肩。殴られればひとたまりも無いであろう身体を最大限活かして威圧するそのサマは、弱いものを思い通りに支配しようとする半グレのお手本の様だ。

 

 “…………”

 “…………”

 “…………”

 “…………”

 “…………”

 

 事実、さっきまでラーイエローやオシリスレッドの同級生達をゴミを見るような目で見下していたオベリスクブルーの同級生達が借りてきた猫のように静まっている。

 

 『生徒会ねえ。着ている服も他の子と違って赤でも黄色でも青でも無いみたいだけど……アレはわざわざ自分たちで縫ったのかしら?』

 

 

 「ーーブフッ!!?」 

 

 

 「……………………アァ?」

 

 

 (バカ野郎なんてことを言い出してくれるんだ破滅竜! あのゴリラがウキウキで自分の筋肉を内側に寄せて自作の服をチクチク縫ってる姿を想像したら吹き出したじゃないか!! …………ププッ)

 

 

 …………あの、筋肉ゴリゴリのオッサン顔がわざわざどっかでデザインしてもらったり、あるいは自分でキャッキャッしながらデザインしたかも知れない制服だと思うと…………。

 

 

 

 「オイそこのガキ、今何か笑ったかーー」

 

 

 「プッーー! く……っ、ふ、アーハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

 

 「……………………テメェ」

 

 

 いつの間にか目の前にやって来ていたゴリラが血管が浮き出る程ブチ切れている。

 

 「何笑ってんだゴルァぁぁぁぁーー!!!!」

 

 ドラム缶くらい太い上腕二頭筋が、俺の喉元目掛けて振り抜かれた。

 なんでブチ切れて出した攻撃にラリアットが採用されたのか、後ほどインタビューでもしてみたい。

   

 「しかし鈍いね、どうも」

 

 「ーー!?」

 

 振り抜きが空を狩って身体が机に情けなく転がり込んだ頃。

 ようやく自分が狙っていた首がとうにそこに無いことに気付いたゴリラが背後に振り向いた。

 そこに居たのは、俺。

 

 「テメェ……いつの間にオレサマの背後に回ったんだ?」

 

 「さあ、いつだったかな……? そんな昔のことは忘れたよ」

 

 「ふざけろこんガキャァ!!!!」

 

 

 ゴリラが右腕を振るい、ブンと小気味良い音を鳴らしながら何も無いそこを殴る。

 

 「オラァ!!!!」

 

 どうやらまた背後に俺が居ると思ったらしい。裏拳を叩き込むべく背後に振り向く勢いで空を切った。

 

 「ば、バカな! どこに居るんだオラァ!!」

 

 「例えば山の中で襲ってくるような獣から逃げる時、どこに居るのが有効だと思う?」

 

 「…………は? まさか……」

 

 俺が声を掛けると、ようやく居場所に思い至った頭が上を向く。ゴリラの視界に何が映る? 空? 否。天(天井)。そして、またしても俺。

 

 天井を足場に両足で立ってドヤ顔しているYAMA育ちの……俺!

 

 

 「な、何で天井に立っていられるんだよ……テメェ一体何者だ!?」

 

 

 「(われ)は、面影糸(おもかげいと)()()蜘蛛(くも)。ようこそ、宴会芸くらいにしか役に立たない立体機動サーカスへ。

 

 …………ああ、まさかコレを天井に立って言える日が来るとは。白夜(はくや)白夜(びゃくや)に、感謝の一念が浮かんでくるかもしれない」

 

 離人の言葉は、一部のマニアが知るセリフの引用。

 これが分かるのなら、その相手も一部のマニアが知るに留まるセリフの元ネタを知る者と言うことになる。

 

 それが、分かると言うことはすなわち。

 

 

 「………………テメェ、まさか……『転生者』か?」

 

 「ああ、やっぱりそうなる? そう言うアンタも(すべか)らく……『転生者』だ」

 

 

 

 「………………………………そうか。

 

 アイツには今日のところは何もすんなって言われてんだけどナ。

 

 

 けどまあ、流石に新入りにナワバリで好き勝手やらせるわけにゃあいかねえよなア?

 

 

 …………オイ!!」

 

 

 ゴリラが教室のドアから見える廊下に向けて一声掛ける。

 すると、閂を外したダムの水のように人員がなだれ込んでくる。

 その中の一人、眉毛が見なくなるほど目の周りをアイシャドウで塗りたくって口ピアスを付けたオベリスクブルーの制服の男が口を開いた。

 

 「サウザーさん。お呼びですか?」

 

 「オウ、一宮。テメェちょっとこの1年にキョウイクしてやれや」

 

 そう言うと、ゴリラことサウザーは教卓の上に腰掛ける。周囲にはサウザーにドリンクやらを差し出している。

 

 

 そして、一宮と呼ばれたパンダピアスは眉間にシワを寄せて離人にガンを付けてきた。

 

 「オウ1年。サウザーさんに何を失礼してんだコラ。

 

 サウザーさんの私的部隊『業流電堅死狼(ゴールデンケンシロウ)』の特攻隊長、一宮徳彦がシドウしてやるよ!」

 

 「フッ……ゴールデン……ケンシロウ……プフっ……」

 

 「ブッ殺す……!!」

 

 一宮がデュエルディスクを取り出して装着。

 離人も、せっかくデュエルアカデミアに居るのだからと常備持ち歩くことにしているデュエルディスクをリュックから取り出して装着。

 

 

 「入学早々、トラウマ刻み込んでやっからよぉ!!」

 

 「…………ふむ。

 

 ーー潔く逝く者はまた速やかに逝く。安心して消えるが良い、一宮。

 

 お前の後釜は……いや、もう要らんか」

 

 

 なんとなく満足そうな顔をして、デュエルディスクを展開する。

 

 

 

 「「デュエル!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 




今回何も出番の無い方々。


万丈目「一体どうなってるんだ? 何故デュエルアカデミアであんな輩が野放しに?」←困惑

 
十代「どんなデュエルになるのか楽しみだな!」←座学には興味無し

ルナ「ってか白夜、速攻ケンカ売られててウケるw」








ガンドラ『やっぱり()()で活動してないと、影が薄くなるわね…………こうなったら……』
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